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2話です。よろしければどうぞ
大きな城前の広場に民衆にかこまれて勇者パーティーはひざまずいていた
パレードは終わり王子達は既に馬車から下りている。
彼らの前には勇者パーティーを構成する国の王や大臣が揃っている。
国を代表として王子の国の国王が民衆に向けて勇者の活躍を話していた。
「・・・大儀であった。勇者様がこの良き日に参加できなかったことは誠に残念であるが、彼女は故郷に帰りたがっていた。であるため我々は世界を救った彼女の幸せを遠い世界から願おう。」
そこで一旦区切り黙祷を捧げる。わざとらしい。
十分間を持たせた後王は厳かに続けた。
「今まだ魔王との戦いでの禍根が残っている。しかし我々はまだ魔王を倒したに過ぎない。まだ脅威は去ってない!そして魔王がいない今こそ提案する!私達は魔物と魔族を駆逐し、奪われたこの世界を再び我等が手に取り戻すことを宣言する!
そして我々はいなくなった勇者様の代わりに魔族を駆逐する象徴として彼女と同じ色の瞳と髪を持つ彼、ライラック・デ・アントウに勇者の称号を与える!」
歓声が響く。
にしても勇者に性があるってことは異世界から召喚したわけでもないのか?
いや?アントウ?この国っぽくない。これは安藤説が有力だな。
というか何?世界を取り戻すとか、身のほどを知れよ全く
・・・行くか
これ以上待っていても何もないし。何より私は感情が冷めやすい体だから怒りを忘れないうちに終わらせなければ
ただの伝言だけにしようと思ったけどちょっとだけお節介をやこう
うん、行こう
我が主、魔王様の身心ままに
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