逃亡の果て
猛暑に加え砂に足を取られる砂漠も、歩けば少しずつ体力を削られていく毒霧の湿原地帯も、もっと言えば渡るのが不可能とさえ思われる断崖絶壁も流れの早い川も、キューブで越えるなら全く関係ない。
二人乗せた状態での最高速度は時速五十キロ程度とやや遅めだが、ユートピア縦断という大仰なインパクトほどは過酷な道程ではなかった。
逃亡生活四日目の朝はユートピア大陸の中腹に位置する五大都市最大の街《タイロン》に構える宿屋の一室で迎えた。
セントタウン、灯ノ国同様四季が反映されている貴重なエリアで、ビルや魔導自動車など最も近代的な世界観で売っている人気都市だ。
目覚めと同時にくあーっとあくびして伸びをすると、既に起きているハルカが「おはよう」と声をかけてくるのももう三度目になるのか、と考えると不思議な気分になる。
「予定より早く着きそうだな。追っ手が集中して見回ってる範囲を常に追い越してる感じだから順調だろ。そろそろ距離も半分を超える」
「うん。本当にありがとう。もう少しの間よろしくね」
「任せとけ。さ、出発するか」
部屋を出て、エントランスの受付NPCに礼を言って外に出ようとした、その時だった。玄関扉の向こうから女の叫び声が迸った。
身を堅くした俺達は口を押さえて目を見合わすと、外の喧噪に耳を傾けた。
「あなた、そんな危ない物ここで抜くなんて何考えてるの!?」
「お、おいおい冗談だろ? 面白くないから早くその物騒な物しまえよ、な……?」
男女の泡を食ったような声、明らかにただ事ではない。思わず飛び出しかけて俺の腕を、未だに黒髪のハルカが掴んで止めた。
「シャレで刃物抜く奴がどこにいんだよぉ? さっき新調したばっかなんだが、どっちかこいつの切れ味試させてくれや」
扉の奥の狂気に満ちたがらがら声に、ハルカが顔を強張らせてで囁いた。
「ベテルギウス! もう追いついてきたの……!?」
俺は答えられなかった。何かが俺をとてつもない力で前へ引っ張ろうとする。得体の知れない物に、駆り立てられる。
奴らには転移があるから、追いつくこと自体は全く難しくない。だがハルカの捜索を差し置いて市民に絡んでいるところを見るに、追っ手と言うよりはもともとタイロンに住み着いていたベテルギウスの残党、の可能性が濃厚だ。
助けなきゃ、俺はそう思った。何かに取り憑かれたように扉に手をかけようとする。
「ちょっと、トーリ君! 今出たら危ないよ! 五大都市には保安官NPCがいるから大丈夫だって!」
保安官NPCはプレイヤーの通報、もしくは都市内部における事件性のあるイベントを察知して駆けつけ、ことの解決に当たる優秀な存在だ。
しかしその無敵な正義の執行者は、他ならぬ俺達の手でただの役立たずに変えられてしまった。
中級程度のプレイヤーなら、普通に戦って倒すことができる。実際のところ、倒してしまった場合、人工知能を搭載した管制のメインシステムが柔軟に対応し、ただちにそこから弾かれしばらくの間そこ周辺のエリアの立ち入りを禁じられることになるらしいが。
「私、一回はずみで保安官倒しちゃって主街区の立ち入り禁止食らったことあるの! だから大丈夫! ほら!」
ハルカがコール画面を見せてきた。百十番にコールしているのが確認できた。後はハルカの位置情報を参考に付近のトラブルを管制が走査し、実際に検索に引っかかればNPCが直ちに駆けつける。
本当に、本当に大丈夫か? NPCが駆けつけるまで十数秒、その間外にいる男女が殺されない確率は何パーセントだ?
保安官が間に合って駆けつけたとしても、ベテルギウスがもし構わず男女の方を狙ったら?
