鬼+戦闘凶
短いです。
加えて主人公視点ではありません。
手直しをしました。
+ + + + + + +
「明後日に決まったそうです」
屯所にクリーヌがやってくると、最近面白い話がたくさん聞けるので良い。五日後と言っていたが、何やら裏側で遅れるようなことがあったのだろう。多分目の前の奴が何かしたんだ。
少し前まではファン同士が一押しの武芸者の話で殴り合いになったとか、武芸者を護衛に雇おうとしたどこかの金持ちが私兵を闘技場に放ったとか、下らな過ぎて眠たくなるような話ばかりだったからな。
ちなみに、警備兵の総隊長である俺には身分相応の立派な部屋がある。
秘書と言うか、執事みたいに優秀な文官もいるんだが性に合わないのでこの多少汚い屯所が主な居場所になっている。
「くははははははははは」
それを聞いちまった俺はもう、我慢できずに大笑いだ。
クリーヌの方は戦闘凶の顔で厭味ったらしい嗤いを浮かべてやがる。
「初戦は私です、総隊長が勝って、私が負けたら貴方の番です」
思ってもいねえことを平然と言うときは頭が全く動いていないサインだ。
こいつ、頭の中でどうやって戦うかですべての力を使ってやがる。
俺達が休むとなった途端、警備兵の中で未だに血が滾るのを抑えられない連中が何かを察して、休暇願を出し始めたみたいだがそれが叶えられたのは俺達を除いて三人くらいだった。
そいつらも既に気がおかしくなるような苦行に身を浸して満面の笑みでも浮かべてやがるんだろう。
「そうかそうか」
休みを出してまで屯所にいるのは、妻と娘に今の自分を見られることを嫌がったからだ。
だから思う存分身体の滾りを解放して鍛錬に励んでいるんだが、本調子まで二日でか。
鈍った身体はなかなか目覚めなくて苦労していたが、ぎりぎり間に合う位だろう。
「しかし今回は良いじゃねえか」
「何のことですか?」
「お前が勝っても仮に負けても、俺は二回戦が楽しみって話だ」
ああ、なんて良い日だ。
文章があまりに拙いのでしばらく修正と言うか『大改修』を
したいと思っております。
更新は大幅に遅れるやもしれません。
お読みいただきありがとうございました。