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宇枝悠の異世界漫遊記  作者: U-1
第1章 異世界漂流編
45/70

第45話 宇枝悠の情報収集

「ありがとう、助かっちゃった‼」

「あー、うん、どういたしまして・・・・・・?」


頭を下げてお礼を言ってくるウェイトレスだが、ふっ飛ばして転がったチンピラ(スリー)が気になってしまい横目でチラ見してしまう。

死んでないよな?

大丈夫だよな?

コレ殺人罪とか傷害罪にならないよな?

いや、この世界の法律とか知らんけども。


「ああ、あの人たちなら大丈夫ですよ」


俺の視線に気づいたのか、ウェイトレスはにこやかに微笑み、


「適当に埋めt―――運んどきますので」

「黒さが出てるぞ、アンタ・・・・・・」


店から出てきた他のウェイトレス達と共に、彼女らが持ってきたロープで縛り始める。

随分慣れた動きだ。

こういうチンピラ客には慣れてるのだろうか?

酒場だから酔っ払いが多いのだろうが。


「んなゾンザイに扱って良いのか? 何か”うち等に手を出したら”どうとか言ってたと思うが」

「大丈夫よ、手を出したの私じゃないし」

「俺も出したのは手じゃないな」


出したのは手じゃありません、魔力です。

そんな誰に対しての言い訳を吐くが、既に事を起こしてしまった後だ。

深く考えるのは今は止めておこう。


「お礼に一杯奢らせてよ!」

「あー、いや・・・・・・」


ロープで縛ったチンピラーズを引き摺って何処かへ行くウェイトレス達を見送りつつ、首を横に振る。

何も無ければのんびりと奢られたいが、今はそんな時ではない。


「ちょっと急いでてな、奢りは遠慮しとくわ」

「あ、そうなの?」

「その代わりといってはなんだが、ちょっと聞きたい事があるんだが・・・・・・」

「うん、なんでも聞いていいよ。答えられる事なら答えるし―――――あ、スリーサイズとか聞いちゃう!?」

「すまん、ワリとマジで急いでるんで」

「あ、そう」


俺のノリが悪かったからか、少しばかりテンションが下がったように見えるが、まぁいいだろう。

今は本来の目的を果たそう。


「ラッセル・ドワイトは知ってるよな。そいつの家って何処だ?」

「ドワイト男爵のお屋敷なら・・・ほら、あそこに見える大きな家がそうよ」


ウェイトレスが指差す方向。

北側にある坂道、その先に見える大きな建物が目的地のようだ。


「ドワイト男爵・・・というより、ラッセル様に用事が?」

「・・・・・・まぁ、ちょっとな」


村娘を誘拐した事は言わない方がいいか。

モニカの話じゃ、普段と全く雰囲気が違ってたみたいだし、言っても信じられないだろうし。


「最近、ラッセルに何か変わった事とか無かったか? ああ、ここ2週間程でな」

「え? うーん・・・・・・」


眼を閉じ、思い出す様に空を仰ぐウェイトレスは、少し唸って「あ」と声を漏らす。


「関係あるのかどうか分からないけど、先週くらいからだったっけ。さっきみたいな冒険者が町に出入りするようになったの」

「さっきのチンピラ・・・ああ、そういや『ドワイト家に雇われて』って言ってたな」

「そうそう。ここら辺って田舎じゃない? 特に名産品がある訳でも、レアアイテムとか凶暴なモンスターが出たって訳でもないのに、先週くらいから他所からやってくる冒険者が多くなったのよ。まぁ、その分こっちもお客が多いから繁盛はしてるんだけどね」


それでも、ああいうチンピラは遠慮願いたいのだろう、その表情は苦々し気だ。


「この町には冒険者はいないのか?」

「いない事は無いけど、大体はこの町や、近隣の町や村の人だから知った顔が多いわね。だからこの辺の人かどうかは分かるのよ。で、貴方も他所から来たでしょ?」

「・・・・・・分かるのか?」

「そりゃ、見慣れない顔に見慣れない服装だもん。誰でも気づくよ」


そういや俺、学生服だったな。

この世界ではやっぱ珍しいのか?


「でも冒険者じゃないっぽいよね・・・何処から来たの?」

「サクラソウ村」

「あ、隣村なんだ。じゃあモニカって知ってる? 偶にこの町に来たりするんだけど――――――」


このウェイトレス、モニカの知り合いか?

――――――いや、今はんな事より。


「悪い、世間話はまた今度な」

「あ、急いでるんだったね」


話が長引きそうだったので打ち切る。


「さっきみたいなチンピラ、ドワイト家は大勢雇ってんのか?」

「うーん、どうだろ・・・・・・見慣れない人全員がドワイト家に雇われてるって事は無いと思うけど、それなりに多いと思うよ」


マジか。

てことは、下手したらさっきみたいなチンピラを大勢相手にしなきゃならないって事か。

本当に雇われてんのかどうかも分からないし、まずはドワイト宅に向かうべきか。


「色々教えてくれてありがとうな」


軽く手を振り「それじゃ!」と踵を返し、目的地であるドワイト邸へと足を踏み出す。

駆け出す俺の背に「ねぇーッ!」と、ウェイトレスが声を飛ばした。


「何の用か知らないけど、落ち着いたら店に顔出してねー! 一杯ぐらいなら奢るからー‼」

「おう!」


足は止めず少しだけ振り向き、後ろに手を振る。

誘拐されたサクラを助け出した後だな、一杯やるのは。

そういや、この世界って何歳から飲酒OKなんだろ?

親戚の集まりとかで飲まされることが多々あるせいか、俺を含めて家族はみんな酒に強いから別に飲んでも構わないが。

そんなどうでもいい事を考えながら、坂道を駆け抜ける。

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