++十(プラス+じゅう)
8/12(2/2)
……ありました。
これは+?
それとも十?
「ホーグ、これって…」
「ヒロ様、核司は人に教える物ではありません。師弟の関係でも秘密にして然るべきものです。魔法使い同士の夫婦ですら秘密にしている様な物ですので、私にそれを教えるのは控えるべきかと。
……魔法を使う者にとってそれは命の奪い合いの原因となると同時に基本になります」
そう言えばそんな事あったなあ(うろ覚え)。
魔法使い同士の決闘なんかの際、命を奪い合う意思表示として互いの核司を名乗ってから始める儀式みたいな物があった。ホーグの言うとおりの弱点なのだとしたら、弱点を教え合ってそのままで終わらせるわけにはいかないという事なのだろう。
字体から予想してこれはプラス、だろう。
……火とか雷とか光とか想像してたけれど、これが自分の核司と言われてもはっきりしない…。外れなのか?
「ホーグ、普通の魔法の使い方を教えてください」
「わかりました」
そんな所からなのでホーグも哀れに思ってくれたのだろうね、即答だったよ。
核を司る言葉、という事で核司らしい。
ホーグの説明は幼稚園児に文字を教える位丁寧でした。
ホーグの例えの地図で言うと、核司を現在位置として、|目標の《使いたい』魔法をゴールと考えた場合、移動手段が適性になる。
「火」の核司を持つ人が火魔法を使うのは「涼しい」と言う核司の人よりも簡単になる。「火」の人は一直線に移動できるうえに近い。自動車にも乗れるだろう。この場合乗り物が必要ないくらいに近いけれど。
比べて「涼しい」の人は大変だ。まず出発点があまりにも離れている。そして徒歩では移動できない程険しい道のりで苦労に苦労を重ねて移動しなくてはならない。しかも徒歩に限定されて。
使いたい魔法が冷気魔法の場合その立場は逆転する。
…という事になる。
そう元から分かりやすかったホーグの説明を反芻すると、やはり自分の核司は『+』ではないかと思うのだ。
たった今使える三つの魔法は、地図で言うと最も近い場所にある物なんじゃないかと思う。
強化魔法は元の物を+する。
召喚魔法二種は数を+する。
こう考える事ができる。
「言葉による詠唱や魔法陣、印形や舞踊。これらが目的地へと向かうための手段になります。徒歩であったり、馬に乗ったり空を飛んだりして目的地に移動すれば掛かる時間や疲労の具合に違いが生まれるのです。
それが神の模倣として同じほど的確であれば、どの手段でも結果は変わらないでしょう。どの神が残した手段か、そしてその模倣の完成度によって違いが生まれることも重要な所です」
お会いしたことはないけれど、力の神様や速さの神様の残した言葉や動き、魔法陣なんかを模倣すれば、強化魔法はより効率良くなるという事だろうか?
「ですがこの部分ではヒロ様は考える必要はないかと思います。
ヒロ様の魔法の使い方はブーツの靴底の接地面の形を変えて刻む魔法陣によって神の模倣としますので、ヒロ様の『ステータス確認』が最も適した形を選ぶはずです」
「どうしてそれを?」
話の最中に失礼かと思ったけれど思わず聞いてしまった。
「……ヒロ様、私は『共有化』と言う忌むべき特殊能力を持っております。
この能力は一時的にヒロ様の情報を私が手に入れる事ができる能力で、ヒロ様の懸念や現在のステータスを読み取る事ができる物です。ヒロ様の魔力が危険域にまで減少した際、それを調べるために使った事と、以前ハクマイを手に入れる為に単身行動していた際の二度、この能力でヒロ様の情報を読み取っておりました」
「そうなんだ。ありがとう」
「…二度と使いません」
「え? 便利だよね。離れていてもホーグは自分が困っていてホーグの手を借りたい時とかわかるんでしょ?」
他人ならともかくねえ?
