第19話 宇枝悠の初装備
空いた時間にチマチマ書いてるからか進むのが遅いな。
「おっ待たせー」
村長宅を出て、家の前で待ってくれていたサクラ達と合流する。
もう準備を済ませており、其々武装していた。
「って、お前も行くのか?」
「当たり前だろ!」
この場にいるのは、俺、サクラ、モニカ、そして・・・チャックだった。
さっきまでモニカに弄られて項垂れてたから、そのまま自信喪失でもしてんのかと思ったが。
「悠、その剣どうしたの?」
「コレか?」
サクラが、俺が持ってきた剣に視線をやる。
モニカとチャックは知らないだろうが、俺が剣なんてモノを持っていない事を知っているサクラが、剣を抱えていることに疑問を持ったのだ。
「貰ったんだよ、オルトンさんから」
ま、村長宅から出て来て剣を持っていたのだから察しは付いているのだろうが。
「へぇ・・・村長って剣とか持ってたんだ」
「村長が剣を持ってるとおかしいのか?」
「別にそういう訳じゃ無いけど。村長って魔導士で、村に入って来た魔物と戦ったりするのに杖を使ってるところしか見たこと無かったから、珍しいって思ったのよ」
「ロクに使わなかったから上げるって言ってたな」
「ああ、そういう事」
「なぁ! コイツも来たんなら早く行こうぜ‼」
サクラと話してると、チャックが声を少し荒げた。
ふむ。確かに早く行った方が良いか。
スマホの時計が合ってないから時間は分からないが、現在は昼過ぎだ。
この辺の治安は良く知らないがモンスターなんてものがいるなら、夜に村の外に出るのは危険だろうしな。
狩りにどのくらい時間が掛かるのか分からないし、早いに越した事は無い。
「んじゃ、行くか」
「そうね」
「何でお前が仕切ってんだよ!?」
「ああ、もう、いいから早く歩きなさい!」
狩りに行こうかと歩を進める俺とサクラ、怒鳴るチャックと、その背を押すモニカ。
うーん、なんかパーティっぽいな。
流石ファンタジーだ。
「つーかお前、いつまで剣抱えてんだよ。早く差せよな」
「あ?」
チャックに言われて、俺はみんなを視る。
サクラは腰に剣を下げており、チャックは大き目の剣を背負い、モニカは肩に弓矢を担いでいる。
ああ、そうか。
剣なんだから腰に差すなり、背に抱えるなりするもんだよな。
抱える剣を改めて視ると、鞘には革のベルトが付いていた。
コレをズボンのベルトに付ければいいのか?
「・・・・・なーんか変な感じだな」
付け慣れていないからだろうか。
利き腕の右手で抜ける様に、腰の左側に剣をぶら下げているのだが、どうにも左側に重心が・・・。
「その内慣れるわよ」
「・・・・いっそ右側にもぶら下げて二刀流にしてみるか」
「二刀流とか出来るの?」
「さぁ? そもそも剣なんてまともに振ったことねぇしな」
「なら、危ないから止めときなさい」
「そうするわ」
「おい、いつまで止まってんだよ!?」
足を止めて剣を腰に付けたせいか、チャックとモニカが結構前に進んでしまい、チャックから怒声が飛んだ。
「んだよ、んな怒んなくてもよくね?」
「うるせぇ‼」
追い付いて歩くが、チャックの機嫌は悪いままだ。
短気な奴なのか?
少し足を止めただけだというのに。
「だいたいこんな剣もロクに使ったこと無い奴、連れてって大丈夫なのかよ。足手まといじゃねぇか」
「初めての狩りなんだから、あんまり文句言わないの」
「ケッ!」
サクラに宥められるが、チャックは機嫌が悪いまま・・・いや、むしろ更に少し機嫌が悪くなってズンズンと先を歩く。
うーん・・・どうしたものか。
俺が首を捻っていると、ポンッとモニカに背を叩かれた。
「別に気にしなくていいわよ。アイツ、いつも大体あんな感じだから」
「・・・・・そうか?」
「そうよ」
チャックと付き合いのあるモニカの言葉なら、気にしない事にしようか。
付き合いの短い俺がどうこう言う事じゃないだろうし。
先を行くチャックの後を追い、俺達は村を出て、森の奥へと進んで行った。




