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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)と何とか会
62/228

62.

ジョギングから帰って来ると、ナリアッテが待ち構えていた。

物凄くいい笑顔を、伴って。

「ルイ様に朗報です。先程のサロンの件なのですが」

「サロン?」

そんな話してたっけ。

「はい。レイ様にサロンデビューしていただこうかと。どうせするなら効果的な人物が揃ってからの方がいいだろう、という話にル・レイ会でなったのです」

「ル・レイ会?この間の何とか会とはまた別なのか?」

ヴォイドが独り言を呟く。

ふむ、ヴォイドは何とか会を知っていたようだ。

何故知っている。

何気に関心を示している様だが、ヴォイドよ悪い事は言わない、あまり関わらない方がいい。

それにしても、効果的な人物ねぇ?

レイの人物像を本格的に固めるのに、有効な人間かぁ。

現在城内に流れている噂を本物にすり替えるだけの、影響力と発言力がある者。

となると、それなりの地位がある人物。

かつ、真昼間からサロンに顔を出せる時間的余裕のある者。

官僚・軍人は忙しそうなので除外だし。

てことは、ニートかリタイアかリクルートかってところ?

うーん。

噂好きなら女性かな?

暇そうな女性なら、どんな人でもサロンとやらに顔を出しそうだ。

「ナリアッテ、どんな人物?」

「ルイ様。この王城に住まう限り、早かれ遅かれ必ずお会いする方です。会っておいて損はございませんわ。その方の心さえ掴めば、随分と王宮生活が楽になりますわよ」

つまり、機嫌を損なえば恐ろしい事態になると。

ますます会いたくなくなってきた。

「ロイミオ王女殿下には、一度お会いするべきです」

う、表情を読まれた。

先手打たれた。

そんな第一級セレブ群に属するような人とは会いたくない。

王様?

いや、彼とはなんだか飲み友達になれそうな……

いやいや、恐れ多い。

いやいやいや、まず係わり合いになるべきではない第一級重要人物だし。

「サロンに行けば、お会いする機会もありますし。ただ、今はウェイルア学院におられるので、サロンデビューは殿下が戻られてから、と考えております」

ウェイルア学院とは、団長も通っていたエリート養成セレブ学院だ。

セレブ学院と言うのは少し語弊があるが。

この学院は、一般民の受け入れも行っており、10%は平民であると聞いた。

さらに、人材確保の為、各国から援助資金が出ており、この学園の教育費はほぼ無償だ。

つまり、かなり家計に優しい教育機関なのである。

それでも平民の入学率が悪いのは、セレブと平民の間に横たわる、教育に対する意識格差によるものだ。

幼少期から専属教師に教育を施され、この学院を目指すセレブリティーと、勉強する位なら働けと、物心つく頃から教育される平民。

教育に対する考え方が180度違う。

この格差が、この10%という数字に現れているのだろう。

とはいえ、王族だろうと何だろうと水準を満たない者は容赦なく落とすのが、完全実力主義のこの学院のモットーらしい。

過去この学院に入学・進学できなかった王族・貴族は枚挙に遑がない。

とまぁ、そんな学院に通う王女様は、時々王や王太子に会いに来るらしい。

結構自由?

それにしても、王女ってそんなに気軽に会えるものなのかな?

「ええ、王宮内に限りますが、結構簡単にお見かけする事が出来ますよ。よくサロンに出入りしたり、お茶会のお誘いがあれば、よく顔を出されますし。陛下と性格がよく似てらして、楽しい事が何よりお好きな方ですわ」

うわー、玩具にされそうだな。

ナリアッテとは気が合いそう。

「ちなみにル・レイ会のメンバーでもあります」

なんですと!?

玩具にされそうではなく、確実に玩具ではないか。

恐るべし、ル・レイ会。

この企画に噛んでる人の名簿一覧が欲しくなってきたよ。

ハはははは。


そういえば、朝食がまだなんだった。

取り敢えず、ごはん食べよう。

うん。




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