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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
自称現実主義者の初任務
81/228

81.

取り敢えず酒。

で頭がいっぱいになった所で、そろそろ行く事を副団長に伝える。

「一応アイオンに資料等を渡している。必要なら見てもらって構わない。1ウェジェ(時間)後に主要隊員を集めての最終調整に入る」

「了解です」

「ルイ、本当に巻き込んですまない」

副団長が改めて謝る。

「もう何度も聞きましたよ。そう思うなら、いいお酒奢って下さい」

「……分かった」

腑に落ちなさそうな表情だが、私は言質を得たので上機嫌だ。

思わず任務後の飲み会に思いを馳せる。

エウェジーク、アナエイ、何でも来い。

「では、失礼します」

そう言い、部屋を出て行く。

外に出るとヴォイドとアイオン先輩が廊下で待っていた。

「おう、遅かったな」

アイオン先輩が声をかけてきた。

「お待たせしてしまいすみません。副団長から今回の任務内容の説明を受けていました」

「そうか、1時間後にブリーフィングが行われるからな。他何か質問あったら受け付けるぞ」

ブリーフィングかぁ。

うーん。

まぁ、取り敢えずそれまでに何とか状況を把握するか。

「あ、その事ですが、副団長より資料の閲覧許可が下りたので、見せていただいても?」

「ああ、そっちを見る方が早いか。用意するよ。下の説明室が今空きだから、そこで見るか?」

「はい、よろしくお願いします。ちなみに作戦会議室ってどこですか?」

アイオン先輩によるとどうやら、副団長室の階の一番端にある様だ。

先輩が手でその方向を指し示す。

あそこか。

「資料を見終わったら、ブ……えーと、ヴォイドに案内してもらえ。俺は、準備があるから、作戦会議室に先に行ってる」

「ああ、お忙しい所すみません」

と私は頭を下げた。

「いや、構わない。それより他何も質問とかないか?」

「いえ、資料が見られるのなら何とか」

「そうか、なら下の説明室、この間入団説明会があった場所あるだろう?そこに居てくれ。空いてるから。すぐに準備して持って行く」

そう言って、アイオン先輩が去って行った。

階下の説明室に入ると、当たり前だが誰もいなかった。

どうやら、この間の説明会の時のままのようだ。

椅子がそのまま残っている。

「ルイは……」

中に入ってすぐに、今日はやたらと口が重いヴォイドが、話し出す。

「ルイは、本当にするつもりですか?」

何かを堪える様な顔をする、ヴォイド。

「まぁ、覚悟決めたしね」

と私が答えると、必死な表情になる。

「俺が……いえ他の誰かが反対したとしてもですか?」

「気持ちは嬉しいけど、どうやら決定は覆らないそうだよ」

何しろ副団長でも、駄目だったみたいだし。

「しか……」

ヴォイドが続けて何かを言おうとした所で、先輩が勢いよく入ってくる。

仕事早いな、先輩。

私はそこらにあった椅子を机代わりにする為、適当に整えた。

整え終わると、先輩が資料を置き、分類をし始める。

「こっちが元締めの情報関連。で、こっちが闇競り関連。こっちが参加者関連の情報だな。レイが特に見ておいた方がいいのは、こっち。化けてもらう相手の生い立ち関連だ」

こちらが把握したのが判ったのか、満足げに頷く。

「 1時間後になったら、作戦室まで来てくれ。じゃ、俺は準備があるからそろそろ行くわ 」

「あ、はい。ありがとうございました」

アイオン先輩が去った後、部屋に沈黙が落ちる。

その沈黙を破ったのは、ヴォイドだ。

「今回、俺はこの作戦から外されました。なので、作戦がどういった物なのか判らない。だが、作戦中は恐らくルイ一人になります。誰も守れない。それでもやると?」

コクリと頷く。

一度決めたことは、やり遂げますよ。

「俺が何を言っても、ダメなのだろうな。俺は……俺はルイのこ」

ヴォイドが何かを言おうとした所で、ばたんと扉が開く。

「ヴォイド、悪い、今すぐ来てくれないか?悪いなレイ、ヴォイド借りるぞ。1時間後にこいつ返すから」

アイオン先輩が入るやいなや、ヴォイドを連れ去った。

その時のヴォイドの顔が、とても印象的だった。

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