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宇枝悠の異世界漫遊記  作者: U-1
第1章 異世界漂流編
32/70

第32話 宇枝悠の魔力の使い方

オルトンさんの指示でベンチを降りて立ち上がり、後ろに周ったオルトンさんが俺の背中に手を置いた。


「まず、魔力というものを肌で感じてもらった方が早いのでな。今から、ワシの魔力を流し込み、悠殿の魔力を活性化させる」

「・・・・・・大丈夫なんですかソレ?」


魔力って血に宿ってるんだよな。

全身の血流が急加速したりしないよな?


「ホッホッホッ、大丈夫じゃよ。強制的に魔力を全身から噴き出すようにするが、命には危険は無い」

「命には?」


死んだりはしないけど、それなりに危険って事ですかねぇ?


「大丈夫じゃ、菊之助もやったんじゃからのう! 何かあっても、ワシが悠殿の魔力を強制的に抑えればいいだけの話じゃ‼・・・・・・まぁ、下手したら体力も精神力も使い果たしてぶっ倒れるかもしれんが(ボソッ)」

「オルトンさん? 何か今小さい声で不吉な事言いませんでしたかねぇ?」

「さぁ、やろうか悠殿!」

「誤魔化しましたよね? 誤魔化したよな!?」


俺の叫びを無視したのか、オルトンさんは無言で、俺の背に当てた手に力を込めた。

瞬間、


「う、おっ・・・・?」


背中に当てられた手から何か強い力が流れ込み、ソレが全身を回る。

身体の底から、熱と力が湧き出てくるような感覚。

そして俺の眼に、身体から噴き出る青白い光が視えた。


「・・・コレが魔力か?」


サクラが浮かべている魔力球と同じ色をしている。

まるで熱気の様に揺らめいて、俺の全身を覆っている。

自分の身から湧き出てくる力に戦慄いてしまう。


「コレが・・・俺の、力・・・・・・!」

「菊之助も同じことをやっとったが、日本で流行っとるのかの?」

「いえ別に・・・・・・」


そうか、菊之助さんも同じことをやったのか。

気持ちは良く分かる。

実際力が湧いて来るし。


「魔力がどういうモノか、掴めたかね?」

「・・・・・・そうですね。なんとなくは」


目を閉じて、身体から発する魔力を感じ取る。

この感覚が、そうなんだろう。


「魔法を使うにあたり、一番大事なのはイメージじゃ。その全身から噴き出る魔力を操ってみなさい」

「操る・・・・・・」


と、言われてもな。

何となく手を見る。

・・・・・・少年漫画とかにあるような、オーラを集める的な事をやればいいのだろうか?

全身を覆う魔力が、この右手に流れて集まるイメージを頭に描いて・・・・・・


「・・・・・・お?」


左半身側の魔力が、徐々に右手に集まろうと流れ出す。

そして魔力は俺の右手に集まった。

右手に宿った魔力が、ゆらゆらと揺らめく。


「・・・・なんか、このまま何かを殴りたい衝動に駆られるな」

「そう言うだろうと思ったわい」


オルトンさんが少し嘆息した。

もしかしなくても、菊之助さんも俺と同じ感想を抱いたのだろう。


「コレを殴ってみるといい」


徐に地面から石や砂を魔法で集め、1つの岩柱を造り出した。

俺と高さがほぼ同じの岩柱が、地面から生える様に隆起している。

近くにある何かを殴って壊して、菊之助さんはオルトンさんに怒られたのかもしれんな。

まぁ、兎に角殴ってみよう。

普通に殴ったら絶対痛いだろうが、魔力を纏った今の右手なら大丈夫な気がする。

・・・・・・たぶん。


「・・・・・・せいっ‼」


取りあえず正拳突き。

突き出した拳が、岩柱に打撃音を響かせて突き刺さる。

岩柱はビキィッと音を立ててひび割れ、殴った岩の表面部分が崩れた。


「あれ?」


手は全く痛くはないが、思ったより割れなかった。

木っ端微塵とはいかなくても、岩柱をへし折る勢いで殴り壊せると思ったんだが・・・・・・。


「まぁ、あくまで手を魔力で覆ってるだけじゃからな。打撃に使うのなら、その纏っている魔力を固めるか、相手側に炸裂させねばな」

「うーん・・・・・・」


魔力を相手側に炸裂・・・・


「こうか?」


俺はもう一度岩柱を殴る。

今度は殴った瞬間に、魔力を炸裂させようと―――――――ボゥンッ‼‼


「ぶっはっ!?」


手が小さな爆発を起こし、俺は後方へ吹き飛ばされ後頭部から地面に落ちた。


「ッ・・・いって~・・・・」


打った頭を擦る。

勢いがそこまで強くなかったからか、怪我まではしてないようだ。

あ、手に纏っていた魔力が消えてる。

さっきので魔力が霧散してしまったようだ。


「あー・・・練習が必要だな」


そんな簡単にポッとは使えないようだ。

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