ホーグがなんかすごい表情だったけれど、そんな大事な話には思えなかったので次を促した。
「話止めちゃってごめん、続きをお願い」
「! は、はい!」
何か知らないけれど、ホーグの狼狽えぶりが自分の考える事ができる範囲からとんでもなく離れている気がした。それ位の狼狽えぶりでした。
忌むべき特殊能力?
他人にされたら嫌だけれど、ねえ?
話は『亜型魔法』についてになる。
そうなのだ。
自分用の魔法を作る。憧れる物だ。
「『亜型魔法』は基本となる魔法を自分が使いたい目的のために魔法自体を調整する事で作る魔法です」
核司が『弓』の人が火魔法を使おうとする場合、核司を絡めた魔法に調整しないといけない。核司から大きく離れた魔法を使おうとすると、『有限創造』と同じように消費が大きくなってしまったり、形にならないで不発となってしまう場合がある。
そこを調整して『火弓魔法』として調整する事で消費を少なくすると同時に使用できるようにするのが『亜型魔法』という事だ。『亜』の字には劣る、と言う意味もあるのだけれど、純粋な魔法より複雑になって非効率になったり、火の魔法で言えば火力の減衰などが起きるらしい。
それも合わせて、より自分用に最適化していくのが魔法を使う人、研究者などの目的となる様だった。
「魔力の混ぜ合わせとかはどうなるの?」
「魔法は使用者の魔力と、外側にある魔力を混ぜ合わせることで発現しますが、それは神の模倣によって自動的に行われる事です。魔力を直接操作するのは魔法使いの中でも中堅以上の実力者が初めて辿り着くような難関です。魔力を知覚する事のできない魔法使いも多いのですから」
いきなりそんな所から始めてたのか……。調べ方が悪かったんだろうなあ…。
テレビみたいに垂れ流しの情報を眺めつづけるのと違って、検索は調べたい事しか抽出しないから(一度に出てくる情報の桁違いに多いし)、こんな結果になってしまったのだろう。
「具体的には亜型魔法ってのはどうやって作る物?」
「恐れながら、それはヒロ様のやり方で行う方が短時間且つ効率的にできるかと思います」
「そうか。ありがとう!」
ステータス画面を確認。
亜型魔法の作成、と入力して検索。
+ + + + + + +
『『ステータス確認』に表示された魔法陣は、ブーツが元から知っている物だから、ヒロはその魔法を使いたいって念じればそれだけで神の模倣になるよ?』
『ブーツも万能ナイフと同じようにヒロの思考を読み取る事ができるからね』
『でもお薦めはこの前万能ナイフが覚えた新しい形だね!』
精霊さん達の話を聞きながら亜型魔法に手を出そうとしている所です。
エニスのレナリへの訓練も一区切りした後、短いけれど休憩を挟んで再び移動中。
レナリはやはり竜としての特性なのか、精霊さん達が見えていた。声も聞こえるようで精霊さん達をじっと見つめている。
「覚えた形?」
『魔族の神様の持っていたステッキなノ! あれは神様が持っていた道具だから普通の道具とは違う特性を持っているノ! 万能ナイフの形を変えて解析してみると言いノ!』
「できるか?」
万能ナイフを抜いて、聞いてみる。
すると軽く震えた後、魔族の神様が持っておられたステッキになった。
スーツを着た老紳士が持っていたら様になるだろう形と、万能ナイフ独特の装飾の入ったステッキである。Lの形になっていて、握りの部分が宝石を磨いて作ったような物だった。
『このステッキは、詠唱補助、または神の模倣補助ができる道具なんだ』
『神様が持っていた物だから当然だよね!』
解析すると、全ての魔法を調整する事ができる、と表示されている。
ホーグの例えで考えると、目的地へ向かうために常に馬に乗れたり自動車に乗れたり出来るって事の様だ。
『ヒロ、それは違うノ!』
『このステッキはさっきの例えで言うと地図を描き変える、または目的地を都合の良い場所に移す事できる性質があるんだ』
口に出したわけでもないのに考えが読まれてしまった。
『ヒロ、どんな魔法を使ってみたい?』
「どんな魔法かあ………。核司とかと関係ない魔法でも良いの?」
『もちろんなノ!』
「やっぱり攻撃用の魔法かなあ。火魔法とか?」
『ヒロの核司を考えると簡単な方に入ると思うよ?』
「え? なんで?」
精霊さん達は自分の核司をご存知の様だ。
『+、という事は温度を足す、と言う考え方ができるノ。熱量を増やす、この場合は足す、増やすと言った足し算の考え方をすればヒロの核司としてステッキを使わなくとも使えると思うノ。
核司と魔法の関係は言葉遊びと思い込みで成り立っている所があるから今回は逆に引くと言う考え方が一般的な水を氷に変えたりする魔法を試すべきなノ!』
「…………………………………………………………………………………………はい~?」
思わず変にメロディのある言葉が出てしまった。
自分の核司、実はとんでもなく有利な物だったって事だろうか???
