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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
自称現実主義者のプチ旅行
97/228

97.

「まぁ、なんだ。その格好では窮屈だろう。着替えを誰かに用意させよう」

私がガックリしていた事を、艦長は別の解釈をしたようで、仕切りに着替えを勧めてきた。

別の方向性で、同情されてしまった。

動きやすい服は確かに欲しいので、その提案には乗るつもりだが。

「御心遣い、ありがとうございます。御言葉に甘えさせていただきます」

それを聞いた艦長が、満足そうに頷く。

「ふむ。 明日には王都の港に着く。それまでここでゆっくりするといい」

艦長がそう言い終わると、机の上のベルをチリンと鳴らした。

涼やかな音色だ。

すると、一人の船員が入ってきた。

「艦長。お呼びでしょうか?」

艦長が1つ頷くと、その船員に指示を出し始める。

「レイ殿を、今から船室に案内しろ。それから、着替えの服も用意しておけ」

それを聞いた船員が、不思議そうな顔になる。

「はっ。しかし、その、女性服がありません」

困惑した表情の船員が、こちらを見る。

もっともだ。

「ああ、その心配はない。レイ殿は男だ」

素の表情で、爆弾を落とす艦長。

またか。

「は?え、や、はぁ?」

そこ、何度も見ない。

認識は間違ってないから。

おかしいのは、団長と艦長だから。

本当に。

まぁ今回は確かにメイク薄めだし、二日目だからはげまくってるけれども。

ていうか、顔洗いたい……

今の状態外見うんぬんよりも、女としてヤバいです。

しみとかしわとか、色々と。

「り……了解しました。それでは、艦長失礼します。レ……レイ殿こちらへ」

気を取り直したのか、案内を始める船員。

その前に、挨拶だけはきちんとしなければ。

「艦長、短い間ですがお世話になります。どうぞよろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくな」

最後に一礼をして、艦長室を後にした。

その後、ギクシャクした動きの船員に部屋を案内され、服も渡される。

早速、ドレスを脱ぎ普通の服に着替える。

色々サイズが合わないが、ごまかしごまかし着る。

髪もほどいて……

え?これどうなってんの?

鏡がないので、今の状態がさっぱり判らない。

奮闘すること約10分。

どうにかこうにか、髪をほどいたけど……

とりあえず適当にかきあげておく。

髪がどうなっているのか、先程から気になって仕方がない。

もんもんと考え込んでいたら、ノックをされた。

誰何したところで、顔と名前が一致しないので入るように促す。

「ピアちゃん、今大丈夫?」

ヨモルォスカだった。

酔いのせいか、心なしか顔色が悪い。

「私は大丈夫です。それより、どうかしましたか?」

「うん、さっきの話の続きをしようかと思って」

来た。

あの話だ。

座るように促す。

「ピアちゃんは、ゴーストが何か知っているのか?バンサーの奴ともめたのも、それが原因だろ?」

さて、どう答えようか。

しばし、考える。

「それは、私も知りたかったからです。何を知っていて、どうやって知ったのか、その情報が欲しくて」

嘘は言っていない。

「ゴーストは、さして俺にとって重要じゃないよ。そう警戒するな」

警戒しない方がどうかしてる。

何故その名前だけが独り歩きしてるんだ。

「偶々、今回の捜査上で上がった単語だから、皆気になってただけだ。それも、この件が終われば気にもしなくなる。ゴーストは実はピアちゃん自身のことだろ?誰にも言うつもりはないから、安心しろ」

どこに安心要素が。

それに特定されてしまったし。

まぁ、いい。

この男が何者かだけは知っておくべきか。

「では、あなたの本名と、偽名を考えた人物を教えて下さい」

名前が判れば、何かのヒントになるかと思うのだが。

「え?何々、俺に興味持った?」

「ええ、興味津々です」

にっこり笑って、言ってやった

て、そこでなんで照れる。

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