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宇枝悠の異世界漫遊記  作者: U-1
第1章 異世界漂流編
37/70

第37話 鈴木菊之助の遺産

オルトンさんに付いて行き、村を出て森を北へ歩いて20分程。

遭遇するモンスターを適当に薙ぎ払いながら、森の奥へ進んで行く。


「・・・・・・何処まで行くんですか?」

「もう直ぐじゃ」


『もう直ぐもう直ぐ』言う人の『もう直ぐ』は信用出来ないんだが。

それから10分程歩き、


「ふむ。ここじゃ」

「・・・・・・?」


周囲を見回すが、どう見ても只の森にしか見えない。

此処に何があるんだ?

オルトンさんは徐に手を虚空に掲げる。

その指に付けている指輪の宝石部分が光り出す。

すると、オルトンさんの前に透明な壁の様なモノが浮かび上がった。


「悠殿、手を出してくれんか?」

「手?」

「この先には結界が張ってあってな。この指輪の持ち主しか通れんようになっておるんじゃ」

「あー、成程」


察するに、指輪の持ち主と接触すれば一緒に入れるってことか。

俺はオルトンさんの手を握り、結界の中へ足を踏み入れる。

そして、目の前の景色が変わった。

森の中なのは変わらないが、そこは少し開けた場所だった。

その開けた森の中の中心にあるモノを観て、絶句する。


「・・・・・・コイツは・・・・・・・・・・・・」


魔法なんてモノが存在するこの世界は、正にファンタジーだろう。

だが、目の前のこれらはこの世界にあまりに不似合いだ。


「何でこの世界にこんなモノが・・・・・・?」

「此処に在るものは、全て菊之助がこの世界にやってきた時、共に召喚された物らしい」

「コレがか・・・・・・」


確か、日記に自衛隊に入ってるって書いてあったな。


「これ等は、菊之助の周りにあったモノが巻き込まれて召喚されたようでな」

「召喚される対象の範囲が広かったって事か」


目の前にあるソレ等――――――戦車や車といった鉄塊を眺めて、呆れた溜め息が零れた。

ファンタジー世界の雰囲気打ち壊しだな。

此処に在る物は全て、地球に在った物だ。

戦車・大型トラック・オートバイ・ボート・拳銃・迷彩服・機関銃・小銃・狙撃銃・散弾銃・手榴弾・催涙弾・迫撃砲etc...

色々あるな。

我が瞳は世界を見破る(アナライズ)】で此処に在る物の名称が分かる。

どれも本物だ。


「此処に在る物は、どれもこの世界には存在しない物じゃ。他の人の眼に触れるのはマズいと菊之助に相談されてな。この森に結界を張って隠したんじゃ」

「そりゃそうか」


魔法とは違って、使い方さえわかれば誰でもすぐに使える強力な武器だ。

コレが国の偉い人とかに知られたりしたら大変なことになるかもしれないって事くらいは、俺にだって分かる。

隠すのが吉だろう。


「けど、壊そうとか考えなかったんですか?」

「考えはしたが、必要になる時が来るかもしれんと言っておってな。隠すことにしたんじゃよ」


これ等の現代兵器が必要な時ってどんな時だろうか。

アレか、魔王とやり合う時だろうか?


「・・・て、よく考えてみたら此処に在る物って使えるんですか? 菊之助さんが召喚されたのって何十年も前でしょう?」

「それは問題ないぞい。兵器に経年劣化を止める魔法を掛けておるのでな」


そんな魔法も有るのか。


「こんな武器や兵器の山が存在することが知られると良からぬことに使うヤツがおるかもしれんが、結界そのものに魔除けや透明化、防音や平衡感覚麻痺等色々効果のある魔法を掛けてあるのでな。早々見つからない様にしてある。まぁ、こんな辺境地を訪れる者もそうはおらんがのぅ」

「念には念って事ですか」


拳銃一つでも強力だろうしな。


「でも、何で此処を俺に?」

「うむ。結局菊之助は此処に在る物を使わなかったのじゃが・・・世界観を壊すとかなんとか」


気持ちは分かる。


「じゃが、自分の様な異世界人がまた来るかもしれん。その時、此処に在る物を必要とするかもしれぬ。もし異世界人が現れたのなら、その人物の為人を見て此処を教えてやって欲しい。それが奴の遺言でもあってな・・・・・・」

「・・・・・・いいんですか?」

「お主なら問題ないと、ワシは判断する。じゃから、此処に在る物は悠殿が好きに使うといい」


言って、オルトンさんが指に付けてある指輪を外し、俺に手渡した。


「その指輪が、この結界に入るための鍵になっておる。使うも壊すも放置するも、お主に任せる」

「・・・・・・分かりました」


取りあえず、右手の中指にでも嵌めとくか。

つっても、今の所此処に在る物を使う気は無いがな。

しばらくは剣と魔法に生きるとしよう。

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