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宇枝悠の異世界漫遊記  作者: U-1
第1章 異世界漂流編
8/70

第8話 宇枝悠の身に起きた異変

熊公を殴り飛ばし、軽く右拳を握っては開いてみる。

特に痛みは無い。

この黒い光が俺を護っているのか、先程まで感じていた火の熱さも、今は何も感じない。


「悪くないな」


この力は良いモノだ。

高揚感が湧いて来る。

今なら、誰にも負ける気がしない。

たとえ相手が、火を吹くふざけた獣でも。


「どうした、終わりか?」


殴り飛ばされてうつ伏せで倒れている熊に歩み寄り、軽く跳んで、熊を両足で踏みつける。

ズドン‼と大型トラックでも突っ込んだのかと錯覚するほどの爆音が轟き、熊が地面にクレーターを作りながらめり込んだ。

足の裏から肉を潰し、骨を砕くような感触が伝わって来る。

熊の悲鳴が森に響き渡る。

ああ、いい叫びだ。


「お前に殺されかけたんだ、コレで終わると思うなよ」


うつ伏せで倒れたままの熊を殴る。

蹴りを入れた時の様に重い音を響かせながら、熊の背を拳が地面にまで貫き穿つ様に殴りつける。

拳に伝わる肉を潰す感触と、砕かれた骨をさらに細かく砕く感触。

ああ、いい感触だ。

右手で殴る。

もう1回殴る。

ダメだ足りない。

また殴る。

まだ殴る。

まだまだ殴る。

殴る。

殴る。

殴る殴る。

殴る殴る殴る。

殴る、殴る、殴る、殴る、殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る、ああ駄目だ時間が掛かる、ああ、そうだ、まだ左手がある折れてる?知らない動かせる殴れる動かせれるんだから殴れる痛みは無いなら殴れるだろうだから何も問題ない大丈夫不安はない心配は無い殴れるんだから左手でも殴れる右手でも殴る両手で殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る――――――


「――――――は、」


熊の肉が裂け、血が飛ぶ。

殴る度に飛ぶ、殴るほどに血が飛び出てくる、飛び出た血が口に入る、血の味がした。


「ははは、」


あア、美味イ。

こレハいイ味ダ。


「ハハハはハハはハハハハはハッ‼‼‼」


殴って殴って殴って殴っテ殴っテ殴ッて殴ッて殴っテ殴ッて殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ殴ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ッテ撲ル。


「アーー・・・・・・」


モハヤ体毛ナノカ血ノ色ナノカ判別ガツカナイ程赤ク染マッタ、ビクビクト痙攣スル熊ヲ見下ロシ、


「飽キタナ」


右手ヲ掲ゲ、ソノ手ニ纏ウ黒イ光ノ輝キガ増シテイク。


「頂クゾ、オ前」


ソシテ右手ヲ振リ下ロシ、熊ノ身体ヲ、抜キ手デ貫イタ。


◆◆◆


少女は、その男の豹変をただ眺めていた。

まだほんの僅かしか接したことがないが、それでも今の男が異常だという事は見て判る。

あの黒い光が出てからだ。

男が火に焼かれて倒れてから、突然発した白い光。

それが徐々に黒く染まっていき、焼かれた男が怪我を負っているとはいえ、何事も無かったかのように立ち上がったのだ。

そこからは一方的な殺戮だった。

男はまるで何かに取り憑かれたように狂気に染まり、熊を撲殺している。

いよいよトドメを刺すのか、男は右手を振り上げ、もはや虫の息の熊へ抜き手を突き刺した。

輝きが増した黒い光が、熊の全身を吞み込んでいく。

そして光が徐々に収まっていき、消失した。

そこに残ったのは、抜き手を刺した状態で制止する男の姿だけで、熊の姿は何処にも無かった。


◆◆◆


「――――――・・・・・・あ?」


何故か俺は手を槍の様に伸ばしたまま、地面に向けていた。


「・・・・・・ああ、そうか」


思い出した。

確か熊を手で貫いて――――――


「――――――で、どうしたんだっけ?」


なんか黒い光が全てを呑み込まんばかりに物凄く輝いて、そして消えたような気がする。

・・・・・・まぁ、熊はもういなくなったみたいだし、解決したんならそれでいいんだが。


「あ、そうだ。あの娘」


あの倒れていた女は無事だろうか?

何処に居るのかグルリと見回そうと身体を動かすと、


「あ、?」


グラリと、景色が揺れた。

ドスンと身体に衝撃が走り、景色が横向きに変わる。

いや、俺が倒れたのか?

地面に横たわっているようだ。

思いの外疲れたのか。

起き上がろうと両腕に(・・・)力を入れる。


「・・・・・・あ、れ?」


腕どころか全身に力が入らず、起き上がれない。

瞼も重くなってきた。

意識が朦朧とする。

ああ、もう駄目だ、起きていられない。

身体を引き摺りながらこっちに歩む女の姿を最後に、俺は再び意識を落とした。

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