序章
朝6時、目が覚めて朝食を食べる。
そして当たり前の様にスーツへと着替えて会社へと出勤する。
ただのサラリーマン、されどサラリーマン
俺は生涯サラリーマンとして働いて2億稼いで、そのまま静かにこの世を去るんだろう
そんな事を考える日々。
もう飽き飽きだな…
仕事の帰り道、本屋へと立ち寄る。
『転生した世界は異世界でした。』『転生したら超強くなってた!?』『転生して転生して転生してみた』
なんたなんだ?最近は転生系が多いな…
……
………
…………
……………なるほど、転生して最強になったり、まったり生活したり、女の子とイチャイチャしたり、いいなこうゆうの。俺には仕事しかねーよ。
とりあえずこの『転生したから他の転生者を探してやる』ってゆう本買っていくか。
……
ふぅ、ただいまーっと
返事のない部屋へ一言発し俺は着替えて本を読みはじめた。
物語は事故に遭い死んだと思われたが神様に異世界へ転生してもらって、他にも沢山居るはずだから会えたら現代の世界の話でもしてやってくれ
との事だったので、神様に転生者を探せるスキルとある程度の身体能力を得た若者が色んな転生者を見つけ出して、何故か敵対して倒していくとゆう予想外のものであった。しかし、転生したらまずする事を書き記してあってある意味転生者へ向けての説明書ではないかと思うばかりであった。
気付くと23時を回っていたので寝ることにした。
眼が覚めるとそこは!
とゆう展開は無く、いつも通り見慣れた寂れた天井が目の前にはあった。
「今日は天気も良いし、生活用品の買い出しにでもいくかー」
そう誰かに伝えるように言うがもちろん俺の部屋には誰も居ない、ただ寂しさを感じるのであった。
「やべっ、まずは金下ろしに行かなきゃな」
銀行へ向かう事にした。車も無いので歩いていく。
「とりあえず2万だけ下ろして必要になったらまた下ろしにくればいいよなー。まぁ友達もみんな離れ離れに違う場所で働いてるし、俺が生活する上で必要な分だけで良いよなー」
お金を下ろして銀行を後にしようとしたその時
バンっ!!
とドアが強く開いた
酔ったおっさんである。
これもまあよく見る風景だな
休日だからって昼間っから酒飲んで平和だなここは…
そんな事を思って居ると背中に激痛が走った。
え?…
そのまま俺は床に倒れ込む。
それと同時に色んなところから聞こえる悲鳴
あぁ、刺されたのか…そうかー俺も短い人生だったな
25歳で彼女は10年前に出来たがいつのまにか音信不通、そうした人生でたどり着いた今の会社…
つまらない人生だったな。まぁここで終わるのもまた俺の人生か。
痛みを感じなくなってきて最後の力で仰向けになる。
空は見えない…銀行の少し高い天井だった。
最後に見る光景が天井って…
と思ったその瞬間
フードを深くかぶった人が俺にナイフを突き刺してきて、抜いて刺してと何度も何度もしてくる姿が見えた
怖くなったがどうやら限界らしい
身体は動かない、背中の辺りが暖かい。あぁこの暖かいものは全て俺の血か…
何でこの人に殺されるのか、ただ生活用品の買い出しに出ただけなのに
何も分からないまま俺はそっと目を閉じた。