+滅びろ=
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月と星の時間になり、焚火の近くに腰掛けて『ステータス確認』や『解析*数値化』の向上を図る。
と言うのも、『不明』と表示されるいくつかの事を調べて、何か解る様にならないかと言う目的を果たすためだ。
今回の『不明』と言う表示にはラロースは、関係ないと思われた。
それは魔族を解析するのは簡単だった言う事。仮に可能性としてあいつが『魔物化』しているのなら、経験上あんな低いステータスなわけがないからである。
解析の結果に『不明』と表示される理由は、おそらくジルエニスが苦手としている種類の力が関係しているはずである。
ジルエニスは管理神としてあの表現の難しい部屋にいるのだけれど、一つ、とある物の対処の為に率先して動かなくてはならない。
説明するまでもなく、『魔王』の事だ。
そして魔王の使う特殊な力は、ジルエニスの力と相性が悪い。
それは第一世界での五百年前、自分が魔王と戦った時に分かった事である。
ジルエニスの作った神の鎧の防御を越えて、自分は魔王の攻撃を受けてしまった。
その攻撃とは『呪い』の様な物で、神の鎧に備わった力を悪い方向へ循環させる物だったらしい。自分はそれを受けて神の鎧に殺されかけた。
攻撃に対して過剰な防御を展開する神の鎧の障壁の様な物が、装着者である自分自身を圧迫するようになったのだ。
関節は満足に動かなくなり、胴回りは締め付けられて動けなくなるし、仲間は毒の呪いに侵されたと勘違いして解毒や回復をしてくれるが鎧が過敏に反応してまた酷くなると言う事になったのだ。
魔王は魔法に詳しいわけでもないのに、それを為した。
魔王が現れる事で世界が滅ぶと言うのは、管理神と相性の悪い性質の力を魔王が使うと言う事なのだろう。
ジルエニスが自分を送り込んだのはそう言った事情もある筈である。確かめた事はないけれど。
実際にジルエニスがやってきて魔王を滅ぼす事は簡単なはずだけれど、ジルエニスの力はこの世界には大きすぎる。世界を滅ぼしたくないジルエニスはそれを自分にやらせたのもそう言う事だろう。そう考えてからヘルプを確認すると想像通り、新たな情報を得るに至った。
川の生き物がいなくなっているのは捕食者がいると言う理由。
そしてこれは思考の外だったのだけれど、ラロースが現れる前の裂け目と魔法陣についてだった。
「色々面倒なことになりそうだな」
異世界人とは関係のない所で時間を取る羽目になりそうだった。
最初こいつが来ると踏んでいたのに、現れたのが魔族一人なのを不思議に思っていたら、裏で関わっていたらしい。
「魔竜滅びろ」
ありがとうございました。
次話では表現を薄めにしていますが
かなり残酷な展開です。
このお話を投稿し始めた頃には既にできていた部分で
残酷描写ありのタグに相応しい展開になりますので、
性に合わないと思われる方はご注意ください。




