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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
自称現実主義者のプチ旅行
93/228

93.

潮騒の音が聞こえる。

体を起こすと、そこはベッド以外何も無い手狭な部屋になっていた。

体が揺れている。

なにも2日酔いだからとかではない。

物理的に揺れているようだ。

まるで漁船にでも乗っているみたいだ。

えらく揺れる。

気絶したその後にでも、船に乗っけられたりしたのだろう。

あの、バンサーやヨモルォスカもこの船に?

あの二人にはまだ聞きたい事がまだある、この船のどこかにいるのだろうか?

探して見つけねば。

どちらにしてもまずは、外に出られるか試してみない事には始まらない。

立ち上がり、そっと扉に近づき外の気配を窺う。

感知できる範囲内には、どうやら誰もいないようだ。

鍵はかかってるだろうけど、一応ドアノブを回して確認してみる。

開いていた。

「……えーと」

あまりの意外さに一瞬呆けてしまった。

気を取り直して、静かに廊下を覗く。

誰もいない。

これは罠か何かなのだろうか?

廊下に出て周りの気配を再度読むと、かすかに感じる。

ドアが並んでいるので、もしかするとその中に誰かがいるのかもしれない。

見つからないよう細心の注意を払って、進んだ。

ここの廊下だけで20m以上はある。

なので、この船の全長は30m以上あると見ていいだろう。

なので、船員もそれなりの人数のはずだ。

いつ遭遇するかも判らないので、気を引き締めにかかる。

そのまま薄暗い廊下を進んでいくと、突き当たりに到達した。

そこにあったのは、急な階段だった。

上と下に行けるようになっている。

とりあえず上を目指す。

音を立てないように慎重に登っていくと、左右に扉がある場所にでた。

扉に近づき、両方の外側の気配を読む。

と、誰かが近づいて来たようだ。

隠れる場所が無いので、急いで靴を脱ぎ一気に階段を飛び降りる。

華麗に3点着地。

さすが私、とかやってる場合じゃない。

目に付いた、一番近場にあった部屋の扉を開けてすかさず体を滑り込ませる。

「ふぅ」

扉にもたれて息をついていたら、前に人がいた。

びっくりされた。

私もびっくりした。

入ってきた体勢のまま、5秒くらい固まってしまった。

「えーと、部屋を間違えてしまったようですね」

ははは。

こういう時は笑って誤魔化す。

「いやー、どうもー、お邪魔しましたー」

うん、こういう時は逃げよう。

そうしよう。

それしかない。

はぁ、着替え中でなくてよかった。

体を回転させ、ドアノブに手をかける。

「待って」

腕を掴まれた。

ですよねー?

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