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飛び出した猫  作者: 二史三史
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真っ黒な猫

32年間生きてきて、未だかつて動物を飼ったことがない。

知人に話すといつも決まって驚かれる。

昔から動物を飼うという概念がなかったのだ。

幼い頃、市営団地に住んでいたため動物が飼えなかったし、親戚にも動物を飼っている人が一人もいなかった。

そのせいか、動物との接し方がわからず、犬に吠えられることが多々あった。


「いらっしゃいませ。一度抱いてみたい、というときは声かけてくださいね。」


そんな人生を送ってきた自分が、まさかペットショップに来ることになるとは、思っても見なかった。


「はい、ありがとうございます。」


32歳独身で、さすがに最近寂しくなってきた。この年で友達も少なく、仕事が休みの日は一日中家にいるため、何か癒しが欲しくなったというのもある。

大きいスーパーの駐車場に位置している、こじんまりとしたペットショップをまわっていると、ふと目にとまったのは、アメリカンショートヘア猫だった。

とにかく可愛いとしか言いようがない外見と、その瞳に見つめられ見とれてしまった。


「この子にしますか?」


店員に勧められ、抱くこともなくこの子に決めることにした。


「お願いします。この子にします。」


そのとき、外で車のブレーキ音がした。すごく大きな音で周りの人も外を見た。ガラス張りの店内から見えたのは、小さな猫が駐車場から出ようとしている車の前を、走り去っていく姿だった。

すこしその光景に目をとられていると店員が再び声をかけてきた。


「この子で、よろしかったですか?」


「いえ、ごめんなさい。また来ます。」


店内を出て、さっき猫が去っていった方向へと歩いて行くと、スーパーの横にあるコンビニの駐車場に猫が座っていた。

まだ仔猫で、太陽に照らされ黒光りしているくらい真っ黒で触れようと近寄ると逃げてしまった。

それを見つめていると、仔猫は駐車場の途中でこちらを振り返って立ち止まり、ついてこいと言わんばかりにまた走り始めた。

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