172.
で、きました。
担当教官の部屋再び。
今日こそ結果出ていますように。
祈る気持ちでドアを開けた。
「失礼します」
「おう、来たな。まぁ、座れ」
勧められるまま、椅子に座る。
「それで、結果はどうだったのでしょうか?」
担当教官の話によると、前回の会議では反対意見が半数以上あったようだ。
隊士で構成された選定委員の。
普通ならば過半数で決まるところだが、教官の多数が賛成に回っている事と、副団長の不在、後担当試験官のユイクル教官が意見保留としたため合否を決めることが出来なかった。
今回は、ユイクル教官と副団長および団長の賛成意見もあったため合格となったとの事。
団長も来てたのか?
と言うか、選定委員の票って弱いのか。
なんか波乱の予感。
「お前、団長と面識でもあるのか?」
「え?」
唐突に聞かれたので反応が出来なかった。
「入団試験の時の試験官でしたが」
「いや、そうではなく。すでに入隊済みみたいな事を言っていたぞ」
ああ、そういえばそんな事いっていたような。
あの夜会乱闘の時の事を思い出す。
あれってやっぱり有効だったんだ。
いまいち信用できなくて、話半分で聞いてたわ。
「そこは、副団長にでも聞いてください。どこまで話せばいいのか自分では判断できかねるので」
「……そうか。それはいいとして、問題はどこの隊の配属かだが、これは選定委員が決める事になっていてな」
あー、厄介者の押し付け合いをしたんですね。
わかります。
出来れば地味なところでありますように。
「そう、気を落とすな。お前の実力は俺が知っている。どこでもやっていけるだろう。といっても、従騎士の間はもっぱら雑用だから、実力の発揮は出来ないよなぁ。まぁ、そのほうがおもしろいか」
おい、最後聞こえてるってば。
おもしろいとか。
この国には私で遊ぶ人種しかいないのか?
「あ、いや、何、ちょっとした冗談だ。とにかくだ、時間はかかったが、お前の配属先は決まったから。安心しろ」
そんな不安そうな顔でもしてたんだろうか?
やたらと慰めて来るんだが。
「11番隊への配属となる。従騎士になったら配属先の騎士に従者としてつく事になる。誰にあたるかは、そこの隊長しかしらないので、直接聞いてくれ」
「わかりました。とりあえず合格できたようでなによりです」
「ああ、色々大変かもしれんが、まぁ、がんばれ。後、明日中に11番隊長に挨拶にいけ。おそらく色々指示が出るだろう。それから宿舎の移動をするといい。自分の担当する騎士と同室になるからな」
従者となったら、ずっと張り付いてなきゃならないんじゃ。
「それは担当騎士と四六時中ともに過ごすという事でよろしいですか?」
大事なことだ、聞いておかねば。
「そうなるな」
うわ、風呂いくタイミングとかどうしよう。
あとジョギング出来るのかな?
結構生活ペース乱れるぞ、こりゃ。