「トーリ君……耐えて……私だって……私だってもう、やばいんだから……! でもトーリ君、もしあなたが見つかったら、バットマンに何されるか分からないよ! トーリ君が死んじゃったら、私……」
裾を掴んで離さないハルカは潤んだ瞳で懇願する。──バットマンはハルカを大切に思っている。もし連れ戻されても、こいつだけは丁重に扱われるだろう。
俺は一瞬の逡巡の後、短く告げた。
「今殺されようとしている人達はさ。誰のせいで死ぬんだ?」
裾を握る手が一瞬緩んだ。
「トーリ君!!!」
扉を蹴破って外に飛び出した。五メートルほど前方、まさしく刃物を振りかぶったベテルギウスの顔がこちらへ向く。
咆哮し、俺はそいつの鼻っ面を思い切り殴り飛ばした。
見覚えの薄い顔だったが、殴った手応えからそこそこの手練れであると確信した。今の拳の勢いを上手く受け身で殺された。
足下の方で、震えながら抱き合う男女が俺を見上げて礼のような言葉を発した。礼を言われる筋合いなど俺にはあるはずが無いのに。
殴られた男は首を二度鳴らしながら起き上がるところだった。男女に退避を促しながら俺は違和感を覚える。
「……なに、笑ってんだ」
「はは、あまりに上手く行ったから思わず笑っちまうんだよ!」
言いつつ、銀髪の男は何やらウィンドウを操作している気配だった。マズいと思ったときには遅く、作業を終えたらしき男は血の如き深紅の瞳を俺に向けてニンマリと笑う。
「世界中に散らばってお前らを探してた俺達に、なるべく派手に騒ぎを起こせって指示が出てな。そうすれば向こうから出てきてくれるって話だったが……その通りだった!」
はめられたのだ、そう悟った。早鐘を打つ心臓を押さえつけながら俺は後ろ手にハルカへ合図を送る。
絶対に出てくるな、と。
「……俺のこと、よく分かってんじゃねえか。誰の指示だ?」
俺の問いに答えのは、銀髪のベテルギウスではなかった。その背後から響いた恐ろしい声。
「バットマンだよ。ムカつくことにね」
転移の光と共に現れたのは、今絶対に会いたくない男だった。俺と目が合うと、ケントは意地悪そうにウインクを一つ。
「君、メッセージ飛ばしてくれてありがとう。もう下がっていいよ。君の仕事は後でソーマ様に報告しておくから」
「え、まじで!? 頼むぜ、しっかり伝えてくれよ!」
スキップでもしそうな勢いで俺の方に歩み寄り、男は肩にポンと手を乗せてきた。
「俺も馬鹿じゃねえ、テメェを倒して更に手柄立てよーなんて欲はかかねえさ。あの化け物に間違って殺されないように気を付けろよ。無事でいればまた城で会おうぜ」
「……」
「にしても中途半端な正義感だなぁトーリよぉ。自分で蒔いた種のくせに何かにつけて俺達の楽しみの邪魔してくれるじゃん。そんなことしたって、変わらねえんだよ。──お前が人殺しのクズ野郎だってことはな」
冷水をぶっかけられたみたいだった。肩から手が離れる。
「な、そろそろふっきれてこっち側来いや。一緒に楽しもうぜ、この素晴らしい世界を──」
触れられたくない部分を無遠慮にまさぐるような、不快でたまらないその声が最後まで続くことは無かった。
間近で迸った爆音がベテルギウスの言葉を掻き消した。さっきまでそいつの顔があった場所から、眩い閃光と高熱が拡散する。
男は一メートル以上吹き飛ばされ、囂々と燃える炎に包まれた顔を両手で押さえてのたうち回っていた。思わず耳を塞ぎたくなるような、息苦しい叫び声がタイロンの街中に響き渡る。
