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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
自称現実主義者、従騎士になる
222/228

222.

先ほどまで訓練していた所まで来る。

着くと、徐にホーク教官が口を開く。

「先程も言ったが、攻撃しようと思うから隙がうまれるんだ。いつも通りの服なら攻勢に出ても問題はない。だが、その衣装の時は重さがありすぎて動きが鈍る。もし攻撃が必要となるのなら、その事を忘れずに動く事だ」

正しくホーク教官の言う通りで、この間の夜会のように敵に不意打ちするというのならともかく、任務中はこちらへの初撃は全てにおいて受け身となる。

もし襲撃されたとして、味方が劣勢になっていたり、囮になる必要がある場合は、私が敵を引き付けなければならない。

その時に身動きできないのでは、非常に問題となるだろう。

この10日間で、ドレスを着ても何とか様になる位にはならないとまずい。

「じゃあ、始めるぞ」

先程までの教官の攻撃は、上段からの袈裟斬りが多かったが今回は突きから入ってきた。

教官がしてやったりと笑う。

自分は少し油断してしまった為、その時大きく体のバランスを崩してしまった。

咄嗟に教官の右腕を右脇に挟み、それを支えに体を立て直しつつ教官の前方向に腕を強く引く。

「んん?うぉっ!」

教官の体勢を崩せたようなので、彼の背中を両手で押し込み離脱を図る。

隙あらば、回し蹴りをして……

って、隙なんかないし。

とりあえず距離を少し置く。

ホーク教官が、今度はこちらに向けて下段からの攻撃を仕掛けてきた。

それは何とかうまくかわし、がら空きになったホーク教官の懐に入ろうと前傾になり走り寄る。

「レイっ!その…勢は駄目…よ!」

ん?

ジェイが何か言ってるみたいだけど、風の音に消されて何を言っているのか解らない。

風が強くなってきたようだ。

「え?ちょ、待て、え?」

教官の様子が少し変だが、構わず懐に入る。

勢いを保ったまま、鳩尾にと思ったら避けられた。

ちっ。

少し隙があるようなので、左回転の回し蹴りをする。

「うぇっ。ヤベっ」

油断していたのか、避けるのがギリギリだ。

回転の勢いがおさまらずドレスのスカートが足に巻き付く。

このままおさまるのを待っていれば、教官からの攻撃が来るのは自明の理。

それは避けたかったので、スカートの裾を無理矢理捲る。

あ、捲りすぎた。

「レイ!だ……って足…しちゃ!」

ジェイの声が遠い。

それより、どう教官を攻撃をしようか……

うーん。

再度前傾になり、近づいて肘で教官の顎を狙ってみようか。

よしっ。

走る為の溜めを作る。

「うわあ、レイ!」

「どう………だ?」

「おい、外野!うるさいぞ!て、おい!?」

「な!?」

「な…で……見してんだよ!て、レイ!?」

「え?うわっ!やめっ。よせっ、ちょ、駄目だ!」

教官が、片腕を顔の前にやりかばっている。

え?何してるの?

勢いを殺せず、もろにホーク教官の顎にアッパーが入った。

手が痛い……

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