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宇枝悠の異世界漫遊記  作者: U-1
第1章 異世界漂流編
4/70

第4話 宇枝悠の未知との遭遇

「・・・・・・結構歩いた気すっけどなぁ」


飯を食べて腹を満たしたところで、俺は街道を歩き森へ入り――――――ずっと歩き続けていた。

かれこれ1時間は経つ。

けれども人はおろか村も見つからなかった。

道路標識も無い。

自販機も無い。

森の入り口とかで見かける、蛇とか熊とか注意せよみたいな看板すら。


「けど、道は整ってんだよなぁ」


舗装されているという意味ではなく、獣道がある程度、というレベルだが。

少なくとも、人がそれなりの頻度でここを通っているという事だ。

熊とかではないと信じたい。

運動部に所属しているだけあって体力はまだまだ大丈夫だが、見知らぬ場所で目的地も無く歩くのは精神的にしんどい。

マラソン選手とか、走る時に景色を見てリラックスする的な話があったと思うがと、そんなあやふやな知識を頭から引っ張り出して俺は辺りを見回してみる。

・・・・・・THE・森以外の感想が出てこねぇ。


「あー、でも結構デカい木が多いよなぁ・・・・・・」


歩く先々で見かける木々を見て、家の近くの公園とか思い出してみる。

うん、こんなにデカくはないからな。

樹齢何年だろうか?

まぁ、どうでもいい事なんだが。


「ちょっと休憩するか」


このままどの位歩けばいいのかも判らんし、少し休もう。

丁度手頃な切り株を見つけて、一息吐き俺は腰かけた。

空を見上げる。

木の枝や葉を抜けて、青空が見えている。

俺が公園にいた時は日が沈みかけだったから、今が何時なのか正確な時間は分からない。

スマホの時計に表示される時間はもう夜の9時前だが、此処はどう見ても昼過ぎだ。


「そういや、気候も謎だよなぁ」


日本はもう6月。

湿気と熱気でジメジメして蒸し暑くなってきていたが、今はブレザーを着ていても快適だ。

丁度冬が明けて春が来たみたいな、日差しが暖かいけど風は涼しいみたいな。

歩いて体温が上がって来ても、そこまで暑く感じない。

・・・・・・考えれば考えるほど謎だよな、今の俺の状況。

なんか誘拐されたとかなら、まだ状況は把握出来たのかもしれん。

いや、それはそれで大問題だから、そうであってほしい訳では無いのだが。


「考えてても仕方ねぇか」


取りあえず、まず人を捕まえて話を聴かない事には現在地が分からん。

日本の何処かなら良いのだが。

・・・・・・そういや、ここが外国で人と遭遇しても外国語で喋ってたらどうするか。

いや、まぁ、簡単な英語くらいなら喋れるから場所と道を聞く程度なら大丈夫だと思うが。

それも人を見つけてから考える事だな。

そろそろ行くかと、切り株から腰を上げて立ち上がる。


――――――――――――――――――――ッ!!


「あ?」


何か今、遠くから聴こえた。

人の声・・・いや、声っつーか、叫び声みたいな・・・・・・。


「・・・・・・行ってみるか?」


嫌な予感がするが、ここでジッとしてても何も変わらない。

今は進むしかない。

俺は荷物を背負い直し、声が聴こえてきた方向へと駆け出した。


◆◆◆


声が聴こえて来た方へと走り続ける最中、人の叫び声の様な物が聴こえた他にも、獣の雄叫びの様な声や何かがぶつかってるような音が聴こえて来た。

・・・・・・マジで熊とかじゃないよな?

少しばかりこのまま走ることを躊躇ってしまうが、それでも引き返すのも憚れる。

手掛かりなしだし、人がピンチならなるだけ助けた方が良いに決まってる。

・・・・・・まぁ、自分の安全が最優先だが。


「音が近づいて来たな」


走る方向は合ってるらしい。

切り株から走り続けて1分程、前方に少し開けた景色が見えて、そこに2つの影が動いているのが見えた。

何が起きているのか分からない以上、迂闊に飛び出す訳にもいかない。

俺は少し横道に逸れ、茂みを縫って隠れながら進む。

そして茂みから少し顔を出し、様子を窺った。

俺の視線の先に映ったのは――――――


「――――――・・・・・・なんだ、アレは?」


そこにいた存在は2つ。

1つは、2メートル程の大きさを誇る熊の様な獣。

パッと見熊に見えるが、本当に熊かどうか疑わしい。

あんな血の様に真っ赤な体毛をした熊なんて見たことがない。

その熊が人間の胴体ほどもありそうな腕で、何かを薙ぎ払っている。

ここにいるもう1つの存在だ。

そのもう1つの存在は、


「女!?」


熊の腕を避けているのは、人間の女だった。

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