一瞬だけ見えたのは、背後から俺を掠めて男に命中した紅蓮の弾丸だった。
「……出て来るなって、言わなかったか?」
「言われてないわ。ちょっとそれっぽいハンドサインがあっただけよ」
屁理屈の減らない女だ。お前が出てきたら元も子もないだろう。
ひぃひぃ言いながら地べたを転がり回る男の目前まで、抜いた細剣を肩に担いだハルカは歩み寄ってきた。ケントが目を丸くする。
「わぉ、イメチェンしたねハルカちゃん。黒髪も可愛いよ」
「うっさい。さっさと愛しのソーマのところに帰ったら?」
ケントに向かってこの口だ。逞しい女だとは分かっていたがこれほど神経が太いとは感服する。
爆炎のエフェクトがようやく鎮火し、荒い息遣いで体を起こしかけたベテルギウスの鼻先にハルカの剣先が据えられる。
「顔に穴空けられたくなかったら今すぐここから失せて。なんかムカつくのよあんたの顔」
酷い言い様だ。男は滝のように汗を流したかと思うと、一目散に逃げ出す途中で襲っていたカップルの男がふと伸ばした足に躓いて盛大に転倒し、それでも構わず脱兎の如く逃げ帰っていった。
「……どうすんだよ。ハルカまで出てきて」
「決まってるでしょ。こいつ倒す、もしくは撒いてまた逃げるの」
「簡単に言うぜ……」
俺はメニューウィンドウを開いて手早くマイセットから一括装備変更した。せっかくカモフラージュのために着ていた私服風の装備が光を放って消滅し、代わりに俺の全身を覆ったのはいかにも騎士然とした鎧。
グレーの光沢が美しく、オレンジ色の装飾が散りばめられた精悍な鎧は、その色合いから《落陽の騎士鎧》という名を持つ。騎士系のジョブでないと装備できず、そこそこレア度も高い。
仰々しい装備は趣味じゃないが、相手が相手だ、なりふり構っていられない。
フル戦闘装備を着用した俺の手に、細身で太さ均一の真っ直ぐな黒い棍棒が収まる。そいつをくるくる回しながら俺は覚悟を決めてケントを見据えた。
「やる気なんだ。いいね」
「なぁケント君よ、今ふと洗脳が解けたりとかねぇよな?」
ケントは答えず腰の赤い刀を抜いた。何かの弾みで洗脳が解ける希望は捨てた方が良さそうだ。
「ハルカって射撃いけるんだな。じゃあお前援護で」
「いやいや、前衛は私でしょどう考えても。私のことは多分無傷で連れ帰るように命令されてるはずだから」
「分かんねぇかなぁ」
空気を切り裂く音を立ててケントが掻き消えた。ハルカ目がけて振り下ろされた刀を、俺が伸ばした棍棒が受け止める。──重……っ!
「こいつはバットマンの命令なんて、聞かねえよ……っ! 後でアイテムで回復させればオッケーとでも思ってんじゃねえかぁ……!?」
ギャリン、音を立てて刃を滑らせたケントに対応し間一髪棍棒を手首で返す。立て続けに打ち出される二発目、三発目を迎撃してからようやく僅かな余裕が生まれた。
四発目を真っ向から受け止め、競り合いの最中叫ぶ。
「どうだハルカ、この太刀筋、お前が捌けんのか!」
「ちょっと……無理かも」
「そういう、ことだ!」
全力を込めて押し返し棍棒を振り抜く。ケントは身を翻して後退した。
「やるねトーリ。流石はザガンのナンバー2ってところか」
「そりゃどうも……なぁ提案なんだが、刀だけちょっと無しのルールにしないか? 明らかフェアじゃねえじゃん。な?」
「行くよ」
「聞けよくそったれ!」
武器衝突。飛び散る膨大な火花がケントの凶悪な笑みを照らす。この戦闘狂が!
