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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)の就職活動?
20/228

20.

濃いな~。

いや、別にいつの間にかいなくなっていた、この城のメイドさん達の事ではなく、今のメイク。

文句言ったら怒られそうなので、今回は黙っておくが、次回からメイクは絶対自分でします。

ええ。

「ルイ、とても奇麗ですわ」

と、こちらがみとれるぐらい奇麗な笑顔で言われても……

複雑だな~。

「ナリアッテ、お世辞でも嬉しいよ」

とりあえず、笑って社交辞令を返しておく。

「お「それよりナリアッテ」ませんのに……」

ん?

何かをナリアッテが言いかけていたが、私の声とかぶってよく聞こえなかった。

「ごめん、かぶった」

「いいえ、構いません。それよりどうかされましたか?」

「あ、夕食っていつぐらいなのかな?と思って」

窓を見ると、今丁度夕日が沈みそうになっている。

夕食の時間には早い気がして、聞いてみた。

「思ったよりも、御支度が早う御座いましたので、少し時間が余ってしまった様ですね。お茶を淹れて参りますので、しばらくこちらでお寛ぎください。時間がくれば迎えの者も参りますので」

そう言って、ナリアッテは部屋を出て行った。

1人残された私。

する事がないので、メイク直しがしたくなる。

いやいや、結構張り切ってやってくれたのに直すわけには、あーでも仕上がりがイマイチだし。

いやいや、ここではこのメイク法が主流なのかもしれないし、あーでもすれ違った人にこんなメイクの人いなかったし。

いやいや……

で、結局少しいじる事にした。

で、やりすぎた。

フルでメイクをし直してしまった。

常備しているメイク落としを見ていたら、自動的にメイク落としてた。

ビバ、拭くだけメイク落とし(携帯用)。

フルメイクするといっても、凄く適当な気合もへったくれもないナチュラルメイクですがね。

5分もかかりません。

はは。

ああ、本当にメイク担当の人ごめんなさい。

貴方の腕が一流なのは、認めます。

せっかくのメイクを、ほぼすっぴんにしてしまってごめんなさい。

でも、言わせてください。

黄色人種の私の顔を、白人用の肌色でメイクするのはどうかと思うのです。

ベースから違うから!

浮くから、確実に。

だから、直してしまいました。

すみません。

と、心の中で謝ってみた。

しかし、よく解った。

この国に、黄色人種はいない。

いるならば、ファンデーションの色が揃っているはずだ。

でも、ブラウンとかその他の色も揃っていたから、この国には白人以外の人種もいるのだろう。

だがしかし、黄色人種はいない。

これは非常に重要だ。

私がもし城外に出る事があれば、目立つ可能性がある。

肌が見えないように工夫しても、バレる時にはバレる。

肌が見えた途端、トラブルに巻き込まれるのはごめんだ。

しかも、独り立ちをしたと仮定して、市井で生活する場合、肌の色が障害になったりするかもしれない。

就職できないとか何とか。

これは早急に、この国の歴史なり文化なりを調べないと、私の計画が頓挫するかもしれないと思った。

そんな事を考えていたら、隊長を伴ってナリアッテが帰って来た。

「お帰り?」

と言うと、2人とも固まる。

ん?お帰りって通じなかったのかな?

ここでは変な言い回しだったのだろうか?

一歩近づいてみたら、なぜか2人とも目が泳いだ。

あ、そうか。

メイクか!

やっぱり、あの侍女さんがやったメイクでないと駄目なんだ。

このメイクだと、何か礼義的に問題があるのかもしれない。

異世界とかいう以前に、異なる文化においては礼義や慣習が違うのは当然だし、メイクの仕方にだって風習が違うに決まっている。

きっと、不適切なんだろう。

チークの色だけ直す、とかにすればよかった。

どうしよう。

又、侍女さん呼ばないと駄目かな?

そもそも時間あるのかな?

うわ。

やっちゃったよ。

「あの、ナリアッテ、メイク変えちゃったけど問題あったかな?何なら、今からメイクやり直そうか?」

といって、若干焦りながら洗面台を指さした。

「とんでもありませんわ!あの、とてもとても素敵です。先程より断然!なんて事でしょう、先程の侍女はクビに……」

と、待て待て、クビとか今不穏な事言わなかった?

そんな事で、クビとか……

てか、権限強いなナリアッテ。

「お、落ち着こう、ナリアッテ。恐らくメイクの色が揃ってないだけだよ。ほら、私の肌色こんなのだし。ね?クビにするなんて、時期尚早だよ。だめだよ。ね?隊長も何とか言ってくださいよ」

と、隊長にも振ると、

「う、うむ」

と、なんともよく判らない答えが返ってきた。

心ここにあらずな感じだ。

さっきナリアッテと何かあったのだろうか?

そっとしておこう。

「と、取り敢えず皆、お茶でも飲もうか?」

そう言って、私は皆を促した。

せっかくのお茶が冷めるのはイヤだしね?


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