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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)と引っ越しと愉快な同居人
63/228

63.

風呂に入って朝食を食べ終えた私は、しばらくその場でボーっとしていた。

今まで試験対策の為に行動していたので、終わっしまった今は特にする事がないのだ。

なので、今後の事について考える。

足場を固める為に、就職をしようと思い立ち運よく入隊試験を受ける事が出来た。

そこまでは良かった。

何か政治的な事に巻き込まれた時用に、IDを2つ持つことにも成功した。

ここまでも良かった。

だけど、夜会の時に団長の女装発言で、レイと琉生が同一人物であるという事がばれた。

この王宮にいる間は、どうやらレイとして過ごす事を余儀なくされそうだ。

私が女であることを知っているのは、今のところ副団長・ヴォイド・ナリアッテ・宗谷英規の4名。

完全に男と思っているのが、団長とキョウキーニ殿下。

ファインさん・アリオイエさん・アイオン先輩・キースについては保留。

おのれ。

返す返すも腹が立つ。

団長め。

何もあんな公の場で言わなくてもいいじゃないか。

ただでさえ声が通るのに。

はぁ、過去が修正されるはずもないので、取り敢えず前向きにいこう。

だけど、いつかぎゃふんと言わせてやる。

さて、今後の事を考える為、副団長に相談しなきゃならない事がある事に気づいた。

今日はそれを片付けよう。

外で待機していたヴォイドを呼んで、今から副団長に会う事を伝える。

ヴォイドが誰かに言伝を頼み、先触を出してくれた。

副団長からOKの返事が返ってきたので、今から向かう事にする。

王宮から西に向かい、しばらく歩くと練兵場が見えてくる。

練兵場では、訓練が始まっていて剣戟の音が聞こえきた。

この音を聞いても、違和感を覚えなくなってきたあたり、この国にも慣れたんだなぁとしみじみ思う。

まぁ、もともと順応性だけが売りの所があるし、私。

練兵場を抜けると、士官宿舎か何かが集まっている場所に出る。

確かその奥に副団長の執務室がある建物があったはずだ。

その建物の3階だったはず。

迷わず中に入っていく。

すると、人が大勢いた。

おや?何かイベントでもあるのかな?

と思ってヴォイドに言うと、はっとしていた。

「忘れていましたが、今日受験者面談の日です」

私もハッとした。

一旦私とヴォイドは外に出て話す。

「そういえば、あったねそういうの。でも連絡なかったよね?確か剣技合格者のみ通知し、面談を行うという話だったよね」

「すみません、すっかり忘れていました。確かに連絡はありませんでしたね?」

ヴォイドが恐縮しながら言う。

「もしかして、私たち落ちた?」

「それは、少しショックです」

沈むヴォイド。

よし、これは直接聞かねば。

という事で、他の受験者に紛れることにした。

中に入ると、やはり受付があり、そこで受付をすませる。

受け付けが少し不思議そうな顔をしたのが気になったが、取り敢えず番号札をもらう。

順番はどうやら先着順らしい。

それから面談は3階であるらしい。

ってことは面談者、副団長の可能性大。

因みに団長は、王宮にいる事が多い。

勿論ナリアッテ情報。

私が42番でヴォイドが43番。

最後尾に並んで大人しく順番を待っていた。

ヴォイドが沈んでいるので、きっと手違いだよとフォローを言ってみた。

どうもヴォイドは、浮上するのに時間がかかるらしい。

しばらく放置しようと決め、ボーっとしてると41番目の人が話しかけてきた。

「あんた、昨日の16番だろ?」

人懐っこそうな顔で尋ねてくる。

「え?あぁ、そうだけど?」

「俺、ジョアーグってんだけど、昨日あんたの試合面白かった」

「ああ、レイだ。よろしく」

と言って手を差し出す。

相手が手を握ってきた。

「で、こっちがアンヴォイド」

あ、今更だけど本名でよかったんだろうか?

まぁいいや。

ヴォイドとジョアーグが握手を交わす。

「あんたら二人強いなぁ。特にアンヴォイド。昨日の試合凄かったよ。世の中には上には上がいるんだって改めて思い知った。試験終わったら話しかけようと思ったんだけど、すでにいなくてさ」

え?ヴォイドの試合そんなに凄かったの?

うわ、見たかった。

昨日はキのつくジャンキー殿下に邪魔されて、見れなかったし。

おのれ。

「それは悪い事をしたな」

それから順番が回って来るまで、話を聞いていた。

ジョアーグは、城下町で粉挽き屋を営んでいる次男坊だそうだ。

一生を粉を挽くだけの人生で終わりたくなくて、今回の応募となったわけだ。

おおー、若人大志を抱いてるね。

いいねぇ。

剣の手ほどきは、町の騎士崩れのおじさんに教わっていたとか。

中々自信があったが、団長や私たちを見て世間の広さを思い知ったらしい。

そんなジョアーグ16歳。

若い。

そうなのだ、受験生の大半が10代。

お肌ぴちぴち。

一瞬年齢制限があるのかと思ったが、あそこにいらっしゃる30代風の人もいるから、年齢で弾く事はないのだろう。

色んな事を話している内に、3階にたどり着きジョアーグの順番が回って来る。

緊張していたので、"やる気のある人材が欲しいはずなので、団長と剣を合わせる事ができたなら、はじかれる事はないはず"と言ったら、頑張ると言って中に入っていった。

5分くらいしたら中から出てきて、受かったといっていた。

どうやらその場で合否を言い渡すみたいだ。


さて、次は私の番

次回面談。



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