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勇者時代これで終わりです
話は見えてると思いますがよろしくお願いします
「・・・かっ、た?」
ボロボロの身体に鞭を打ち魔王の側まで這う。魔王の身体に耳を澄ませるが何も聞こえない。
こんなボロボロでは国に帰る前に死ぬかもしれんがもういい。帰るための陣は魔王城の王の間にあると聞いていたのでそれさえ発動してしまえば
そう
帰れる
帰れるのだ。
朝起きれなくて母に起こしてもらい父が新聞を読んでいて兄がそろそろ一人で起きろとしかってくるあの日常に。つまらない授業を受け、友達とくだらない話をして冷凍が目立つお弁当を食べて、友達と休日遊ぶ約束をして家に帰って犬と遊び、母のご飯をみんなで食べるそんなあたり前に帰れる
帰れ、、、、
「・・・え?」
起き上がり陣を探していた私のお腹に
無骨な片手剣がはえて、、え?
「・・・あ、」
ゆっくりと倒れこむ、
そこに追従するように見事な狙いで矢が刺さった
視界が狭まる。なんとか顔をあげようとした私の体が誰かに蹴り上げられた。
「・・・がっは」
蹴り上げたのは聖女だった。
「もも、そんな汚物を蹴りあげたら靴が汚れるぞ?」
ほら、といい剣士が私の腹から剣を抜いた。周りに血が飛び散った。
「そうだ、もも。気持ちはわかるがももの綺麗な足に傷がついたらどうするんだ?まだ息があるうちは近づいたら危ない」
王子がそう言って巫女を遠ざけた。
「ていうかさ、本当最悪だよね?ぼくらに好かれてるももに嫉妬してももをいじめるなんてさ」
冒険者が矢をだして私に突き刺し体に捩込んだ。
「というか本当に元の世界に帰れるなんて信じてここまで来たんですか?相変わらずオツムが弱いですね」
魔法使いが見下した目で問い掛けた。
聖女に嫉妬とか意味がわからないことを聞こえたけど私の中で占めるものはたったひとつだった。
「・・・かふぇ、なぁ、いの」
その言葉を理解したのは以外にも聖女だった。
「帰れるなんて本当に信じてたの~。
あ、はは!何それすっごい面白い!嘘に決まってるでしょう、バーカ!今までどうもお疲れ様でした!これで貴方の物語は完結よ!大丈夫、私は優しいから貴方はちゃんと魔王を倒して帰ったことにしといてあげるわ!貴方の功績はちゃ~んと後世に残して置いてあげるから!伝説の勇者様よ!うらやましいわぁ」
・・・かえれない?しんじていた?
・・・うそ、うそってなんだっけ?
ああちがう、かえらなきゃ
お母さんとお父さんとお兄ちゃんが
どようびのともだちとのあそび
かえらなきゃ、かえらなきゃ
かえらなきゃ、かえらなきゃ
『本当!無様よねえ!主人公が悪役に倒されるなんて!あはは!本当ムカつく!どうしてわt@しがしぃじん∮でなうの✳ゆるせnかった∞*これは@れでけ%こうね!』
ああ、こえがもう、きこえない
で、もこのことば、このひびき、なつか、しいなぁ・・・、なん、だっけ、ああこきょう、の、くに
あ、あ、そっか、かえらなきゃかえらなきゃかえらなきゃかえらなきゃかえらなきゃ
かえらなきゃ
そこで私の意識は反転した
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
暗くて思い沼の中に私はいた。
遠くで声が聞こえる。
「・・・かわいそうに、せっかく英雄になれたのに。仲間に使われ、憎まれ、裏切られ、殺されるなんて。そりゃあ魂を浄化できないようなほど強いおもい抱いて死ぬわよ。アンデット化してもしょうがないわ。」
鈍い感覚の中でゆっくりと頭を撫でられた。
温もりがあったかい。お母さんみたい
・・・お母さんってなんだっけ
わからないけどまあいっか。いますっごい幸せだし。
頭を撫でる手がぴくりととまった。
「貴方今、私の手に擦り寄って・・・」
「?」
言ってる意味がわかんないから首を傾げたらすっごい驚いた顔をされた。
「なに!貴方意識があるの!じゃあ私の魔術で補強すれば、元よりかぐらいの感情が戻るかも・・・!」
いきなり暖かい手の人は慌てだしてなんか魔術を組みはじめたけど、ぶっちゃけそんなことより頭を撫でて欲しかった。
あの行為は酷く満足感があったのだ。
聖女は転生者ですがこの世界はゲームではありません。
あくまで聖女が中途半端な前世の記憶により勘違いをしているだけです。
ちなみに聖女が逆ハーレムを築けたのは聖女になる際に願いを1つ叶えることができる仕様だからです
ちなみに彼女は愛されたいと願いました
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