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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
自称現実主義者の初任務
91/228

91.

引き続きバトルです。

残酷なシーンはありません。

「なに?なぜ、警戒されてるか聞いてもいい?もしかして、あいつに何かされた?」

心配顔のヨモルォスカ。

それでも私は警戒を解かない。

心底困った顔をしている。

ヨモルォスカは敵ではない?

手っ取り早く、敵味方を見分ける為にいくつか英単語を言ってみた。

どれも反応を示さないが、私がゴーストといえば目の動きが微かに動く。

「敵か」

判断したら、私の行動は早かった。

「ちょっと待って、ピアちゃん。そのゴーストというのは!」

蹴りをかわされる。

続けて顎辺りに拳を突き出す。

これもよけられる。

「ピアちゃん何か知っているのか!?」

私の鳩尾あたりに繰り出されたヨモルォスカの拳に、気付かれない様そっと触れ、一拍置いてから腕をぐっと掴んでそのまま奴の体を前に引っ張る。

そのスピードを利用しながら背後に回り、左手に隠し持っていたロープを首に巻こうとする。

が、あっさりかわされ、がら空きになった私の胴に奴の蹴りが入った。

「がっ」

壁にぶつかり息がつまり、1拍分遅れをとる。

それを見てとった相手が1歩近づいた所で、私はその場で右に捻りを入れながら飛び上がり右足で壁を蹴る。

その時に出たスピードと遠心力を利用し、上段からヨモルォスカに蹴りを放った。

だが、そのまま左足首を掴まれ、身動きの取れない状態にされる。

「いいかげんにしろよ。俺は味方だ!」

力強く言い切るヨモルォスカ。

だが、"ゴースト" という単語に反応した時点でアウトだ。

ヨモルォスカは何者?

私を殺すだけなら、いくらでも時間はあった。

それをしなかったのは、なぜだ?

情報?

ここは地球じゃない。

私の持っている情報は、ここでは何の役にも立たない。

地球ではなくても、利益のある知識?

異世界人だから?

いや、違うな。

それなら既に、宗谷親子だけで十分補える。

「ともかく落ち着け、このまま降ろすから」

相手の顔をじっと見る。

ひとつの可能性に思い至る。

もしこの目の前の男が、同じ地球人だったら?

ああそうだ、何故その事に気が付かなかった。

異世界人が極端に少ないだけであって、ここには私や宗谷英規だけしかいないとは限らないじゃないか。

目の前にいる男が、そうであっても不思議ではない。

それに、ここに来た当初、ファインさんに口外無用と釘まで刺されている。

ヨモルォスカも同じだろう。

何よりも、発音が全く違うが、間違いなく"ヨモルォスカ"はロシア語だ。

改めてじっと見る。

ヨモルォスカには今のところ敵意が無い、害意もない。

それはよく判る。

だが味方だとも言い切れない。

「うぅ」

バンサーの呻き声が牢屋に響く。

「たく、このおっさんは」

そう言って、ヨモルォスカがバンサーを振り返る。

おっさんというが、恐らく私とさして年齢は変わるまい。

「で、ピアちゃん。ゴーストってなんなんだ?何故こちらに攻撃してきたんだ」

私は困惑した。

本当に何も知らないのか?

それともその名のごとく、喜劇のように面白おかしく演じてでもいるのだろうか?

本当に判らなくなった。


ヨモルォスカを検索しても多分出てきません。

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