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宇枝悠の異世界漫遊記  作者: U-1
第1章 異世界漂流編
56/70

第56話 ???のその力

進むのが遅いから中々終わらないけど、もう少しで決着です。

「ァァァアアアアアアアアアアアアアッ‼‼‼」


魔族は男に向かって、残った左手を突き出して魔力弾を乱射しながら翔ける。

千切れた左翼と右腕から垂れる血流に構わず、獣の様な男に迫る。

男が、そんな風に必死な形相の魔族を見て、フルフェイスの兜越しに嗤った。


「ッ!?」


人間如きに見下されたと取れるその様に頭に血が上る魔族だったが、兜越しに覗く男の眼を見て心臓を鷲摑みにされたかのような錯覚を覚える。

人の姿をしていた時の黒い瞳ではなく、血を思わせる紅い眼。

宝石の様に美麗だが、魔獣の如き禍々しさを放つ眼光に身が竦み、反射的に飛翔する方向を転換させた。


「ク、ソガァァアアアアアアアアアッ‼‼‼」


人間如きに臆した。

その事実を払拭するかのように猛り声を上げながら、魔族は地に立つ男を中心に半球状を描くように縦横無尽に飛び回り、再び魔力弾を乱射する。

雨霰の様に降り注ぐ魔力弾が、前後左右上方から男に着弾した。

男に直撃、あるいは外れて床に着弾し、爆散する魔力が衝撃で床を砕き粉塵を撒き散らす――――――――筈だった。

だが、男に直撃した魔力弾は全て、まるで吸い込まれるように男を覆う紅黒い外皮に呑まれていく。

いや、それは外皮というよりは、鎧の様な外装だった。

何時の間にか、男の姿がやや変化していた。


「デカクナッテイル・・・イヤ、膨レ上ガッテイルノカ?」


口から飲み込むだけではない、あの紅黒い鎧の何処に当たっても魔力を取り込んでいる。

他者の魔力を食べ、呑み込み、肉を喰らう事によって力を増大させていく。


「コノ(チカラ)、マサカ・・・・・・」


否と、頭を振る魔族は上へ飛びあがる。

天井をブチ破って突き抜け、空へ出た魔族は左手を天に掲げた。


「在リエン・・・・・・」


在りえないと思う。

だが、それでも冷や汗が止まらない。

その考え(・・・・)が頭から離れない。

左手に魔力を集中し、凝縮し、圧縮させる。

一条の閃光を放つ魔口砲や、魔力の塊である魔力弾は呑み込まれる。

魔力弾サイズを大きくしても、呑まれるかもしれない。

ならば、あの紅黒い外装に呑まれても尚形を崩さず、内部にまで攻撃を届かせる程の高密度の魔力を纏った物理攻撃で突き破る。

魔力が左手の手刀に合わせるように形作られ、槍の様な形状を取る。

その様を、男はただ空を見上げるだけで何の行動も起こさない。

ナメられているのか、フルフェイスの様な外装のせいでその表情はこの距離からでは窺えない。

だが、動かないなら好都合。

魔族は更に空高く上昇し、遠心力を使い大回りして、地上へと翔ける。

重力を利用し猛スピードの飛翔で地面へと落下する。

目標は、地上で今も魔族を見上げている男。

男は変わらず、微動だにしていない。


「在ル筈ガナイッ‼」


在りえないと考えても、何度も口から否定の言葉が出るのは、内心では認めてしまっているからか。

男の能力(ちから)に一つ、魔族は思い当たるモノがあり、その存在が頭を過った。

だが、それは在りえない。

能力に思い当たることがあっても、それを人間が使える筈がないのだから。

そんな思考事を断ち切る様に、魔族は眼前へと迫る、見上げた姿勢のままな男目掛けて貫き手を突き出した。

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