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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)は只今基礎訓練中
127/228

127.

正直、昨日の訓練はヤバすぎた。

「おい、何人かづつで分かれて、適当に組になれ。それから全力でもって組ごとでかかって来い」

と、突然教官に言われたので、数人単位に分かれて組を作った。

見た所、4組位に分かれているようだ。

で、こっちのメンバーは何故か隣部屋の4人と組む事に。

なぜこうなる。

組み分けが終わった後、先陣を切った組がかかっていくものの、どうやら間合いが悪すぎて仲間の頭を打つわ、体を打つわ、倒れるわの同士討ちが多発。

これが原因で、隊員の1/3がダウンした。

後発隊は、同士討ちに気を取られ過ぎて、教官の攻撃が見えておらず、その攻撃によりほぼ全員がダウン。

何となく最後の方に残っていた自分達の組は、これらを教訓にし声を出し合うことにした為、同士討ちだけは避けられた。

が、いかんせん教官が強すぎる。

気付くとクィリム・ジェイ、リプファーグがダウンしていた。

残りは隣人2人組とヴォイドとウィルだけになった。

ウィルが善戦するも、結局ダウン。

隣組は複数でのやり取りに慣れているのか、間合いの取り方が非常に上手い。

ヴォイドに至っては、言わずもながだ。

いやぁ、この3人がいれば、楽で良いですわ。

私は後ろでやってるふりだけ。

頑張れ3人。

でもまぁ、結局サボってるのが教官にはばれてるわけで、結局こっちに来るのね。

って、いきなり突きですか!?

ヴォイドが割り込み、防ぎにかかる。

「訓練中だ。邪魔するなよ、アンヴォイド」

「何の事か、解りませんね」

お互い鍔迫り合いで、拮抗している。

その隙を狙って、2人組が連携をして教官に攻撃をする。

無理やり教官が身体を横にずらし、ヴォイドの身体に蹴りを入れ2人組にぶつけようとしていたが、全員それを読んでいた為、教官の思惑には嵌らなかった。

わき腹ががら空きだったので、今の内に気配を消して蹴りを入れてみる。

「っ。お前な、剣術の訓練中なんだから、剣で応戦しろよ」

「教官、ヴォイド、蹴った。だから、いいのかなぁとか」

現在、教官と鍔迫り合い中。

もちろん力負けして、押されまくってます。

当然だけど。

こ、腰が。

「それに、私は剣の扱いが下手だし」

「お前があの試験の時に使ってた奴なら、十分ここでやっていけると思うんだが」

「皆に止められてる」

あ、何か腕がプルプルしてきた。

「あー、忘れてた。まー、今ならいいんじゃないか?あの時は、黙っている方が面白そうだったから、何も言わなかったが。ほら、今はもう誰も見てないだろう?良いじゃないか、少しぐらい。な?やらないか?」

にやりと笑い、半歩前に力を込める教官。

そのかかる力に抗えず、剣が少し滑りバランスを崩して後方へ倒れそうになる。

咄嗟に態勢を取り戻そうとするが、間に合わず身体ごと後ろへと傾ぐ。

反射的に教官の足を払ってしまったが、方向が不味かったらしく教官が私の上に被さるように倒れてきた。

来るであろう衝撃に備えて、受け身の態勢に入ったが衝撃は来なかった。

ヴォイドが私を抱えたからだ。

教官は上手くバランスを取り、態勢をすぐに立て直した。

見事だ。

隙が全くない。

それよりヴォイド、そろそろ下ろしてほしい。

それから、隣組呆けてますが、教官が攻撃態勢はいってますよ。

って、こっちに攻撃かい。

ヴォイドから降りて、即座にに応戦に入る。

「あくまでも使わない気か。仕方が無いな。悪く思うなよ?」

それからは、教官による凄まじい程の集中攻撃だった。

防戦一方だった。

ちょ、なにこれ、いじめ?

絶妙のタイミングで、2人組とヴォイドが教官に攻撃を入れるが、それでもターゲットは変らず、結局逃げる事しかできない。

のらりくらりと躱していたけど、とうとう限界が来て太極剣を使わざるを得なくなった。

使った瞬間の教官の目が、獲物を狙う肉食獣の目をしていて、非常に怖い。

絶対食われる。

それからは、必至で応戦した。

連続による攻撃を身体をずらして躱しながら、2人組が攻撃しやすいように斜め方向に移動。

背後をとった2人組による連携攻撃が功を奏し、教官が態勢を崩す。

ヴォイドがその隙を逃さず横合いから攻撃を加えるが、読んでいたのか躱された。

そこに後ろから突きを入れてみたが、剣ではじかれる。

正面に立った二人組が時間差で攻撃するも、1人は急所をたたかれダウン判定。

もう1人が上手く下がり、教官の攻撃を躱す。

私がすかさず背後から、左横腹目掛けて切り上げるが、飛んで躱された。

丁度着地点付近にヴォイドがいるので、その隙を狙い背後から袈裟切りに、とはいかず教官の剣が真一文字に一線。

危うく当たりそうになったので、大きく後ろへ飛び距離をとる。

ヴォイドと教官が凄まじい攻防を始めた。

隣人と目線を交わし、攻撃の合図を送る。

2人がかりで左右より攻撃したが、教官がヴォイドのバランスを崩させ、その隙に私を回し蹴りし、そうする事で隣人の攻撃を躱していた。

一瞬のことだった。

再度立ち上がろうとした所、ヴォイドが私に気を取られてダウン判定。

そこからはあっという間に、隣人も私もダウン判定されてしまった。

これが午前中の出来事で、午後から引き続き何度も午前中と同じ事をさせられた為、訓練後は屍だらけになっていた。

やはり、複数で攻撃と言うのは、だいぶ疲れる。

昨日の訓練内容を思い出してみて、げんなりした。

今日は違うメニューでありますように。

「よし整列しているな。では、今日は昨日と同じ事をするぞ」

テンションが駄々下がった。

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