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宇枝悠の異世界漫遊記  作者: U-1
第1章 異世界漂流編
23/70

第23話 宇枝悠のユニークモンスターとの初遭遇

ストライクボア LV.32

それが今、俺達目掛けて爆走してくる猪モンスターの名前とレベルだ。

・・・・・・勝てる気がしないんだが。


「やあぁっ‼」


先を走るサクラが跳躍し、手に握るやや短めの剣・・・ショートソードを、迫るストライクボアの背を真上から切り裂く。

だが、その皮膚すら裂くことが出来なかったのか、出血した様には見られない。

舌打ちしつつ身を翻し、サクラは爆進するストライクボアの背後に降り立つ。

俺も斬りかかろうとするが、


「いや、無理だろ・・・・・・!」


攻撃を正面から繰り出すとふっ飛ばされる気がして余裕のある内に横に飛び、難なく着地する。

その判断は間違っていなかったようで、逃げるチャックとストライクボアが、先程まで俺が駆けていた道筋を猛スピードで通り過ぎた。


「おい、チャック! 早く横に飛べ‼」

「んな事言われたってよっ!?」


走るので精一杯なせいか、横に飛ぼうとする余裕がないらしい。

だが、悠長なことも言ってられない。

スピードはストライクボアの方が上だ。

チャックは徐々に距離を詰められている。

モニカも正面はマズいと判断し、直ぐに狙撃が可能な場所へ移動を始めている。

俺が苦労して解体したストロングディアーの肉片やら、サクラが狩ったニードルラビットが、駆けるチャックと爆走するストライクボアに蹴散らされた。

どうやら俺の餌で注意を引くのは止めた方がいいという考えは間違っていなかったようだ。

見向きもしなかったからな。

逃げ続けるチャックも、もう追い付かれることを察して腹を括ったのか、「えぇい、ままよ!」と横に思いっ切り大きく跳んだ。

その一瞬後にストライクボアが、さっきまでチャックが走っていた道を爆走し通り過ぎ、森の木々を薙ぎ倒しながら奥へ進んで行く。

跳んだチャックはバシャンッ‼と音を発て、水しぶきを上げながら川へ落下した。

川はそこまで深くは無く、精々成人した平均的な男性の膝くらいまでの深さしかない為、チャックが溺れたりなんてした様子は無かった。

取りあえずは助かった。


「つっても、戻って来る前に早く逃げた方がいいか?」

「そうね」


「狩った獲物は惜しいけど」とサクラが愚痴るが、それでも逃げるのは賛成のようだ。

死んでしまっては元も子もないからな。

狩るはずの俺達が、狩られることになりかねん。


「ねぇー‼ どうすんの? 逃げんの!?」

「当たり前でしょー‼」


俺達からそこそこ離れた距離の木の上から、モニカが声を張り上げた。

この短時間でよくあんな所まで移動できたな。

身軽な奴だ。


「はぁっ!? 逃げるとか冗談じゃねぇぞ‼」


皆で逃走する方向で決まりかけていたが、チャックがそれに異を唱えた。


「このままストライクボアなんかに、尻尾巻いて逃げられっかよ‼」

「チャック、アンタねぇ・・・アレが普通のストライクボアに見えるの?」

「デカかろうがストライクボアには違いねぇだろッ‼」


サクラの言葉に、俺は首を傾げた。


「ストライクボアってさっきのやつだよな? アレが普通じゃないのか?」

「まさか、あんなに大きくないわよ。大きくても1メートルくらいの高さしかないし、あんな大きいのなんて今まで見たことないわ」


さっきのストライクボアはどう見ても3メートルはあった。

突然変異か何かか?

もしかしたら、この森の主的な存在かもしれん。


「たぶん、ユニークモンスターね」

「ユニークモンスター?」

「偶にいるのよ。同じモンスターの中でも、異常に強い個体が」


やっぱ突然変異の類なのか。


「本当ならもっと弱いのか?」

「ストロングディアーと同じくらいよ」


それは間違いなくユニークモンスターだ。

だって俺が狩ったストロングディアーのレベル4だったもの。

何だよアイツ、レベル32て。


「ちなみによ、あのユニークモンスターとレッドベア、どっちが強いと思う?」

「・・・・・・言わなきゃ分からない?」

「おーいチャック、直ぐに逃げんぞ! 俺達に勝ち目はねぇッ‼」


やっぱレッドベアより強いんだな。

なんとなくそんな気がした。

俺の謎のスキルで何時の間にか倒せてたあのレッドベアよりも強いのなら、あのストライクボアとやらに俺達が勝てる訳がない。

逃げるが勝ちだ。

だが、


「逃げたきゃ勝手に逃げろよ、俺はやるぜ!」


チャックに退く気は無い様だ。

チラリと、一瞬サクラに視線を送った気がする。

良いとこ見せたいのかもしれんが、んな事言っていられる相手じゃないぞアレは。

あの時使えた黒い光が使えれば、また違ってくるのかもだが、今でもあの力は使えないし、どうすれば使えるのかも分からない。

頼ることは出来ないし、当てに出来ないだろう。


「どーすんだよ、逃げる? 逃げていい? チャックも勝手に逃げろとか言ってるし」

「私だって逃げたいけど・・・・・・放っておけるわけないでしょ」

「ですよねー」


まだサクラと会って僅かな時間しか経っていないが、それでもコイツの性格はなんとなく分かった。

面倒見の良い性格だ。

そりゃ放っておけるわけないよな。

モニカはどうすんだ?