「この核司って、実は凄い?」
『例えば五百年前のヒロの仲間だった鼠人は“砂利”だったよ?』
『巨甲長命族は“翼”だった! 亀なのに!』
『魔族は雪人族と吸血族のダブルだったのに“熱気”だったノ!』
『それに比べればヒロの核司はメチャクチャすごいよ!』
『種族、血筋に目標。そう言った物と一切関係ないのが核司なんだ、個体の魔法の核を司る言葉であってその人の人格や行動とも一切関係ないから!』
まるで自分が苦労しているかのような剣幕だな。
圧倒されてしまった。
そうか、精霊だって霊だから霊力を持つけれどそれは基本で魔力や理力を持つ霊もいるんだろう。精霊さん達がどんな核司を持つか知らないけれど、苦労するような物を持っているのかもしれない。
…いやでも妖精と精霊の話を聞いたな。
…そうか、忘れてたここにいるみんなは精霊神だ。神様ならまた違う理屈があるんだろう。
「ええっと、じゃあ試しに何をしてみよう?」
『取りあえず何でも良いんじゃないかな?』
精霊さんの中にも違いがあり、その一人から冷静な助言を頂き今すぐできそうな魔法を考える。
少し時間をかけて出てきたのは、
「使い魔を作る魔法ってあったよね?」
五百年前魔法を使いたかった魔法の一つに、そう言うのがあった。
ステータス画面が新しい窓を表示すると、二つの候補があった。
一つは召喚魔法(2)、もう一つは………、
「生命創造魔法?」
やたら難易度の高そうな魔法だった。
『数を増やす、って考え方で行けば簡単だけれどこの魔法自体はとても難しい魔法だから試すのに良いかもしれない』
『使い魔、と言うのは色々な使い方があるからそれに合わせて魔法も候補があるね』
『短い時間何か役割を持たせるなら召喚魔法で英霊や精霊を招くのが簡単だよ』
『生命創造魔法は人形や道具に一時的に命を与えて行動させる魔法…難しい』
召喚魔法は使った事があるから、生命創造魔法を使うべきなんだろうけれど……。
「もっと簡単なのにしよう、取りあえず」
エニスに跨りながら、しかも移動中にする物じゃない気がする。
身体が後ろから引っ張られる気がしたので二本目の回復薬(何か名前を考えよう…)を煽りながら考えることにした。
+ + +
温度を下げる、と言う考え方で氷を作る魔法を試してみた。
全く動いていないのに、靴裏が魔法陣を象り、空中に光の陣を刻んだ。
「おぉおう」
テンションが上がった。
掌に握り拳よりも小さいくらいの透き通った氷の塊がひゅる、と作り出された。ゲームっぽい。
でもこれを戦闘の際投げつけるって、ゲームらしくないな。
氷属性魔法だけど、ダメージは物理属性、みたいな気がする。RPGっぽい考え方をすると、炎とか水はともかく、氷属性のエフェクトって刺突とか打撃とかになりそうだよなあ。
………こんなこと考えても仕方がないか。自分が触れた事もないゲームだったらその辺りもしっかり考えてあるかも、ゲームはやっぱりゲームで『表現』としてそう言うエフェクトをつかっているんだろうし。
『核司が“投擲”の人は亜型魔法の氷弾投擲魔法をそこから作るんだよ』
『ブーツとステッキがあるから、ここからは簡単!』
「えっと、どうすれば良いんだろう?」
『試しに氷弾投擲魔法を使ってみればいいよ!』
言われた通り、と言っても自分は念じるだけ。
ブン!
