第1章 〜旅立ち〜
長い時間をかけて俺のステータスボードを見続けていたレイ姉ちゃんはやっとこちらを向いて話し出した。
「たった1年でここまでの成長をしているとは思わなかったわ。影で努力していた…では済むレベルではないし。どれだけの苦痛を耐えてきたのか私にはわからない。頑張っていたのね…
魔力適正0だったのに魔法まで使えて…」
レイ姉ちゃんは頭を抱えて話を続ける。
「神聖剣っていうのは分からないけど魔法作成とゆうのはわかったわ。これがあるからノートは無詠唱魔法が可能なのね。どうやってるの?」
なるほど…イメージで魔法が出来たのはこのユニークスキルのおかげなのか。
きっと神様が魔法の使い方わからないから自作でやれって意味で付けたんだろうな…
俺は森で魔法を使った時のことをレイ姉ちゃんへと伝えた。
「はぁ…私これでも勇者なのに情けないわ」
「僕でも勇者になれるかな?」
「なれないわよ。この世界に勇者は1人だけなの。存在できるのはね。もし私が死んだらノートがなると思うわ。」
「そっか…ってことはレイ姉ちゃんはやっぱりすごいんだね!」
「え?だからいつも私のステータスボードみてニヤニヤしてたんでしょ?」
あーなるほど…ノートは魔力適正0、ステータスもさほど高くない
そんな身近に勇者がいたらそれは嬉しいだろうな。
「そんなことより!
私のHPは長年訓練してきたからついたもの、ノートは急に1000もあげてる…MPに関しては何があったの。こんな数値見たことない。ママでさえ1万よ。それの10倍だなんて…それでステータスは…冒険者ギルドのDランクぐらいだわ…その年で考えると世界に5人しかいないSランクも夢じゃないわ…」
冒険者ギルドがあるのか!
是非ともやりたい…
それにもしかしたら冒険者として情報を集めていけば詩織の手掛かりへと繋がるかもしれない
「冒険者になりたい!」
「そうね、ママが許可したら私と教会へ行って職を得てから行きましょう。きっといいよと言われるわ…私も魔王集を倒さないといけないし、ノートが一緒にいてくれたらなんだか安心だわ!
冒険者になる必要な条件は教会で職を得ることが出来たものだけだから、このステータスなら確実に職は貰えるわ。」
それなら一先ずは教会へ行くことか…
「あとね。ノートの魔力の表示はおかしいわ。9999なんて…そもそも魔力は1000を越えることはないわ、火力が強すぎて自分さえも巻き込んでしまうと思う…」
「レイ姉ちゃんは読めたの?僕には?としか書いてなかったよ?」
「教会の加護を受けたものはみんな?も読めるようになるよ」
なるほど、教会様様だな。
「私は剣術の心得を習得して極めて、剣術の極意へとなって、次に剣の申し子とスキル名が変わったわ
でも心得も極意もスキルレベルは5が限界のはずなのにノートは9レベ、もしかしたら教会の加護をうけないと変わらないのかもしれないわね。
全耐性向上とゆう事は毒とか一切効かず、物理、魔法攻撃まで緩和できるみたいだけど、体が出来上がってない為かまだ使いこなせていない様ね。スキルはあっても体自体弱ければスキルの効果を存分に受けられないわよ。」
「あら?ノート、レイ、休憩かしら。お茶でもいる?」
「ママ!ノートのステータスボードが大変なの!」
そう言って母さんはレイ姉ちゃんから俺のステータスボードをもらい見始めた。
そしてこれまでの事をレイ姉ちゃんから聞いていた。
…
……
「ノート…ママはMP自動回復、痛覚緩和などこんなスキル見た事ないわ。見た感じMPが尽きる事は無いみたいね。いいわ。レイ!ノートを教会に連れて行って冒険者ギルドで登録を済ませなさい。」
「わかったわママ!」
「母さん、ありがとう」
「ノート、ママはもう冒険が出来る年でも無いし、ただ人を癒していく力だけしか無いわ。
キースが魔王を打ち滅ぼしてそれと一緒に亡くなったけどママのそばに2人がいてくれたわ。
これはママからのお願い。レイを守れる力をつけてどんな時でも助けてあげてお願いね。」
「うん、任せて、命懸けで守ります!」
そう答えた瞬間ステータスボードが光り、ユニークスキルに新たなスキルが生まれた。
ユニークスキル
誰が為に。(???)
誰が為に…これはレイ姉ちゃんの為にとゆう事なのだろうか?
効果も出たみたいだが不明の様だ。
2人もこれは読めずにいる
教会に行ってもダメなのだろうか…
それにキース…誰なのだろうか。わからない事が多すぎる。もっと知識をつけないと。
……
………
そして次の日の朝。
「ノート、教会は裏口を出て道なりに真っ直ぐ行った所にサテライトがあるわ。大きめの街だから冒険者ギルドもあるし色々と済ませてきなさいね。」
「うん、それじゃあ行ってきます……あ、そうだ!」
そう言って俺は魔法作成とゆう事で早速その効能を試す。
拾った小さめの木の板3枚に無属性の魔力を注ぎ作り出した。
1枚の板に文字を書くと3枚とも同じ文字が書かれるとゆういわゆるメールの様なもの
これですぐに連絡が取れるだろうと思って作り出した。
イメージも簡単だった、ただ線を引いたら3枚とも引かれるとゆうイメージでやると出来た。
なんとゆう便利なスキルだろうか…
これは魔力を注ぐのは1枚で良いみたいだ、それが伝導して他の2枚にもいく。きっと距離も無限に届くのだろうと信じ込みながらそれを渡した。
裏口の扉を開けると、確かに道があった…
…いや、こっちが玄関だよな
庭の方が裏口だと思うんだがまあいいか。
そうして俺とレイ姉ちゃんは家を後にした。
冒険へと出発だ。…転移魔法でたまには帰ってくるか。