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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)の入団試験
29/228

29.

入団テストは、騎士団の訓練所で行われるようだ。

場所は事前に教えてもらっていた通りだったので、迷わずに行けた。

いつもならヴォイドがついてきたりするが、今日はこの世界に来て初めて1人で歩いている。

恐らく今の行動が、レイ=タダノ=オカシズキー=ド=ジャポンとしての行動だからかな?と思ったりする。

少し感慨深い。

取り敢えず、入団テストの受付で書類を渡そうとすると、相手がえ?というような顔をした。

あれ?受付場所間違い?

と思い思わず周りを見るが、ここで合ってるはずだ。

相手の顔を見ると、朝ジョギングの時にたまに見かける人だった。

実は、今日も会った。

考えてみたら、隊服着てたんだよね、私。

あらら。

「詳細は、副団長にお問い合わせ下さい」

と、言ってみる。

社会人の必須裏技No.3、丸投げ。

こういう時って、組織の命令系統がしっかりしてる所は楽でいい。

隊長~後はよろしくねっと。

無事受付も済まし、待合所で説明があるまで待機していると、ヴォイドっぽい人物が側に来た。

思わず見上げる。

「・・・・・」

別人のような雰囲気だし、若干髪色がくすんだ金になって髪型もいつもと違うが、いや顔もよく見れば何となく違う様な気もするが、どこがといわれると困るし、よく見ないと判らないが、ヴォイドだ。

変装しているのだから、声はかけない方がいいのだろうか?

初対面の振りをするべきか、せざるべきか悩みどころだ。

う~ん。

「で?ここで何をしてるの?」

結局声をかけてしまった。

「貴方の護衛に」

「変装してまで?」

「……。ええ、まぁ」

何だか歯切れが悪いな。

とりあえずここまでの流れを聞いてみた。

曰く、やはり護衛は必要だろうと思い、これからの事を考えると自分も再度一般で試験をうけ、潜入する事に。

顔を知っているのは、結局同期と上層部等関係者だけらしいので、普通にしていても問題ない。

との事だ。

変装は念のためらしい。

今の髪型も髪色も似合っていると思う。

より自然になった?

ま、細かい事は気にしても仕方がないので、テストの事に意識を戻すとして、どうやらそろそろ始まるらしい。

微妙に緊張。

「今から健康状態のチェックと基礎体力を測る」

健康状態のチェックは、既往歴(きおうれき)の問診記入と診察だけだった。

血を取ったりしないのはありがたいが、ここの医療水準をちょっと疑う。

かといって、詳細を調べられても困るけど。

血液型が存在しませんとかだったら、人外扱い決定だし。

まぁ、服とか脱がないことは知っていたから、採血以外は何も心配していなかったが……。

で、基礎体力は単純に私がいつも走っているコースを1周する事。

脱落者は問答無用で落とされる。

後、遅すぎるのも問題外らしいが、タイムは重要視しないそうだ。

といっても、やっぱり競争するのが人の心理というもので、皆飛ばす飛ばす。

おお、ちょっとしたマラソン大会っぽいな。

私は自分のペースを判っているので、それほど飛ばさない。

いつもよりちょっと早めのタイムで走ってるくらい。

ああこの池はいつ見ても綺麗だなぁ。

ここから眺める景色が本当にいい。

木々の合間から漏れる光が水面に反射してとても美しい。

本当、いつ見ても飽きません。

だけど、今日はいつもこの辺りで落としているスピードを落とさなかった。

そのままのペースを維持し、いつもよりかなり早くゴール地点に到着。

ヴォイドが遅れてゴール。

なんだか信じられないという目でこちらを見てる。

あ、いつもゆっくり走ってたのばれたかな?

まぁ、気にしたら負けって事で、苦情は受け付けません。

「ゴールしたら、名前を記入する事」

と言われたので、記入しに行く。

どうやらこれが、明日の試験順になるらしい。

私は16番目でヴォイドが17番目にテストを受ける事になった。

結局その日はそのまま解散となり、あのファンタジー部屋に帰る事にした。

ヴォイドの視線が痛い。

いや、あそこでいつもペース落としてたのは景色見る為だからね?

と心の中で言い訳してみた。




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