無数の剣戟を棍棒の両端を使いながらなんとか捌き続ける。純粋な筋力値で僅かに上をいかれているため、どうしても少しずつ後ろに追い込まれるのは俺だ。
本来派手な武器衝突を続ければポッキリいってしまうはずの切断系武器だが、刀だけは例外で馬鹿みたいに耐久力が高い。
「ちっ!」
棍棒を片手に持ち直して、空いた片手でキューブを展開。位置はケントの真横。展開方法は手順を一つ逆にする。
ケントを通過するより先に、キューブをハナから実体化させる。するとどうなるかというと。
「おら!」
ケントの真横から真っ直ぐ槍が突き出すように、細長い半透明な四角柱が勢い良く伸びた。それはケントが咄嗟に出した腕に命中し、突き飛ばす。
「面白い能力だ」
「どうも!」
生まれた隙を利用して最大まで振りかぶった俺は、斜めに切り下ろす要領で棍棒を勢い良く振り下ろした。四十五度の軌跡を描いて黒い打撃武器が唸りを上げる。
「単調だね」
体勢をあっという間に立て直したケントが、しゃがみ込んでそれを避ける。棍棒は虚しくケントのすぐ上を通過した。
「そうでもないかも、よ」
ケントの真横には一つの小さなキューブが浮かんでいた。さっき作った細長いキューブの形状を正立方体へ変更したものだ。
複雑な動きをしながらならともかく、ケントの言うように単調に振りかぶって振り抜くだけなら同時並行でこれぐらいの操作はできる。
「"跳弾"!」
材質変更したキューブを思いっきりぶっ叩く。むしろケントよりこれ目がけて振り抜いたものだった棍棒は的確に中心を捉え、次の瞬間キューブが大きく、ぐにぃ、と歪んだ。まるで柔らかく頑丈なゴムボールのように。
「な──」
ケントの反応を待たずして棍棒が弾けた。目に追えぬ速度で跳ね返り無防備なケントを襲った棍棒がビリビリ震え、確かな手応えを俺の手に伝える。
完璧に入った。
「ハルカ!」
すぐさま飛び退った俺の合図に合わせてハルカの剣銃が火を噴いた。例の起爆する弾丸が紅蓮のライトエフェクトを帯びて一直線に飛来する。
頭を垂れていたケントに直撃した弾丸が起爆し、爆炎がケントを握り潰した。二度目の派手な爆音に、街中から集まったギャラリーが悲鳴を上げながらも行方を見守っている。
遠目に保安官の制服を着たNPCが駆けてくるのも視認した。
俺は知っている。ここで「やったか?」と言ってはいけないことを。
「……やった、のかな」
「お前が言っちゃうのかよ」
悪い予感的中。爆炎を切り裂いてケントが出てきてしまった。しかもろくすっぽHPが減っていない。
「二人ともいい攻撃だったよ。特にトーリ、君のはガード間に合わなかったらやばかったかな」
言いながら右手をぷらぷら振っている。完全に決まったと思ったのに、あれに反応するのか。
「それとハルカちゃんのさっきの弾、威力は高いけど弾速かなり遅めだよね。刀で斬れちゃった」
じゃあケントが受けたのは爆風の余波と棍棒を腕で受けた分のダメージだけか。二度は使えない不意打ちが成果を上げられなかったのは痛い。
甲高い警笛が俺達の硬直を切り裂くように鳴り響いた。とうとう現場に駆けつけた保安官NPCが、テンガロンハットに拳銃装備という西部劇のような姿で、「治安を乱す無法者め、お縄につけ!」と定型句らしきものを喚いている。
厄介なのは、こいつが「治安を乱す無法者」と判断した対象が、ケントだけで無く、武器を抜いて既に派手に暴れている俺とハルカも含まれていることだ。倒せるとは言え保安官NPCは決して弱くない。ケントの相手をしながら捌くのは骨が折れそうだ。
かといって、倒してしまってもまずい。俺は街の外まで飛ばされ、ハルカが一人になってしまう。ケントがうっかり殺してくれれば理想的だが──
「うるさいのが来たね」
なんと、願っても無いことだ。ケントは俺達から保安官NPCへ殺意の矛先をシフトした。どういうわけか刀を鞘に納め、ゆっくり保安官へ近づいてく。
「抵抗するな、神妙にお縄につけ!」
抜きざまのリボルバーの弾丸はケントに当たること無く、遙か後方の見物客の足下で弾けた。
ケントはと言うと片手をついて地面とほぼ平行になるまで体を寝かせていて、まさしく今その長い脚が弧を描いて拳銃を蹴り上げたところだった。
もしやケントは、NPCを倒すとどうなるか知らないのでは無いか。いいぞ、やっちまえ!
