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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)の帰還
158/228

158.

「あー!こんな所にいたー!」

この声はジェイか?

振り返ると、いつものメンバーがそこにいた。

「アレッ、レイ!ご無事ですか!?」

皆、元気そうで何より。

すごく気が抜けた。

うん、いつも通り。

平常運転。

「お怪我はありませんか!?あいつはどこです!?本当に無事でよかった」

ヴォイドが怪我のチェックを始めた。

いやいや、服着てるから判らないでしょ。

「本当だよ。皆すごく心配したんだからな」

ジェイが珍しく真面目な顔をしている。

これは、本気で心配かけたような。

皆の雰囲気が、いつもと違うことは流石の私でも気づく。

段々と申し訳ない気になってきた。

「あー、その、皆に心配かけてしまった。こうして無事に戻って来る事ができました。皆、ただいま」

「ああ。お帰り。無事な様子が見れてほっとした」

「ウィルも。無事なようでよかった。皆も元気そうでほっとしたよ。また会えて嬉しい」

また会えて本当によかった。

正直、洞窟に落ちた時はどうなるかと思ったから。

気絶した時は、死んだとも思ったし。

「あ、なぁ、そろそろ戻らねぇ?帰ってゆっくり話そうぜ」

クィリムがそう提案してきた。

「そうそう、レイに話したい事がいっぱいあるんだ。もうヴォイドとかすご」

「ジェイ、話す内容には気を配るべきだと前にも忠告したはずだが」

ウィルがジェイにアイコンタクトをしている。

視線の先をたどるとヴォイドが、って怖いよ。

ヴォイドは何を怒ってるんだ?

「え?ウィル?あー、あはは、何でもありませんです、はい」

ヴォイドの視線に気づいたのか、ジェイが前言を取り消しにかかった。

努力は報われたようだ。

「そうだね。そろそろ戻ろうか。流石に疲れたわ。ゆっくりしたいし、それに明日は試験だろう?」

「うあー、そうだった。休日よ、さらば」

クィリムが絶望感を潜ませて呟いている。

「あー、談笑中悪いんだが」

声をしたほうを向くと、教官がリプファーグを伴って、いや、担いで立っていた。

いやいや穀物袋じゃないんだから、その持ち方はおかしいだろう。

「お前ら暇だったら、こいつを部屋まで持って行ってくれ。って、レイお前まだいたのか」

後よろしくと言って出てきた手前、少し気まずい。

無意識に頬を掻いてしまった。

それにしても、完全にリプファーグは荷物扱いだな。

「俺は眠い。もう寝るから、こいつを頼むわ。お前らもさっさと帰って寝ろよ、じゃあな」

言うだけ言って、リプファーグをかなり乱暴に下ろす。

今、痛そうな音がなったんだが大丈夫だっただろうか?

かなり酔っているらしく、起きる気配がない。

さて、一旦帰るとしますか。

リプファーグを運ぶ為に近づく。

「あ、俺がやりますよ」

「ヴォイドありがとう。それじゃあ、片方の腕持ってくれると助かる」

「いや、これ位なら俺1人でも十分です」

「見かけによらず、リプファーグって結構重いんだよね。寝てたらなおさら。片側は持つよ」

リプファーグの片腕を抱える。

起きる気配ないなぁ。

相当きてるらしい。

明日は絶対二日酔いだろうなぁ。

「レイ、君は帰って来たばかりで疲れているだろう。私が替わろう」

ウィルがありがたい申し出をしてくれた。

少し酔ってはいるので、あまり足に自信がない。

「悪いな、ウィル。じゃあ、任せるよ」

リプファーグの腕をウィルに明け渡す。

「ああ、任せてくれ。ヴォイド、部屋まで運ぼう」

「ああ、分かった」

そうして自室へと戻る事になった。

非常にリプファーグの扱いがかわいそうな運び方だったのが気になったが、本人気づいていないので見なかったことにしよう。

部屋に帰還後は、これまでの出来事を全て話す羽目になったのは言うまでもない。

夜明けまで。

ジェイ、クィリム恨むぞ。

試験落ちたらどうしよう。

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