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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
洞窟の中の出れない面々(自称現実主義者と他1名)
139/228

139.

「すまない。こんな事になるとは」

後悔やらなんやらの感情がない交ぜになった声だった。

その様子からどうも、かなりへこんでいるようだ。

あれは仕方がない。

むしろ生きてて良かったよ。

お互い。

「いえ、不可抗力です。気に病む事はないと思います。それより、今の状況は?」

「君が怪我をしている」

うん、そうだね。

間違ってはいないよ?

確かにそうではあるけれども、実は天然?

天然なの?

「えーと、落ちてから、どれだけ経った?」

「判らないが、恐らく1日は経ってる」

結構長い間気絶していたんだな。

あ、火が消えかけてる。

そう言えば、ウィルは火を起こすのにえらく苦労をしていた。

リプファーグも、一人で起こすのは大変だったのだろうか。

四苦八苦している姿を想像してしまい、少し可笑しくなってきた。

「もしかして、寒いのか?」

リプファーグが何か勘違いをしているようだ。

「いえぇー?!」

違うと否定しようとしたら、突然の浮遊感を感じて微妙な声をあげてしまった。

「痛むのか!?」

違うって。

確かに痛みはするが、慣れているので問題ない。

それより、いきなり抱きあげるからびっくりしたんだってば。

頼むから、声をかけて。

「いえ、大丈夫です」

「そうか」

先程の場所より焚火の近くに下ろされる。

温かい。

どうやら、かなり体が冷え切っていたようだ。

自覚した途端、急に寒さを感じる。

落ちた時に水にも浸かっていたので、体温がそうとう奪われていたみたいだ。

もうすぐ消えそうな火、もう少し大きくならないかなと見ていたら、毛布をかけてくれた。

意外と気が利く?

「少し、聞きたいことがある」

何だろう?

焚火を挟んだ向こう側に座りながら質問をしてくるリプファーグに、先を促す。

「君は、お……いや、何故あの時私を助けた?」

それは単なる職業病だ。

完全に。

言わないけど。

「私は、色々君に言ったり態度も悪かったように思う。なのに何故?いつも側にいる、あの男の言う通り手を離す事も出来たのに」

「そうですね。確かに貴方の態度は、あまり褒められたものとは言えませんね。だからと言って、見捨てていい理由にはならないでしょう?それに、何もせず見ているだけというのは、私の性には合いません。唯一理由をあげるとすれば、その場でできる事があれば状況が許す限り行い、出来ないと判断をした時はすぐに退く、という自分の信条ゆえでしょう」

といっても、今回は完全にへまをしたけど。

地盤が緩んでいた事に気付けなかった。

まがりなりにもペアを組んでいたのなら、もっと気を配るべきだったのだ。

まぁ、何はともあれ幸いな事にリプファーグはピンピンしてる。

この最悪な状況で、それだけが救いだ。

さて、これからどうやって貿易都市ルートに戻るか考えねば。

「おい、大丈夫か?」

私が急に黙ったので、心配したのか声をかけてくる。

「もしかして、かなり痛むのか?先程、傷薬は一応塗っておいたのだが…」

「え?」

「いや、怪我が痛むのではないか?あの薬は効くと聞いていたのだがな」

「あの、貴方が?」

服を脱がした?

「他に誰がいる?」

「あ、いえ。何でもありません。手当をありがとう。傷はそれほど痛みません」

うそ、本当は結構痛む。

慣れてるだけで、痛いものは痛い。

それよりも、リプファーグは服を脱がして私の手当てをしたのだろうか?

それとも、裾をまくっただけで手当てを?

どっちだ?

普通は、服を脱がすよな。

そうだよね。

これは、バレたわ。

バレた。

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