目を向けると、逃げようかどうか迷っていたが、木の上に立ったまま弓を構えて矢を番える。

モニカもチャックを放っては置けないようだ。

モニカはまぁ、放って置けないってのは分かってたけど。


「・・・・・・はぁ~」


どいつもこいつも御人好しですか。

あー、ヤダヤダ、勝ち目のない戦いに挑むとか。

・・・・・レッドベアと戦り合った俺が言うのもアレだが。


「・・・・・・アンタは逃げないの?」

「逃げたいけどよ、此処で俺だけ逃げたら、俺ってスゲェ嫌な奴だろ?」

「誰も気にしないわよ」

「俺が気にすんだよ」


意味があるのかどうか不明だが、取りあえず剣を構える。

勝てるとは思えん、だから最悪逃げる。

チャックも勝てないと思えば、流石に退いてくれるだろう。

・・・・・・退いてくれると信じたい。


「ま、やれるだけやってみようかッ!」


さっきの動きを見る限り、普通の猪と同じで突進して来たら横には曲がり辛いようだ。

口から火を吐いたりするレッドベアより、対処はし易いかもしれない。

油断は禁物だが。

ガサガサと、茂みを掻き分け、薙ぎ倒した木々を踏みつぶしながら怪物が歩き、再び戻ってきた。

俺達を視認するとその場で止まり、鼻を鳴らしながら地面をザッザッと足で蹴る。

また突進してくる気のようだ。


「・・・・・・来やがれ!」


そのチャックの挑発に応えたのかどうか、相手が人語を介さないモンスター故に判断は付かないが、ストライクボアはチャックに狙いを定め、


「BUOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ‼」


チャック目掛けて地面を強く蹴り、爆走した。

~人物名鑑~

NO.2 モニカ・デイル

CLASS:村人

性別:女

出身:アースランド大陸・フィオーレ王国・スプリング地方・サクラソウ村

種族:人間

年齢:15歳

身長:157㎝

体重:43㎏

髪:肩まで伸びた茶髪。

体格:細身(B:80‐B‐/W:53/H:83)

目付き:普通のブラウン色。

口癖:「うん?」「あの馬鹿」

一人称:私

性格:情に厚い・耳年増・面倒見がいい

趣味:裁縫・細工・料理

特技:細工作り・服作り

武装:短弓・レザーアーマー・レザーブーツ

所持金:14000G

所属/役職:-/-


備考

サクラソウ村に住む少女。

色々なアクセや服を作り、偶に町まで出向いて露店を開き売っている。

チャックに気がある。

最近料理を覚え始め、サクラと一緒にお菓子などを作っているが成果はあまり無い。

子供の頃はサクラやチャックらと共に村長達から読み書きなどを教えられてきたが、成績はあまり好くなくチャックとほぼ同じレベル。

多少はマシ程度。

モニカが着ている服は、ほぼ自分で製作した手作り。

腰にアクセサリーとして付けている、ニードルラビットの素材から細工で作った【ラビットフット】も自分で作った。

ラビットフットは、少しながら魔除けの効果がある。



『ステータス』

LV.4


HP:420/420

MP:19/19


STR:45(125)

VIT:27(40)

AGI:59(63)

DEX:61(66)

INT:38

SPI:49

CON:52


LUC:74(84)


