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俺の親友が最強すぎる  作者: シェル
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序章『謎の漂流者達』

時刻は夕暮れ時、廃棄された海水浴場のように、ゴミが捨てられ海岸には何かもわからないようなものが多く打ち付けられている海岸に「それら」は、無造作に捨てられていた。もし「それら」が、人の形をしていなければ、「それら」の周りにあるゴミと同じように認識され、誰も「それら」に気付かなかったかもしれない。

いや、それ以前の問題とも言うべきか、「それら」の周りにはただ、放棄されたゴミがあるのみで、何年も人が立ち寄ってないかのように、とても静かだった。

そんな海岸の近くの小道を、濃い青の色の髪をした優男と、明るい金髪の先の優男とは二回りほど小さいニヤニヤとした笑みが印象的な男、そしてまるで紅一点と言わんばかりに綺麗な紅の色の髪をしたショートヘアの、元気そうな女の子の、計三人がゆっくりと談笑しながら歩いていた。


「んあ?なんだーあれ?」

「どうしたの?コウ?」


ずっとニヤニヤとしていた、コウと呼ばれた金髪の少年は、海岸の方に目を向けると何か不審なものを見つけたかのように怪訝そうな顔して、立ち止まっていた。


「ねぇ、コウの様子がおかしいんだけど、アオ、分かる?」

「あーどうせいつもの通り、何か面白いものでも見つけたんだと思うよ。コウの癖も出てたし。」


女の子が、先を歩いているコウと呼ばれた青髪の優男に問いかけると、コウは少し呆れたような表情をしながらコウの方を見た。すると、心外だと言わんばかりな勢いで、二人の方にコウが振り向いた。


「なんだよその言い方ー!というかそんな事よりもさ、あれ。あの海岸の方向、変なの見えない?」

「人影だぁ?」


コウに指摘されたほうに二人そろって目を向けると、ぱっと見、いつも通りゴミしかないように見えた。だが、よく見ると、明らかにいつも目にするゴミとは明らかに形の違うものが二つ、海岸に転がっていた。


「すごいな、人かどうかは分からないけど、確かに何か変なものがあるね。ねぇミズネ?」

「本当、コウの言ってることが本当なんて…夢?」

「いやなんだよその反応は!?」


アオと、ミズネと呼ばれた女の子は、まるで信じられないものを見るかのような顔で、海岸の方を見た。それに対してコウは、抗議の言葉を叫んだが、既に驚きで一杯の二人にはそんな言葉など届いていなかった。


「ねぇ、アオ。とりあえず近くまで行ってみない?」

「うんそうだね。行ってみようか」

「ねぇ、無視しないで!?てか二人して僕をおいていくなよ!?待てってば!」


アオとミズネの二人は、言葉を交わすと同時に、海岸の方へと足を向け、歩き始めた。

そんな二人に、また抗議の声を挙げた少年がいたが、二人はそんなこと意に返さずに海岸の方へと進んでいった。


「__っ!?ねぇ、アオ!」

「っ!あ、あぁ!分かってる!」


アオとミズネは、コウが言っていた「変なの」にある程度まで近づくと、何かに気付いたかのように、声にならない驚きの声を挙げ、言葉を交わし、もうはっきりと姿が見えつつある、『変なの』に向かい走り出した。

それから間もなく、その『変なの』にたどり着いた二人はまるで、知っていた、かのような表情を取り、冷静な表情をした。

それからすぐ、遅れてコウが走ってきた。


「アオもミズネも早いよー。二人とも走って行っちゃうんだからさー。それで、何があったの・・・ってこれ、人!?」

「はいはい、定番すぎる乗り突っ込みどうも。んじゃコウ、早くキールの街まで行って、レミおばさんに連絡して来て。」


驚きの表情をするコウに、ミズネは冷たく返す。

だが、ぞんざいな扱いをされるのは慣れているとでも言わんばかりに、コウはミズネにとぼけた様な言葉を返した。


「え?なんで僕がそんなこと」

「コウが一番私たちの中で【敏捷度】が高いじゃん。ほら、つべこべ言わず早く行く!」

「あ、ちょ!分かったから押さないで!」


ミズネのあまりの剣幕に慌て、逃げるようにしてコウは、薄っすらと灯りの見える方向へと走って行った。

その姿を見届けたミズネは、未だ倒れている人を調べているアオの方へ向きかえった。


「どう?アオ、何か手掛かりになるものはあった?」

「駄目だ。何も持っていないようだ。」


よく調べてみたが、と残念そうにアオは呟いた。

その様子に、少し残念そうな顔をミズネも浮かべた。


「ねぇ、死んでは・・・いないのね?」

「あぁ、死んではいないよ。ただ、気を失っているだけ。」


生きている、ということを聞いてミズネはホッとした表情を浮かべた。

だがすぐ、元の厳しい表情に戻すと、神妙そうに言葉を発した。


「不思議…よね。こんな何もない海岸に・・・」

「そうだね、格好も変だけど、何より二人、という所がね。」


そう、アオとミズネの二人が何より不思議に思っているのは、海岸に倒れているのは二人、という所だった。

二人の男性が、まるで寄り添うように並んで倒れていた。

片方は、茶色い髪が印象的な男、もう一人は、真っ黒な髪の男だった。

アオとミズネは、二人の顔をじっくりと見ながら、また不思議そうな顔を浮かべた。


「この辺りじゃ見ない顔だよね。どこか遠いところの人としか思えないよね。」

「そうね。特にこの髪が黒い人、この辺りじゃ黒い髪なんてすごい珍しいわ。いったいどこから来た人なのよ・・・」


アオとミズネは口々に思った事を呟いた。それから少し、悩ましい顔を二人揃って浮かべていると、背後から軽い足音が近づいてくるのが聞こえた。

アオとミズネ揃って後ろを振り向くと、見慣れた金髪が二人の方へ走ってきていた。


「コウも戻ってきたみたいだし、まぁこの二人が起きたら色々聞いてみることにしましょ。」

「そうだね、取り敢えずこの二人を宿まで運ぼうか。」


アオの言葉にこれから人を二人も運ばないといけないことを考え、面倒そうな表情を浮かべるミズネは、取り敢えずコウに一人持たせるか、と思うのであった。


どうも、シェルです。初投稿となります。これからよろしくです!


キールの街に帰っている最中に、海岸にて男二人が倒れているのを見つけたアオ、コウ、そしてミズネの三人。倒れている男二人は誰なのか?一体何故あんなところに倒れていたのか?一体作者はいつ失踪してしまうのか?

次回、男二人、目覚める。

また近いうちに!

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