表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
自称現実主義者の最終試験
169/228

169.

そのまま部屋を出ると、廊下でヴォイドとジェイが待っていた。

「どうだった?」

ジェイが聞いてくる。

「あ、いや、それが、うーん、まだ決定していないようなんだ」

「何だよ、それ!?そんなのあり?」

「本当ですか?」

二人に詰め寄られる。

頷きで答える。

「どうやら色々意見が割れているようで、2日後にまた会議を開くと担当教官が。そこで決定すると」

「何で意見が割れる事があるんだよ。あの試合見たら誰でも納得するだろ!?」

「あ、いや、あれは色々と中途半端だったでしょうが」

なんかぐだぐだだったし。

少し、気を抜いてたのは否定しない。

「まぁ、いつもの感じではなかったですが、落とすほどひどくもない。むしろあれぐらい隙があったほうが私は好みですが……」

ヴォイド何の好みだよ。

「ああ、確かに、あれくらいの隙って、なんか色っ」

「おい、隙があったらまずいだろ」

ユイクル教官、いつのまに。

それから一体何の話に変わったんだ?

「騒がしいと思って出てみたら」

ユイクル教官と目があった。

小さく礼を取る。

「ん?レイ=タダノ=オカ」

「あ、レイで結構です」

「そうかレイ、時間があるなら少し聞きたい事がある。いいか?」

「はい、何でしょう」

ユイクル教官がジェイとヴォイドをチラッと見る。

「いや、中で話そう」

中で?

なぜ?

「ここで話せないことなのですか?」

ヴォイドがユイクル教官に尋ねる。

尋ねているのか?

これ。

「ああ、お前らはもう宿舎に帰れ、ここには用は無いはずだ。教官命令だ、お前たち二人は立ち去れ」

ヴォイドの周囲の空気が冷え込む。

「従う理由がありませんね」

「理由など話す必要も無い。命令だと言ったはずだが」

「あなたが私に命」

まずい。

何か判らないけどこれ以上ヴォイドに話をさせてはまずい気がする。

「ヴォイド!落ち着いて」

「私は落ち着いています」

ヴォイドが不貞腐れている。

意外とこういう所が子供っぽいんだよなぁ。

クールに見えて結構熱しやすい。

人間味があってヴォイドのそういう所が、私は好きかもしれない。

思わず微笑んでしまった。

「とりあえず2人は帰ってて。私は教官の話を聞く。おおよそ、今回の選定の話と関係しているだろうから。違いますか?」

ユイクル教官に顔を向けると、大きく頷いていた。

「何を警戒しているか知らんが、選定の話だ。レイ個人に関わる話なので、部外者は去れ」

やはり舌打ちは2人同時だった。

なんとも言えない気持ちで2人を見送った。

教官室に入るとやはりというかなんというか、几帳面な部屋だった。

常々思ってたが、顔のパーツに何かが足りないと思っていたらメガネだ。

彼には必須アイテムだろう。

「何だ?」

「あ、いえ、何でもありません。それで、聞きたい事とは何でしょう?」

「ああ、そうだな。選定の話に関係することではあるのだが。選定審議については何か聞いているはずだが」

「前回では私の合否が決まらなかった、とだけ」

「そうか。現在お前の合否を審議中だ。前回の会議で何人か反対意見が出ている」

「伺っております」

「うむ。だが、最終試験をした限り資質に問題は無いと私は思っている。だが、前回保留にした。なぜか判るか?」

予想はつくが自分から言うわけにはいかない。

首を横に振る。

教官の片眉がピクリと上がった。

その場で立ち上がり私に近づく。

右手で私の後頭部を押さえられ、そのまま抱きすくめられて身動きが取れないようにされてしまった。

耳の横にユイクル教官の顔が近づく。

「単刀直入に聞く、女だな?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