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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)の就職活動?
23/228

23.

昨日はあの後、すぐに寝た。

何も考えずにベッドに倒れ込んだら、すぐに眠りに就いた。

いい感じに酔いも回っていたし、眠りも早かったのだろう。

酔っていても、いつもどおりの時間に起きられる私の体は素晴らしい。

そういえば、夢を見た。

妙な夢だった。

突然男がやって来て、開口一番に謝られたのだ。

謝られる理由がないから頭を上げてくれと言っても、謝り倒された。

ひたすら謝り続けるこの男、名前をジオイ……なんだっけ?

まぁ、ジオでいいや。

で、なんで謝っているのか?と聞くと、

「君を元に戻せないかもしれないからだ」

との事だ。

思わず、顔が引きつった。

ジオの話によると、落雷のエネルギーを利用した、省エネ転送法を使って、宗谷英規だけをここに送る予定だったのだという。

だが予想外な事にその時間は雨が降っており、ちょうど宗谷英規の後ろを走行中の私の車が側撃雷をうけ、一時的に極の役割を果した為転送フィールドが広がったとの事。

ちょっと待て。

雷と雨はたいていセットじゃないか?

予想外でもなんでもないだろう。

で、宗谷英規本体と宗谷英規周辺の物を送りこむ為、設定質量を余裕を持って140Kgに設定していたら、60Kg程余っていて転送フィールド内にいた私と私の荷物がこちら側に送られていたそうな。

もし60Kgを超えていたら、イレギュラーな存在である私の体か鞄が削られていたかもしれないと、案外ホラーな話をにこやかに話してくれた。

で元の場所にはやはり戻れないのかと聞いたら、判らないという。

戻れたとしたら、時間はかなりずれるとの事だ。

10年から100年位。

マーキング済みの宗谷英規は時間もジャストで戻れるが、イレギュラーには無理だそうな。

「やっぱり、そういう落ちか」

と、思わず呟いてしまった。

ジオは申し訳なさそうに、詫びにオプションを付けておいたとのたまう。

なんだよオプションって。

今ならシートは革張りでって、車か私は。

う、なんだか厭な予感がする。

「運気上昇と、あらゆる生物に好かれる性質をつけておいた」

なんだか得意げだ。

イラっとくるのは私だけか?

それより待て!

なんだ?その、あらゆる生物に好かれるというのは……

何か?私は、つちのこから果てはゴキブリに至るまで好かれ倒すというのか?

私の歩く後ろから、ぞろぞろ湧いて来るつちのことゴキブリ。

おぞましすぎて、夜も眠れん。

ハーメルンも裸足で逃げ出すわ!

「いらん!そんな性質!ていうか、お前か。キースや隊長やアークオーエンさんをあんなおかしな状態にしたのは……頼むから元に戻せ。いえ、戻して下さい。お願いします」

と、頭を下げて懇願した。

「えー?変わってるな。確変モテ期最強状態、又の名を"俺の(My)ターン"なのに喜ばないって、枯れてるとか言われない?」

「と・に・か・く、元に戻せ!」

冗談じゃない、あの状態の隊長たちを見続けるのは勘弁してほしい。

私は目立たず、おとなしく日々過ごすことを望んでいる。

「まぁ、元に戻せというのなら、元の状態に戻すけど。俺ならそのままにするけどな。ビバ!ハーレム!」

いや、男じゃないからハーレムはいらない。

というか、元に戻るなら何でもいい。

「じゃあ、オプション他に希望とかあるか?」

「ない」

「え~?ここは、考えうるあらゆる能力を言う場面じゃないのか?」

「な・い」

「……。よし、決めた。じゃあ、加護をやろう。君にここにおけるあらゆる祝福と加護を。ちなみに拒否は不可だ」

なんだか微妙なオプションだ。

まるで玄関先で押し売りされている様な気が……

副作用とかあったら嫌だな。

とか思っていると、朝の6時になったのか目が覚めた。

変な夢だ。

希望も何もあったものじゃない。

すると、左手に小さく痛みが走った。

何だ?と思っていると、一瞬模様が浮かんですぐに消えた。

もう一度見たが、そこには何にもなかった。

窓から風が入る。

風に乗って、小さく声が聞こえたような気がした。


『君に加護と祝福を。行く先に幸多からんことを』


何だか知らないが殴ってやりたい衝動にかられた。

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