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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
自称現実主義者、従騎士になる
183/228

183.

副団長の席の前に回りこみ、ボタンに手をかける。

本当にこの仕組みもっとシンプルにならんのか?

「あ、おい。なにを」

「いいから、じっとして」

「は!?」

ああ、駄目だ。

こうすると引っかかる。

右からは、硬いし。

「お、お前、今自分が何をしているのか判っているのか!?」

うるさい。

「しー、黙って」

人差し指を副団長の口に当てる。

「なっ」

左へ回す?

いや、違うな。

やはり右か?

右なのか?

ちょ、暴れるな。

ひざの上に座り、足で両膝を締める。

よし、これで動かないはずだ。

「ルイ!お前っ……」

それから、ああ、こういう風になっているから一度戻すのか。

くそっ。

これ考案した奴恨むぞ。

どうなってるんだ。

そもそもボタンに、こんなに手の込んだギミックがいるのか?

これなら知識がある分、爆弾解体でもやってるほうが、ってそうでもないな。

同じくらいだ。

「ル……ああ、くそっ……」

うーむ、何でここで引っかかるんだ。

こんなとこでひっかかったら外せない。

くそ、まるでイタリアのトイレの鍵。

あ、鍵。

鍵の事も聞かなきゃ。

って、うぉ!

急に体が持上げられ、そのまま隣の部屋のベッドの上に乱暴に投げ下ろされた。

「いいか、ルイ。いい加減にしろよ!?」

副団長がそのまま覆いかぶさるようにしてベッドに両腕をついた。

何事かと顔を見ると、どこかイラついた翡翠の眼とぶつかる。

怒らせたらしい。

「こんな事をされて理性を保てる男がいると思うのか!?」

しまった。

説明してなかった。

「頼むから、頼むから自分を女だと自覚してくれ。まさか、こんな事を他の奴にやってないだろうな!?」

う。

やったかもしんない。

「その顔。どうなんだ。言え」

リプァーグにやったわ。

思わず目をそらす。

「言え」

「えー、やむにやまれぬ事情がありまして」

目をそらしながらいいわけを考える。

「この国に来てから約一名に」

「お前は……」

恐る恐る眼を見ると、何かを堪えるように眼を瞑っている。

うわ、相当怒ってるわ。

「いやあ、あの時は仕方がなかったんだ。早く服を脱がないと、不味い事になってたし?」

「お前も脱いだのか」

「は?」

思わぬ質問に咄嗟に目を見ると、怒りとは違う何かの感情がのっていた。

なんだ?

「お前もぬい……」

「ロー、いるか?ああ、こんなとこ……え?」

「だのか?」

「ん?」

誰かと思えば、団長だった。

「すまない。取り込み中だったか」

「は!?あ?いや、これは、ちがっ」

「本当にすまん。ローの趣味はとやかく言わないし他言はしない。又出なおす」

こちらをじろじろと見た後、団長が回れ右をする。

何か勘違いをされたようだ。

ああ、この体勢じゃあ、誤解もするか。

「って、そうじゃない。ロー、急ぎの用なんだ。そこの従騎士悪いが外に出ろ。終わるまでしばし待て」

戻ってきた。

「了解です」

身動きが取れないのでそのままの体勢で返事をした。

「いや、これは誤解です」

「何が誤解なんだ?後、やるなら出来るだけ仕事が終わってからにしてくれ。うかつに部屋に入れん」

「だから違うと言っています」

うわ、副団長のイライラが最高潮だ。

「何が?どう見ても、そういう関係だと思ったが。大丈夫だ。人に言ったりはしない」

「だから、それが誤解だと言っているんだ。お前はガキの時から人の話を聞かない。その性格どうにかしてくれ。言っておくが俺は女が好きだ。男に興味はない」

「懐かしい口調に戻ったな?ロー」

どことなく団長嬉しそう。

きっと上司部下の関係になった時にでも、副団長が口調を改めたのだろう。

「はぐらかすな。ボンクラ殿下」

「殿下はやめろ」

あ、ボンクラはいいんだ。

「そこの従騎士、聞こえている」

声が出てたか。

「あー、その誤解と言うのは本当です。私がつまづいたせいでこんな体勢に」

副団長がそろそろかわいそうになってきたので、助け舟を出す。

誤解を解きたければ、この体勢解けばいいのにとか思うが。

「ふーん。まぁ、いい。そういう事にしておこうか」

絶対信じてない。

何もないのは本当なのにな。

「何がしておこうかだ」

「その格好で言われてもな。ついでに俺も女が好きだ。悪いが俺を巻き込むなよ」

私に念押しをしているようだ。

「大丈夫です、好みではありませんから」

私の言葉に若干傷ついた顔をする団長。

意味不明だ。

「アレイの奴、始めて振られたんじゃないか?」

「え?そうなの?」

「ああ、俺が知る限り」

「てか、今のは振るも振らないも前提条件おかしかったから、回数に入らないんじゃ」

あ、団長の表情回復した。

リセットしたらしい。

「というか、いつまでいるつもりだ。レイだったか」

名前覚えられてる。

目をつけられたな、これは。

「あ、はい。すぐ出ます。あの、副団長」

「すまん。すぐに退く。レイ最後に言っておく。気を抜くな」

「了解です。では、隊服お借りします」

即答した。

「はぁ、解ってるのか?もういい、適当に持っていけ」

隊服4着を借りて、執務室を出ようと扉に近づく。

隣の部屋での会話が聞こえたが知らない振りして出て行った。

「そうか、ローはあいつのあの時の姿にやられたんだな。確かにあそこまで見事な女装を見せられてはな」

「まだ言うか」

「否定はしないんだな」

男だと信じて疑わないあんたのほうが変だよ。















しまった。

結局ボタンの解除方法わからないままだ。

あと鍵の事聞きそびれた。

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