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3話目です。人の名前は適当

広場の真ん中。勇者パーティーから5mほど離れた場所に跳ぶ。

まあ、痛みなんてものはとっくに壊れている。だから筋肉いくら使ってもいいし、何よりアンデットは回復力が馬鹿高い


「何者だ!」

「王のご膳と知っての狼藉か!」


すかさず周りを騎士が取り囲んだ。意外に早い

騎士は3mぐらいをぐるりと取り囲んでいる。

魔法使いがこちらを見て目を見張った


「どきなさい!アンデットです!」


そういや魔法使い魔眼持ちだっけ。でも結局名前しかわかんないから私以外魔物の特性覚えてなかったから意味なかったんだよね。それも私言われんくっても特徴で見分けられたし


魔法使いが叫んだ一瞬広場に沈黙がおり、その後阿鼻叫喚に包まれた。

うるさい。私の知覚はお嬢様のおかげで無事元通りなのではっきり言って全員殺そうかと思った。

でも、自重。今日はべつに殺しに来たのではない。


「落ち着け!相手は一匹!それもアンデットだ!旅の途中何回かであったが剣士一人で殺せるレベルだ!」


王子が叫んだ。うっせえ。


「それも知能がものすっごい低くて~、魔族に一応分類されているけどしゃべれないし~、下手な魔物より簡単にやれるよ~」


安心させるように冒険者が話す。でもお前そういったけど全部私にまわして来たじゃねえか。時間稼ぎにしかならなかったぞお前の攻撃。


ちらりと現勇者に視線を向ける。彼は口をぱくぱくさせながらこっちを見ているが口から零れる言葉が日本語だ。うん、やっぱ召喚したのか。


彼をのんきに観察していると剣士が出てきた。というかあんだけいっといて王子と冒険者でんのか。

あ、剣士以外武器もってねえわ。やべえ手加減めんどい。


彼らの言葉に安心して民衆は落ち着きを取り戻したのか逃げず静かに見守っている。うむ、ちょうどいい塩梅だ。ここで逃げられても命令は遂行できるがいないよりいたほうが何かと役立つ。


ゆっくり息を吸い込む。アンデットになると息せんでも生きていけるので忘れることが多いのだ。でも必要な時もある。しゃべるときとかな。


「・・・・・・それが今回の生け贄か?ふうん。お前等も懲りんな。」


ゆっくりと勇者を見つめ話す。


おそらくアンデットがしゃべるなんて考えもしなかったんだろう。広場にはさっきとはことなる静寂が訪れていた。

私が話たことでただのアンデットではないと気づいたのであろう。剣士が雰囲気を油断ならないものに変えた。おせえよ


「いけ、にえ?」


勇者が確認するように聞き返した。それに反応したのは王でも巫女でもなく剣士だった。私が知っている情報が勇者にとって良くないものだと気づいたのであろう。私がこれ以上口を開かないようすかさず距離を詰めて来る。


だが甘い。相手はきっと私のことを何も知らないが私は相手の事を良く知っている。例えば切りかかるときの初期動作とか。

最も効率良く狩るために初撃は速く重くを重点を置き、右上から左下へ、剣を滑らすのが彼の特徴。

だから、あえて前へ。剣士の首もとに手を伸ばす。そのまま襟首掴んで一歩後ろに。バランスを崩したのを確認し、手を離す。そして素早く斜め左前に2歩ダンスを踊るようにかろやかに足を出す。歩いているうちに一撃を喰らう可能性もあるがどうせアンデット。一撃では死なない。まあ剣士が反撃できるわけないけど。


予想通り反撃も受けず頭からこける剣士の背中をおもいっきり踏ん付けてフードつきローブに隠してあった剣を瞬時に取り出す。剣士の右腕に一線、肉ごと皮を剥いだ。


「え?あ、あぎあぃいあああ!」


うっさいなあ。これぐらいで死なんだろうに。


「あれ?え?

何これ。どゆこと?え、だって騎士様はすっごく強くて将軍級どころか幹部の魔族も倒せるって。え?」


勇者がひとり呟く。あーあ、かわいそ

現実追いついてない。


「え?というか何言っちゃてんの剣士。お前幹部どころかアンデットだって私が6匹倒してる間に1匹倒せるかどうかだったじゃん?」


ああそっか、聖女の取り合い関係でその辺のデマ流した訳ね。でも、ちょっと見栄張りすぎじゃね?お前よりよっぽど年齢が上のベテラン兵士の方が腕上だったぞ。


「どうして!なんでそんなこと知って・・・」


聖女が喚いたが徐々に言葉が小さくなっていき、驚愕した顔が恐怖染まっていく。あれ?もしかして気づいたのか?意外だ。もっとオツムが弱いと思ってた。


聖女のことは割とどうでもよいので聖女から勇者に視線を移す。勇者はびくりっと肩を揺らした。とって食うわけでもあるまいに。


「君、日本人だよね。初めまして。」


ゆっくり彼が理解できるようにしゃべる

私には言語翻訳なんて能力なかったから彼も苦労していることだろう


「私は篠崎 由宇夜。前の勇者、君が進むなれの果てっていった方がわかりやすいかな?」


昔こいつらに殺されて、今はさっさと帰りてえなって思ってるアンデットだ、とフードを外して無表情で言いきった。私の表情筋は初めて魔物をやった時から段々動かなくなっている。魔王倒す前なんか咀嚼だけで筋肉がつりそうだったものだ。


「頑張ってね?勇者業。救いなんて一つもないけど」


読んでいただきありがとうございます

主人公の名前は ゆうや です。

あれ?女主人公なんだが、女っぽくない

誤字・脱字がありましたらお気軽にご連絡ください

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