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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)は只今基礎訓練中
120/228

120.

「しかしレイがバカにされているのは、俺も我慢ならないのですが」

ぼそっと呟くヴォイド。

いや、そういわれても。

クィリムも首振り人形のごとく、縦に首を振っている。

「よ、クィリム」

先程まで練習していたジェイとウィルが、いつの間にかこちらに来ていた。

相変わらずジェイは元気だなぁ。

クィリムに気づいた、ジェイが挨拶する。

「おぅ、ジェイ。ウィルもって何か疲れてねぇ?」

ウィルを見ると確かにどことなく疲れている。

「このバカぢから。お前もっと力配分考えて剣を振れ」

「俺腕力だけは自身あんだよなー。ウィルが体力無さすぎなんだよ。あ、そうそう、2人とももう教官には見てもらったの?」

ジェイが聞いてくる。

そう言えば、教官が見に来るんだっけ。

「いや、まだだよ」

向こう側を見ると、まだ何人か順番待ちをしているようだ。

そろそろあちらに移動しないといけないかもしれないな。

「ここにいるって事は終わったのか?」

ヴォイドがジェイに聞く。

「夢中になってやってたら、教官が少し指導してくれたんだ」

「ああ、的確な指導だったよ。特にレイ、君は剣術が苦手だろう。あの教官に色々指導してもらうといい。なかなか気さくな者のようだ。昨日までの教官とは違うように感じた。あの教官になら丁寧に教えてもらえるだろう」

ウィルが親切に教えてくれる。

ジェイとクィリムが何やら内緒話を始めた。

何か企んでいそうだ。

いつまでも適当に剣振るわけにもいかないしなぁ。

教えてもらえるなら、そのほうがいいのかも知れない。

変な癖がつかなければいいのだが。

「そのことだが、レ」

ヴォイドが何かを言いそうになった時に、慌ててジェイとクィリムが止めに入る。

それから何やら3人で内緒話を始めてしまった。

思わずウィルと顔を見合す。

「何か、感じが悪いな」

ウィルが眉間に皺を寄せる。

時々ちらとこちらを見てくるのが鬱陶しい。

言いたい事があるなら話せって。

「絶対ろくでもない相談だよ。暇だし体動かす?」

私が聞くと、すぐに頷いた。

その事からウィルの剣術好きが窺える。

「ああ、そうだな。前から聞いてみたかったのだが、レイ、君は剣を振るうのは全く初めてなのか?」

「え?いゃ」

「うわー!レイ待って!レイって言うんだよな?とにかく待って!」

ウィルに、そうでもないと答えようとしたら、クィリムにストップをかけられた。

そう言えば、クィリムにはまだ名前を名乗っていなかった。

「何、さっきからこそこそと。後レイで合ってるよ。よろしく、クィリム」

「うん。こっちこそよろしくな。いや、なんというか、レイに対する皆の認識をどうやったら改善できるかと、緊急の密談をしてたんだ。そうしたら、ヴォイドさんから凄くいい案が出てきて、それでいこうと今決まったんだ。だからレイ、さっきの剣術は使用禁止な」

ヴォイドよ、いったい何の提案したんだ。

顔を見ると目を反らされた。

おい。

「別にいいけど……理由を聞いていいか?」

「ごめん今は聞かないでくれ。絶対悪いようにはならないから」

ウィルと顔を見合わせる。

「何か私だけが事情を飲み込めないのだが」

腑に落ちないという顔を隠しもせずウィルが言う。

「いや、ウィルは知らない方がいい。その方が楽しめるから。だから、これ以上は聞かないほうがいいよ」

クィリムがそうウィルに説明すると、ジェイの顔がおもちゃを見つけたような悪い顔をしていた。

絶対遊ぶ気だよあの顔は。

「は!おい見ろよ。平民の下僕の姿が見えないと思ったら、使えない奴と一緒にいるとはな」

「げっ」


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