魔力が、と言うか身体の中にある冷気がうねったような感覚があった。増えたとか減ったとかそう言う感じではなかった。
と言うのに、先程できた握り拳より小さいくらいの氷の玉がステッキの握りの先から音を立てて飛んで行った。
「これって、念じた魔法を自動的に作ってくれるって事?」
『ステッキがヒロの考えを読み取って、ブーツが魔法陣を描く。この組み合わせならヒロは苦労なく魔法が使える』
『核司から離れる程、魔力の消費は大きくなるノ、でもステッキが一番楽な道を指示して補助してくれるからヒロの核司とは相性が悪かったとしても負担も少なくできるノ!』
『最上級の難易度の魔法でも、ヒロの最大魔力の一割もあれば使えると思う』
…。
嬉しい。
とても嬉しい。
でもね? なんかね?
簡単すぎないかな?
ちょっと呆気ないと言うか、漫画で言うと修行編みたいな奴を想定していたので正直拍子抜けです。魔力を直に扱う時の苦労を考えると、全く別の作業に思えてしまう。
『それは、強化魔法がヒロにとって相性の良い魔法だったからだと思うよ?』
なるほど。
「ステッキがない時との違いってある?」
『あった時の方が素早く、かつ少ない消費で魔法を使う事ができるよ』
『でもブーツが道筋を覚えれば万能ナイフの形を変えなくてもかなり消費が少なくなるはず』
多少の消費と速度を気にしなければロングソードの形のままでも魔法が楽に使えるって事なのかな?
トライ&エラーじゃないけれど、今まで無理矢理使っていたのとどう違うのか後で試してみよう。やっと研究っぽくなってきてほっとしていた。
取り敢えず実践の方は置いておいて、調べ物をしてみることにした。
魔力を視認できるフィルターを使って魔力を直接操作して行う方法を選んだ時の資料を再び表示させて調べて見た。書物としても残っている情報だったようである。
著者は…、知り合いでした。
頭からその資料を読んでみると、これは高度な技能である、という事が記されていたのだけれど、自分はそこを読まずに使用方法だけを読んでいた。
検索だと知りたい知識を直接調べる事ができるけれど、こういった『前提』が目にしづらい気がする。自分のせいなんだけれどね?
