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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)が夜会デビュー
38/228

38.

何とかあの場を抜け出し、琉生に戻るべくあのファンタジー部屋に向かった。

部屋の扉を開けると、ナリアッテが出迎えてくれた。

ああ、癒しの笑顔。

でも心なしか、いつもの1.2倍増しな感じがする。

完璧な笑顔だ。

何でかな?すぐに回れ右をしたくなったのは。

「お帰りなさいませ。軽めの昼食をご用意していますわ」

ナリアッテが笑顔と共に言う。

「あ、ありがとう、ナリアッテ」

引きつりながらも、にっこりと笑顔を返す。

「では、こちらへどうぞ」

完璧な笑顔を保ちながら、案内するナリアッテ。

う、この後起る出来事が、だんだんと恐ろしくなってきた。

「そうだ、ナリアッテはきちんと朝食と昼食を食べたの?」

私は知っている。

結構ナリアッテが仕事の鬼だと言う事を。

たまに食べずに済ましているのを知っているので、時々聞いておかないといけない。

食べていない時には、無理やり食わす。

返事を聞くと、どうやら今日は食べたらしい。

ホッとする。

でもこの仕事の鬼は、この後の仕事も容赦せず完璧に遂行するだろう。

完遂された暁には、きっと魂の抜けた自分がいるに違いない。

ちょっと涙目になった事は許して欲しい。

そんなこんなで昼食を済ませて、一息ついてると、先程出迎えた時のさらに1.2倍の笑顔を振りまきながらナリアッテは私と向かい合った。

「では、ルイ様。始めましょうか?」

それを合図に、待ってましたとばかりに集まって来る侍女さんズ。

この間のように逃げたりはしないけれど、少しばかり気圧されて一歩後ずさった私に罪はないはず。

その気迫、団長並。

それから私は、侍女さんズにいじくり倒された。

風呂に入って磨かれまくって、オイル塗られて90分。

着付けに80分と髪を纏めるのに45分。

メイクは私が10分弱で行い、トータル時間はおおよそ3時間45分。

昼を食べ終わったのが15時20分位だったので、今は19時5分。

夜会が20時位から開始なので、今の時間は結構ぎりぎりという事になる。

よかった、メイクを自分でしておいて。

ええ、普段5分もかけませんから。

今日だけ特別仕様の7分コース。

やはり、正装ともなると、準備に時間がかかるなぁ。

しかも今日は国王主催ともあってか、色々しきたりに則ったドレスだ。

着付けに時間がかかった事かかった事。

一息をついてから、気合を入れ直してパウダールームを出る。

出たら、ナリアッテと目があった。

「やはり、ルイ様にはそのドレスの色がよくお似合いです。お勧めして良かったですわ」

どうも、こういう手の褒め言葉は苦手だ。

どう返していいか、判らなくなる。

取り敢えず笑っとくか。

「ああ、又笑って誤魔化して」

それから、ナリアッテに説教された。

半分聞き流しながら、どうやって止めようか考えていたら、ノックがなった。

説教がやんだ。

ほっ。

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