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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
自称現実主義者の初任務
80/228

80.

R15周辺です。

「ルイ」

そう言いながら私の腕を引き、壁際に身体を押し付けキスをし始める。

あまりの事に思考が追い付いていない。

「……ちょ、ま、はぁ、あっ」

いっそう深くなるキスに、目の前がちかちかする。

呼吸が苦しくなってきたところで、唇が離れる。

「あ、はぁ、な、なぜ……」

なぜこんなことをと問おうとしたら、今度は首筋にキスを落とされた。

「ゃっ、ちょそこは」

堪らず逃れようと暴れたが、残念なことに両腕は副団長にホールドアップされている。

片手なのにびくともしない。

逆に刺激をしてしまったようで、残りの手が腰に回されグッと引き寄せられる。

ぶつかる腰と腰。

「ゃ、そ、それい」

それ以上はと言いかけた所で、再び唇をキスに塞がれ続きを言えない。

先ほどより深い口付けに、思わず声が漏れる。

「んぁ」

鼻から抜けたような声が卑猥に響き、更に激しさが増す。

息ができなくなって、意識が飛びそうになった時、ようやく解放された。

「ぁ、はぁ、んく、はぁ、はぁ」

苦しくて自分の目が潤んでいるのが判る。

「……ルイ」

艶っぽい副団長の掠れた声が、頭に響く。

思わず顔を見ると、途端切なげに顔を歪め、そのまま私を抱きすくめた。

「……ルイ、すまない……」

私の肩に顔を埋めながら小さく呟いたその声が、あまりに 悲痛だったので私は何も言えなくなった。

背に回った熱を帯びた手が、僅かに震えている。

「すまない」

そう言ったっきり、副団長は動かなくなってしまった。

何故いきなり?

とか、何に対しての謝罪か?

とか、ぐるぐる頭の中を駆け巡る。

ただはっきりと判るのは、この震えた手がそれ以上何もするつもりがないということだけ。

紳士なのか何なのか……

「ルイ」

耳元であまりにも色っぽい声で私の名を呼ぶものだから、 思わず体が跳ね上がった。

抱きしめる力が強まる。

「何故、何故何も言わない」

ああ、そうか。

責めてほしいのか。

今までの副団長の突発的な一連の行動が、すとんと腑に落ちた。

なんて不器用な。

とりあえず、背中をなでる。

この心配性で不器用な友人に、なんて声をかけようかと悩みながら。

で、背中を撫でたら、びくってされてしまった。

その勢いで、私の後頭部が壁にぶつかる。

「だっ」

「す、すまん」

いや、別にいいんだけど。

ようやく自由になった体を副団長から離す。

「あのねぇ。こういう事をして、嫌われて責めて欲しいってのはよく判った。任務に付随する事柄に対する矛先を自分に向けたいってのも。でもね、生憎とこんな事位で、副団長を責めたり嫌ったり出来ない性格なんだよね」

そう言って、顔を見れば目を泳がせている。

図星か。

というか、もうキスぐらいでどうこう騒ぐ歳ではないというのが、約80%の理由でで残りは、いや90%越えてるわ……

考えてて凹んだ。

「約束してよ。終わったらさ、飲み会するって。みんな集めてさパーってやっちゃわない?やっぱり鬱な任務の後は美味しい酒だよね」

副団長の顔がみるみる内に、驚いた表情になる。

何よ?

文句ある?

て顔したら、おもいっきり頭を撫でられた。

いい歳して頭撫でられるとか、どうなんだろうな。

フフフ、飲み会。

宴会。

いいお酒。

本当にすみません。

いや、まぁ、ちょっと色々やってしまった感が…

このままごっそり、お気に入りから外されそうな予感が…

それでもなお、お気に入り(作者・作品)に登録して下さる方がいて、大変うれしいです。

励みに頑張ります。

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