「ちょっと大人しくしててね」
バチン、と言うより、ドン、という太鼓を打ち鳴らしたような放電音。保安官の首筋に鉤型に折り曲げられた指をケントが据えた直後、そんな音と共にNPCは黒焦げになって硬直した。
親指と、人差し指と中指を合わせた指先とを繋ぐように深紅の電流が迸っている。まるで人間スタンガンだ。しかも、NPCはまだ死んでいない。
頭上に浮かぶ麻痺アイコン。HPは危険域でまだ保っている。こいつは殺さないように加減して、同時に麻痺を狙いやがったのだ。ハルカも同じ手で連れ去るつもりだろう。
「さぁ、邪魔者はいなくなった。やろうか」
バチバチ音を立てながら赤い電流が這う左手でケントが刀を抜くと、赤い刀身にそれが伝って一層不気味に美しく発光した。
「"展開"! "陽炎"!」
牽制用に一つキューブを作って無造作にケント目がけて飛ばしておいて、その隙に俺とハルカを包むように大きめのキューブを一つ拵えた。そしてすぐさま、陽炎モードで透明化。
牽制用キューブを刀であっさり両断したケントが、俺達の消えた地点を目を丸くして見ていた。
「へえ、消せるんだこの箱。メルティオールの南門を張ってたとき、いつまで待っても出てこないからおかしいと思ったけど、なるほどそれでやり過ごされたか」
一人納得しているケントを放っておいて俺は一気に急上昇。 何かにぶつけたりしないよう注意しながらとにかくケントから遠ざかる方向に真っ直ぐ走らせる。冗談じゃねえ、勝てるかあんな化け物!
「トーリ君、息止めるのって何秒ぐらい持つの!?」
中の声は外に漏れないと分かっていても、ハルカの声は少し潜められていた。絶賛無呼吸中の俺に答えられるはずがなく。
「……ん、ん」
口を閉じたまま喋ることを試みたが完全に無理だった。仕方が無いので指を伸ばして「一」という数字を伝える。
「一分……か」
伝わって何より。無論安静状態の場合なら、レベル補正で十分でも二十分でも止めていられるが、何しろ今はオリジナルスキル発動中。
スキルの中でも群を抜いてSP消耗、即ち疲労蓄積の激しい力を使いながら息を止めるのは正直ものすごくきつい。
「それじゃ逃げ切れない。あいつ、化け物みたいに感覚鋭いから。何かスキル使ってるのかもしれないけど寸分の狂い無く殺気飛ばしてくる」
本当に人間ですか。ソーマだけで十分だよそんな化け物は。
「……やっぱり、倒すしかない。切り札なら一つ持ってる。チャンスは一度きり、しかも至近距離じゃ無きゃ絶対当たらない。けど、当たれば相手がケントでも確実に無力化できる」
何とも極端な切り札だ。そもそも一度も共闘なんてしたことの無いこの女の実力と言葉を、百パーセント信じて本当に大丈夫なのか。
レベルは、ジョブは、スキルは。まだ俺はこいつのことを何も知らない。
だが、理屈で無い何かが、信じて良いのだと俺に告げた。
「ぶはっ! ……おーけー、やろう。隙は俺が作ってやる」
死角になっているビルの陰に着地した俺達は、大勝負の作戦を立て始めた。




