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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)は只今基礎訓練中
122/228

122.

「ういろうパンツを……売りたい?」

思わず首をかしげる。

ういろうパンツって……何だ?

「あ、いえ、あの、ここに少しいて下さいと、言ったのですが……」

ヴォイドが慌てて近付き、訂正を入れてくる。

ごめん。

言語が違うのを、うっかりすっかり忘れてた。

思い切り日本語で読んでたよ。

そりゃ出鱈目にもなるか。

自動翻訳も、こういう事があるので不便だな。

まぁ、意思の疎通ができるだけでも助かるけど。

「ふむ、まだ多対1の訓練はしないつもりなのだが」

先程からこちらに向かって来ていた新しい指導教官が、ウィルたちを見て言う。

3人組とウィルはもうすでに臨戦態勢になっている。

ジェイやクィリムも付き合うつもりのようだ。

きっかけさえあれば、いつ動き出してもおかしくない。

一触即発ムード。

私は、傍観モード。

ヴォイドはこちらに被害がきそうなら、応戦する構えのようだ。

「若いねぇ」

隣に立った指導教官が、ぽつりと呟く。

いやいや、貴方も十分若いですって。

喧嘩売ってるの?

「で、お前は良いのか?」

何もしようとしていない私を見て、教官が訊ねて来た。

「私が参戦してしまうと、弱いから邪魔になるだけですしねぇ。それに、公平ではないでしょう?」

「まぁ、ある意味そうだな。お前やあの男が入ってしまったら一方的にはなるだろう」

そうそう、人数はこちらの方が多いし、どう考えてもバランスがおかしい。

「一応俺は、前半の実技試験の立会いをやってたからな。あの時の16番と17番のお前らの試合も見てたんだよ。なかなか印象深かったから、よく覚えてる。あの実技試験で、まともに団長と剣を合わせられた奴ってそうはいないぜ?ユイクルの奴が、何故お前の事を使えないとか言っているのか、今一理解ができんのだが。まぁ、そんなことはいいや」

ユイクルって誰。

教官はいきなり息を吸い込む動作をした。

「おい、お前ら!誰が複数でやれと言った!ここにいる全員腕立て100だ!」

うお、耳元ででかい声出さないで。

ハウリングがあ。

やっと教官に気付いた、ウィル達や3人組がぎょっとしている。

って、おい、3人組、何故私を睨む。

私違う、関係ない。

手と頭を駆使して、全力で違うのゼスチャーをしまくるが、どうも通じそうもなかった。

だから、私が呼んだんじゃなくて勝手に来たのよ、向こうから。

私のせいにしないで。

「と、言いたいところだが、そんな事をしたら剣が振れなくなっちまいそうなので、今回は免除。ただし次に何かしでかしたら、罰を受けてもらうからそのつもりでな。じゃあ誰でもいいから1対1で適当に剣振れ。ああ、それからお前とお前は、別に振らなくても構わない」

え、いいってなんで?

教官にヴォイドと私は振らなくていいと言われたが、理由が判らない。

「は?何故ですか?」

思わず私が聞くと、一度試合で見たからとの事。

今は全員の練度を見てるだけなので、どんなものか判っている2人の分は見なくてもいいと判断したとの事だ。

そういうものなのだろうか?

まぁ、あの技は使用禁をくらっているので、阿波踊りを披露しなくて済むのは助かるのだが。

「まぁ、別に振りたきゃいくらでも振ればいいけどよ。お前らを俺が指導する意味ってあんの?おそらく」

「く、くくく。無能はとうとう教官にも、見放されたか。情けない。このまま騎士団にいる理由もないだろう。家に帰ったらどうだ?」

教官が何かを続けようとした時に、リプファーグが言葉を被せて私を罵倒してきた。

いやいや、家ないし私。

それに金も無いし。

騎士団出たら職も無い……。

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