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宇枝悠の異世界漫遊記  作者: U-1
第1章 異世界漂流編
3/70

第3話 宇枝悠の非日常

「あー、そうだった。変な声が聴こえて、暴風が止んだらあの荒野に居たんだっけか」


風が止んだら公園から荒野へ。

・・・・・・いや、おかしくね?

災害的暴風で吹き飛ばされでもしないと、立っていた場所が変わるなんてしないだろう。

そして勿論俺は風に煽られはしても、吹き飛ばされてなんていない。


「じゃあ尚更、ここ何処なんだよ?」


嘆息しつつ疑問の言葉を吐くが、俺の問いに応えてくれる奴はこの場にはいない。

知ってる場所でも無く、なんとなく日本じゃないような気もする。

なら外国? それはそれで疑問だが。


「そーいや、なんか漫画とかでこんな感じに訳判んねーことが起きて、突然異世界に跳ばされるって話があったよーな・・・・・・」


そうか、此処は異世界か!

なんだ気づけば簡単な事じゃないか、HAHAHAッ‼


「いや、ないな」


異世界とか、何歳だ俺は。

そんなファンタジーが現実に起きるとか考えるのは幼稚園児か小学生くらいまでだ。


「んな事より、現状どうするかだよな」


自分が何処に居るのかわからないが、これからどこへ行けばいいのかもわからない。

さっきの荒野に戻れば、何か手掛かりを探せるかもだが。


「戻るのはなぁ・・・・・・」


あの場所で倒れていた人達を思い出す。

どう見ても重症・・・・・・いや、それ以上。

命があるかどうか疑問だ。

どう考えても普通じゃない。

凄まじく危険な予感がする。


「戻るのがダメなら進むしかない訳だが」


だが、何処へ?

全く知らない土地だ。

何処に何があるのかもわからない。

見渡す限り草原で、人影は勿論、建物の類も見当たらない。


「いや、道が出来てるって事は、少なくとも此処は人が通ってるって事だよな?」


近くに人が住む場所・・・町なり村があるって事だ。

前か後ろか、何にせよ道なりに進んで人探しに向かうか。


「あっちが荒野の方向だから、コッチだな」


自分が走って来た道とは反対側へ目を向ける。

遠くの方に、うっすらと濃い緑が見えた。

・・・・・・森だろうか?


「進む方向は決まったな」


けど、森か。

熊とか蛇とか出て来ないよな?

地元の山だと偶に猪が出たりするのだが。


「・・・・・・持ち物でも確認しとくか」


何か使える物があるかもしれない。

俺は肩にかけた通学に使っている結構大きいテニスのラケットバッグを地面に置き、中身を取り出し確認する。


「えーと・・・テニスラケットが2本、テニスボールが入ってるボールケースに、タオルが3枚、予備のガットに、予備のグリップテープ、フレームの保護テープ、スポーツサングラス、練習用に硬式テニストレーナー、体操服、ジャージ、代えのアンダーシャツが3枚、空の弁当箱、麦茶が入った大き目の水筒、スポーツドリンクが入っていた1リットルのドリンクボトルが2本、筆記用具、ノートとメモ帳が1冊」


殆どが部活用品だ。

ちなみに教科書とかは全部学校の机の中である。


「後はハンカチ、ポケットティッシュ、文庫本が2冊、トランプが1組、スマホの充電器、スマホの携帯充電器、カロリーメイト(チーズとメープルとチョコ)、クッキー、ポテトチップス、またカロリーメイト(チーズ)、板チョコ、フーセンガム、またまたカロリーメイト(メープル)、のど飴・・・・・・コレは、何だ? 電気の使用料? あ、帰りにコンビニで払っとけって言われたんだっけ」


やっべ、素で忘れてた。

つか、いい加減口座から引き落とししろよ手続きが面倒だからって。


「あ、サンドイッチとおにぎり」


そういや朝、購買で買って昼までの繋ぎと、昼から部活までの繋ぎに食おうかと買っといたんだ。

結局休み時間寝てたから食わず仕舞いだった。


「カバンの中はこんなもんか」


次はポケットだな。


「えーとズボンの中は・・・ハンカチ、スマホ、財布、カロリーメイト(チョコ)」


上着も見とくか。

制服のブレザーのポケットを漁る。

衣替え週間でそろそろ夏服に変えようかと思っていたが、此処の気候はそこまで暑くない。

風が涼しいから、寧ろ着ていて丁度良かったな。


「えーと・・・ポケットティッシュ、生徒手帳、飴が3個、カロリーメイト(チーズ)か」


今更だがカロリーメイト多いな!?

部活やってるせいか直ぐに腹が減るから、持ち運びやすく日持ちが良いこの食料を常にカバンやポケットに入れているのだ。

直ぐに食べられるようにな。

カバンに沢山入ってるお菓子も、直ぐに腹が減るから一定以上の数を常に入れている結果だ。

あっという間になくなるから。

調べ物が終わった直後、グ~~~~と、腹が鳴った。


「さっきバーガーとかポテトとか食ったばっかなのにな」


晩飯前だから止めとk――――――いや、意味ないか。


「そーいや、公園に居た時はもう日が沈みかけてたのに、普通に日が昇ってるな」


ますますここが何処だかわからん。

まさか1日外でボーっとしてた筈も無いし、かと言って飛行機とかに乗って日本とは日付が異なる国に言った記憶も無い。

ホント、何処だ此処は。


「ま、取りあえず食うか」


腹が減ってはなんとやら。

沢山あるカロリーメイトに手を伸ばすが、消費期限的に購買で買ったサンドイッチとおにぎりを先に食おう。

おにぎりとサンドイッチ、そして麦茶が入った水筒以外全部の荷物を元に戻し、近くにあった適当な岩場に腰かけ、俺は腹ごしらえをすることにした。

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