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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)と引っ越しと愉快な同居人
64/228

64.

私が、受験者に紛れて副団長と面談しようとしたのには、少しだけ訳がある。

まず、先触を出してこちらに来たのはいいけれど、ここは受験者で一杯だった。

そのような時に、順番を抜かしてまで副団長と会うのはいかがなものか?と思った事。

後、これ以上目立ちたくないというのが本音だ。

だから、受験者に紛れた。

要するに、変な諍いを起こす火種にはなりたくないという考え(保身)のもとでの行動です、はい。

ただでさえ爆弾抱えてるし。

私。

「次42番、入れ」

中から呼ばれたので、さっさと中に入る。

中には、副団長がやはりいた。

「……ルイか。42番はどうした?それからヴォイドは?」

「42番は私。ヴォイドは43番です」

副団長がこめかみを押さえてる。

「先触出してるんだから、わざわざ受付を通らなくてもよかったんだぞ?」

呆れた顔をして副団長が言う。

なので、何故紛れていたのか説明した。

「ああ、昨日の件か……何というか、ルイ、気にするなと言っても気にすると思うが、団長はああいう人なんだ。恐らく本気で気づいていないと思う。許してほしい」

申し訳なさそうに言う副団長。

なんか若干、憐れまれた?

そこ、頼むから憐れむな。

「や、俺は女性にしか見えなかったぞ?」

そんな言い訳いらん。

それから胸見るな。

今は潰してるの。

潰さなくても判らないとか思っても言わないで。

これでも、さらし巻いた時かろうじて谷間出来たんだって。

本当だって。

信じて。

「勿論だ。酒を呷る様に飲んだ時や、大立回りをしていた時はもしやと思ったが、外見は完全に女性にしか見えなかった。本当だぞ」

つまり中身は男だと?

う、否定できない。

最近オヤジ化してるし。

このままではまずい?

団長は、実技の時のレイの印象が強すぎて、夜会の琉生の姿が女装にしか見えなかったんだろう。

と、副団長が弁明する。

いや、そんなに必死に言い訳されると、本当に傷つくんだけど……

まぁ、女が騎士を目指してるというのはどうやらここでは常識外らしいし、常識的に考えてレイを男と見做したという事で自身を落ち着かせてみた。

この固定観念が団長の根底にある限り、どんな格好をしても琉生はレイに見られるという事なんだろうなと納得させる。

でもまぁ、理由がどうあれ、やっぱり皆の前で3回も言う事はないよね?

てことで、ちょっと意地を通させてもらいます。

「ええ、気にしていませんとも。団長の前では望み通り、男でいる事に決めました。ええ。女のカッコの時は女装男で通します。はい」

副団長にニッコリ笑う。

「う、うむ。いや、まぁ、騎士団に入ると言うなら、団長の前だけと言わず普段から男の為りをしておくべきだが……」

え?その言い方ってもしかして。

「合格でいいの?」

と、聞いたら、おもいっきり呆れられた。

「あのなぁ、昨日団長が入団認めてただろうが。お前も受諾していただろ?酔ってて記憶が飛んでるんじゃないのか?」

あっ、そういえば……!

団長にそんなことを言われた様な言われていない様な。

「という事は、合格だから面談通知来なかった、って事でいいの?」

「ああ。昨日の功労で、面談免除ってとこだろう」

なるほど。

だけど、功労って……

私ほぼ何もしてないし、人質になってただけなんだけど。

むしろ、王様とか団長とかキョウキーニさんとかが、嬉々として敵と相対していた様な。

「ヴォイドに通知が来なかったのも、そう?」

「あいつはもう騎士で、近衛に所属している。本来試験を受ける必要はないんだが、自発的に試験を受けに来ていて、ルイの側にいるのなら受験者になってもらった方が手っ取り早いんでな、申し訳ないが一緒に受けてもらったんだ。偽装なので通知は必要ないだろう?」

「実際に通知が来ると思ったみたいだよ?」

副団長が、あちゃーという顔をしている。

「まぁ、ヴォイドは真面目だから、次の番だしフォロー入れておくといいよ」

「そうだな」

それから、副団長に今後の立場の確認をした。

すると、以下のような回答を得た。

これからはレイとして、研修訓練に参加する事。

途中脱落すれば、入団できない事。

その後脱落せず、騎士として入団出来た場合、在籍中は、女であることを極力隠す事。

もし、女だとばれて収拾のつかない事態となった時は、除隊となる可能性もある事。

「その辺りは、その時の事情や状況も加味する。後、ばれないように出来るだけ協力しよう。何かあれば、すぐに相談するように」

「解りました。ありがとうございます。よろしくお願いします」

そういってから、頭を下げ部屋を出た。


これで大体の方針が決まった。

明日から頑張ろう、私

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