保有属性:水

耐性属性:―

弱点属性:―


『スキル』

【弓術】

・弓を扱う技術

・親や村の人に使い方を教えてもらった

・そこそこの腕。普通の獣を狩るには問題ないレベル


【細工】

・アクセサリーや小物などを作るスキル

・簡単なレベルの物なら製作可能


【裁縫】

・衣服を作るスキル

・簡単なレベルの物なら製作可能


【料理】

・食材を使い、調理するスキル

・あまり上手いとは言えない

・丸焼きなど、物凄く簡単なレベルの料理なら製作可能


『魔法』

【】


『技』

【】


~好きな人~

悠「で、チャックのどの辺が好きなんだ?」

モニカ「ブッフォッ!?」

悠「・・・女がその驚き方はどうかと思うんだが。唾飛んだぞ、今」

モニカ「あ、あんたがおかしな事言うからでしょうがッ‼」

悠「俺のせいかよ。で、チャックのどの辺が好きなんだ?」

モニカ「な・・・何であんたにそんな事言わなきゃいけないのよ?」

悠「暇だったから」

モニカ「そんな理由で乙女の恋心を暴く気!?」

悠「良いじゃねぇかよ。さあっ! その想いの丈を叫ぶといい」

モニカ「叫ぶか! っていうか、言う訳無いでしょ‼」

悠「そうか。じゃあ代わりに俺がモニカの想いをチャックに伝えてこよう」

モニカ「何でそうなんのよ!?」

悠「暇なんだ。だから話題が欲しい」

モニカ「何で私があんたに話題を提供しなきゃなんないのよ・・・・」

悠「・・・・・・・・・・」

モニカ「はぁ~・・・・言ったら大人しくどっか行きなさいよ?」

悠「おう」

モニカ「・・・・・・・・・・」

悠「で、チャックのどの辺が好きなんだ?」

モニカ「ぐ・・・そ、それは・・・・・・」

悠「それは?」

モニカ「・・・・・・」

悠「・・・・・・」

モニカ「・・・・・・・・・・や、優しいところ、とか?」

悠「・・・・・・はぁ~」

モニカ「ちょ、何よその反応は!? 人が意を決して言ったってのに‼」

悠「いや、何だ。ありきたりっつーか、あまりにも予想通りっつーか、ベタっつーか・・・なぁ?」

モニカ「ぐぬっ・・・良いでしょ別に!」

悠「つか、アイツのどの辺が優しいのかが分からん。優しい要素皆無じゃね?」

モニカ「まぁ、そりゃあんたは絡まれてばっかだからそう思うんだろうけど、ホントに優しいところもあるんだからね」

悠「へぇ・・・例えば?」

モニカ「そうね・・・アレは、私達がまだ8歳くらいの時、皆でかくれんぼをしてた時だったわね――――――」

悠(あ、なんか回想が始まった・・・・・・)


1時間後・・・・・


モニカ「――――――ってことがあったのよ」

悠「・・・・・・あのよ」

モニカ「うん? 何よ?」

悠「そこまで長々語るくらいに惚れてんなら、さっさと告って来た方がよくね?」

モニカ「う、うるさいわね!」

悠「じゃねーと、その内サクラとくっついちまうんじゃねーか? モニカを見てると、チャックの方が先に告りそうだぜ」

モニカ「あー、それは無いわよ」

悠「何で断言出来んだよ?」

モニカ「私はあの2人の幼馴染みなのよ。2人の性格くらい把握してるに決まってるでしょ」

悠「どういう事だ?」

モニカ「サクラがチャックの気持ちに気付くとは思えないって事よ。1回チャックが告白したところを見たことがあるんだけどね」

悠「マジで? 告ったのか? アイツが?」

モニカ「そう、意外にも告白したことあんのよ、アイツが」

悠「で、結果は・・・・ま、今のアイツ等を見たら結果は分かるか」

モニカ「まぁ、今付き合ってない所を見ても分かる通り、惨敗したのよ」

悠「惨敗ね・・・フラれたって事か」

モニカ「それ以前の問題ね」

悠「?」

モニカ「チャックが「俺と付き合ってくれ!」って告白して、サクラがなんて答えたと思う?」

悠「・・・・・・まさかとは思うけどよ。サクラが「いいわよ」とか言って、その答えにチャックが喜びの声でも上げそうになった直前に「で、何に付き合えばいいの? 狩り?」とか言ったんじゃねーだろうな?」

モニカ「あんた何で知ってんの!? 見てたの!?」

悠「・・・・・・マジかよ、ベタにも程があんだろ」

モニカ「それがあって告白する勇気が削られて、今はサクラの好感度を上げるのに躍起になってんのよ。あんたにキツく当たるのは、サクラの近くに急にあんたが現れたから」

悠「それはもう分かってるけどな。しかし、サクラがそこまで鈍いとはな。いや、告白を断るとチャックが傷つくかもしれずに幼馴染みとしての関係がギクシャクしかねないから気を使ったとか・・・・」

モニカ「ナイナイ、アレ絶対素で言ってたから。てか、サクラに告白したのってチャックだけじゃないし」

悠「そうなのか?」

モニカ「そりゃ美人で人当たり良くて付き合いやすい性格してるんだもの、老若男女問わず人気あるわよ」

悠「で、みんなチャックみたいに玉砕したと?」

モニカ「そういうこと」

悠「・・・・ちょっとチャックと村の野郎共に同情するぜ」

モニカ「・・・・・・で?」

悠「あ?」

モニカ「あんたの好きな人ってどんな人?」

悠「待て、何で俺がんな事答えなきゃならないんだ?」

モニカ「あんた、私にあんな恥ずかしい思い出語らしといて自分は喋らない訳!?」

悠「恥ずかしい? 結構うっとりと思い出に浸りながら語ってたと思うが?」

モニカ「お黙りッ! いいから答えなさいよ‼」

悠「今の所いない」

モニカ「言うと思ったわ」

悠「つか、俺の好きな女とか語っても誰とか分からねぇだろうが」

モニカ「・・・・それもそうね。じゃあアレよ、初恋の人とか。どんな感じの人とかでいいから」

悠「えー」

モニカ「私が喋ったんだから、あんたも喋りなさい・・・・・・!」

悠「わーったわーったよ。俺の初恋だな? そう、アレは、俺がまだ5歳くらいの頃――――――」

モニカ「あ、もしかして近所に住んでた年上のお姉さんとか?」

悠「――――――何で知ってんだ?」

モニカ「・・・あんたも大概ベタじゃん」

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