『核司』が個々人の根幹になってしまうので、魔法というものは書物としての形を残していない知識がたくさんあるようだ。神の模倣もその『核司』によって選び方に違いが出てしまうし、魔法を研究する学院のような場所もあるけれど、先達から教わると言うより一人一人が資料(使えそうな神の模倣や道具類の物)や組み合わせを模索するための場所らしく、自分が知る『学び舎』とはかなり毛色の違う場所であるらしい。
知り合いの残した資料によると、この方法はある程度の実力があれば核司の違いに関係なく魔法を使う事ができる技術、と言うように記されていた。
…ついでに彼女の愚痴も結構残されていた。
これを記した頃は自分が第一世界からいなくなって何十年も経っていたらしいけれど、この頃には『理法』が急速に広まっていると言う。
魔法と違って、『核司』と言う個人の弱点になる物もなく使う事ができる技術として広まっているとある。これは核司は魔法使いの根幹だけれど、知らなくては魔法が使えないもので、人に知られたくない物だ。
仮に核司が人に知られてしまった場合、魔法の使い方や得意な部分が知られてしまうので対策を立てられてしまう。魔法使いは個人で秘儀や貴重な道具を持っている事が多いから、奪い合いになってしまう事がある。核司を知られるという事は自分からしたら武器防具を取り上げられて丸裸にされる事と同じだろう。
理法には核司に当たる物がない、と言うのが理法が急速に広まった理由の一つだろうけれど、魔法の可能性はまだまだこんな物ではない、著者はそう記していた。
魔法も現在の現理法も、生まれついての素養が重要だ。
魔法の使い手が減ってしまったのもそう言う事なんだと思う。これまでは魔法や神様に祈ることで手段としていた中に、理法と言う新しい選択肢が入ってきてしまった。今までは一択だったのに、半々にしなくちゃならなくなったって事なんだろう。
この世界には魔力、理力、霊力、神力、崩力、○力(これは知らないけれど)がある。
この先これが知られ、広まれば魔法は更に不人気になるような気がした。
『魔』という文字には欲、と言う意味がある。
望み、と言うような言い方もできると思うけれど、そういった願望の強さが関係しているのだとしたら、この世界ではこの技術はこの先も広まる事は少ないように感じる。
ジルエニスの第一世界は、神様が数えきれないほどいて、そこで生まれた存在にとって衣食住と言う問題で困る事はそうそうないからだ。
例えば農民を例に挙げよう。
毎日がんばって畑を耕している姿を農耕神様が拝見なさったとする。
その農民の耕作技術は普通からヘタくらいだとしても、真摯に取り組む姿勢を見せていれば神様はそんな農民に祝福を授けてくださる。その年は大豊作間違いない、どころか麦が年に六回収穫なんて事もある。(この世界の植物は神樹に代表するようにとても強い物が多く、現代日本の感覚からすれば異常に生育が早いので、麦の場合年三回くらいは平気で収穫できる。温期麦、雨期麦、乾期麦はそれぞれ同じ品種から取れても味や保存可能期間に違いがあって、それぞれで楽しむ事ができる。)
そんなだから、子だくさんの家族だって食いっぱぐれるなんて事はめったにない。
結果、子供を捨てようなんて考えは出ないだろうし、困った事があっても違う神様がそれを見ていてくださるはずだ。
中にはレナリのように不幸な経験をする人もいるかもしれないけれど、神様に反旗を翻すような考え方をしてそれを実行しない限り、この世界の人も動物も簡単には不幸になんてなれないのだ。
なんせこの世界の神様の中でも死神様に至っては溺愛主義だと思われるし。長命族なんて存在があるんだから『生物』に対する優遇は桁違いだろう。
この世界に生まれる、って事は自分からすればそれだけ幸せな事で、欲を抱く事も少ない気がする。
だから魔法はきっとこの先も栄華を取り戻す事は有り得ない、とは言わないけれど難しいと思うのだ。欲を抱く必要も少ない上に、その欲を満たす存在がいつも見守ってくださるのだから。
魔族が神様たちにちょっと冷たくされているのはきっとそこの兼ね合いなんじゃないかと思う。この世界を滅ぼす力である崩力を持つ魔王に協力して世界戦争始めちゃったわけだし。
でも、当人は今はきっと幸せなはずだ。
家族と一緒に、団らんの続きをしていてくれるだろう。
過酷な魔界で生まれ、生活した分もう呆れる程幸せになっていてくれればいいなあ。
知り合いの残した情報を読みながらそんな事を思った。
お読みいただきありがとうございました。
補足:亜型魔法「氷弾投擲魔法」を使用した際に魔力量の変化を主人公が知覚できなかったのは魔力を使わなかったからです。
所謂後述詠唱、と言われる今ある魔法を書き換える方式をステッキが使いました。




