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4話目です
よろしくお願いします
私は勇者だ。それ以上でもそれ以下でもない。
魔物を切る、死んだ。嗚呼帰りたい
魔族を切りつける。なかなか死なない。
誰かが放った魔法があたった。もう一歩遅かったら今頃死んでいた。帰りたい
「あー、くそ。強かったけど何とかなったね~、ねえ、もも?」
うっとうしい声で冒険者が言った。帰りたい
「疲れてないか、もも?少し行ったら泉があるぞ?」
なにげに聖女の腰を抱きながら王子が言った。帰りたい
「さすがに魔王城の中だな、強いし何より数が多い。もも?すまんが頭を撫でてくれるか?」
騎士が気持ち悪い甘えた顔で聖女にせまった。帰りたい
「もも?お疲れでしょう?次の休憩所まで運びましょう」
魔法使いが聖女を抱きあげようとした。帰りたい
私は黙ってさっき殺した魔物の肉を捌き魔法で燃やす。私の魔法力はパーティー中で最低だが現代知識はいろいろ便利だ。工夫次第でどうにでもなる。しっかり焼いてお腹を壊さないようにするのがポイントだ。
魔物は味と栄養素はとてもいいのだがいかせん見た目と、人間の中では魔族が食べる不浄なものとして扱われており普通食べない。じゃあなぜそれを食べるのかといえば単純にご飯がないからである。正確にはもらえないからだ。
嗚呼帰りたい
男どもは聖女を休憩所まで誰が運ぶか言い争っていた。くだらない。
でも、そう次の休憩をしっかりはさんだら次はようやく魔王の間だ。
・・・そしたら帰れる
私はそれだけを頼りに生きていた。
私は帰る。元の世界に。大好きな家族の元に
ようやく勇者時代の話を載せれました。
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