第1章 〜実力〜
「それではこちらの紙に名前を書いて下さいね!
特に死んだりしてもギルド側は一切の責任をとりませんのでご了承を」
サラッと注意事項言うあたりよく死人が出ているんだと思う
あれだな、俺の仲間が死んじまったじゃねーかどうしてくれんだ
的なバカがいるんだな
「何か仕事受けていきますか?」
そうだな…無難に採取クエスト辺りをやるか
レイ姉ちゃんに目を向けると悟ってくれたのか頷いて答えてくれた
「ではこの街の西門を出てそこから見える山の麓の森の中に生える薬草"キュール"を採ってきて下さい。採った数により報酬は増減します。なお森には強いものでブルーベアーや、シルバーウルフ、弱いものでアクセルラビットなど出ますのでご注意下さい」
「その魔獣について詳しくお聞きしても?」
「はい、そういった情報も提供しておりますのでご安心を」
そういって説明される
ブルーベアー、その名の通り青い熊。3m程の大きな体に似合わず素早く重い一撃を出す。Cランク冒険者5人程でギリギリ討伐できるが、多くの冒険者はここでつまずく。素材は高値で売れるそうだ。
シルバーウルフ、これもその名の通り銀の狼。全身に銀で出来た鎧を着ているほどの硬さで素早いがブルーベアーほどの力は無く素早さに慣れれば勝てる相手。1対1ならCランク冒険者でも討伐可能。基本的に3体以上で動いているそうだが目撃情報は少ない為頭の隅に入れておくぐらいで良い。
そうして俺とレイ姉ちゃんは西門から出て森へと進む。
道中スライムのようなぷにぷにした液体が動いていたので何体か魔法の練習がてら倒しながら進む
「よし、フレイムストーム!アイスストーム!ロックストーム!リーフストーム!サンダーストーム!」
これで5属性の竜巻完成っと…後はうまいこと相殺し合わないように…色合いを考えて虹のようにイメージして
「エレメンタルストーム!」
魔法を発動させると、竜巻が一つ発動した。
無色ではなく虹色に輝く竜巻だ。
見る感じ5属性の魔力そのものの竜巻のような感じでなんだか綺麗だ。
チリンっ
「ん?なんか落ちた?」
音のした方へと歩くと光る1枚のコインが落ちていた
どうやらスライムが落としたものであろうコインだった
スライムコインとでも呼んでおくか。
初めてのドロップアイテムとゆう事で大事にアイテムボックスへしまった。
その最中に利便性を考えてアイテムボックスの内容物がわかるようメニュー化が出来てしまったことは語らないでおこう。
そんなことをしているうちに森の入口へと到着した。
4時間ほど掛かったであろうかこの距離は歩いてくるには遠すぎる…
次から遠いところはワープしよう。
「さーてノート!キュールを沢山集めるよー!」
その瞬間に俺は
「サーチ"キュール"」
と言ってキュールをイメージして魔力の範囲を広げて探して見るとすぐに見つかった
しかも何十本もある場所じゃないか、都合がいい早速向かおう
「あったよレイ姉ちゃん。行こ!」
「う、うん…相変わらず便利なスキルだね…」
そうそう、先程から魔法名を言って発動させているが、理由は2つある
1つは無詠唱だと恥ずかしさも何も無いのだが、この世界には無詠唱とゆうことかまず有り得ないらしいから隠しておこうとゆう事にした。
そしてもう一つ、名前言った方がイメージつきやすいわ…
キュールを30本ほど採取することが出来たので他の場所を探す為またサーチを使う。
サーチで魔力を広げていくが何かに邪魔をされた…
「レイ姉ちゃん…魔獣が来るよ…数は8、大きさ的にアクセルラビットかな…」
ガサガサと草が揺れ現れたのは…
キュウ!
と鳴くなんとも可愛らしいアクセルラビット?だった。
「ノート見て!あのウルッとした瞳!可愛い!」
と言いレイ姉ちゃんは近付く
俺も戦闘態勢を解除しようとした瞬間、
そのウサギは姿を消した。
代わりに俺の右肩から裂けて血が流れてくる。
「ツッ…な、なにが」
そう言った後に弾丸なようなものが足元に当たり刺さった…それはアクセルラビットであった
その名の通り加速するウサギとゆうことか。
って速さにも限度あるだろ!音速いってんしゃねーのかこれ!
「くそっ、ヒーリング、フレイムソード!」
まずは肩を治すことにする
そして炎の剣を手に持ち対処をしようとしたが
音はやみアクセルラビットはその場で倒れていた
目の前には剣が血で赤く染まったレイ姉ちゃんが立っていた。
「あ、ノートごめん、本気出しすぎちゃって当分力出せないや」
スキルを使ったのだろう、全身にあり得ないほどの光を纏っていたが
無理したのかそのまま座り込んでしまった
「ノートが傷付けられて頭に血が上っちゃった、てへ」
実に可愛いうちの姉である。
じゃなくてこの数を一瞬とは…
さっきのサーチでは8体しか確認できなかったがそんなものではない
50ちょっとの死体がここには寝っ転がっている、
早すぎてサーチにつかまらなかったのか。
これが勇者としてのレイ姉ちゃんの実力なのか…