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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
現実主義者(自称)は只今基礎訓練中
115/228

115.

ひとしきり心の中で嘆いて、肝臓の為と諦めいや違った、納得をして立ち直った私は現在副団長の所へ向かっている。

一応任務完了報告は、必要だと感じたからだ。

まぁ、誰かに聞いてるとは思うが。

副団長の執務室がある建物の中へ入ると、色々な視線が刺さった。

ちょっと注目されています。

すみませんねぇ、邪魔しますよ。

3階の副団長執務室の扉をノックすると、返事があった。

「入れ」

許可が下りたので入る。

ヴォイドも続いて入ってきた。

「失礼します」

「レイか」

「はい、任務完了報告に参りました」

一応そこから、今までにあった出来事を話した。

本当はレポートも一緒に提出した方がいいのだろう。

しかし今の私が書くと、シェークスピア並みに古めかしい文が羅列している、書き手にも読み手にも優しくないものが出来上がるだろう。

1Pが10Pに膨れ上がるという大惨事が予測される。

もしくは、幼児語満載の絵本風になるか。

これなら1Pで済むが。

文字の教本が、神話という名の超古典か絵本だったしなぁ。

まだレポート提出は私にとり荷が重い。

うん。

「そうか。まさか団長自ら手配していたとは思わなかったよ。ヴォイドご苦労だった」

「いえ」

ヴォイドが短く答える。

「それからレイも、いきなりな任務にも関わらずよく頑張ってくれた。これからも励むように」

「は。副団長の手配のお陰で、初日の訓練間に合いました。ありがとうございました」

敬礼をして答える。

あのまま船で帰っていたら、確かに間に合わなかった。

たとえ一日は見逃してもらえたとしても、周りはいい気はしないだろうし。

「そうか。連日の疲れもあるだろうから双方良く休むように。アリーオ、ジョイロナ達の回収は終わったのか」

影のようになりを潜めていた、アリーオさんに副団長が聞く。

「はい、先程報告が届きました。首尾よくいったようです」

こちらを向いて、報告してくれた。

どうやら、今回の作戦は上手く行ったようだ。

良かった、女装した甲斐があったよ。

「だそうだ。レイ、ヴォイド。よくやってくれた。部屋に戻っていいぞ。それから例のあの部屋は好きに使っていい。これから入り用だろうしな」

あの部屋と言うのは、あのファンシー部屋の事だろう。

風呂の事もあって相談しようとしたが、どうやら問題は無い様だ。

再度礼を言って、私達は部屋を後にした。

これで心おきなく、風呂に入れる。

「この後、私は城の方の部屋で風呂に入って食事に行こうと思うんだけど、ヴォイドはどうする?」

「ああ、では俺もそうします。一段落したら、迎えに上がりますので」

訓練期間中、寄宿舎組は外出するのに許可がいるので、食事は基本寄宿舎の食堂へ行く事になる。

帰宅組は自宅での食事が義務化されているらしい。

かつて外食OKだった時代に大騒ぎをした人がいて、次の日に訓練に出れなくなる者が多数いたからだとか。

なのでお酒は禁止。

駄目だ、チベット僧でもここまでの苦行は、いやあそこはストイックだからありえるか。

やめやめ、駄目だ飲んでないとどうしても思考がお酒の事に締められる。

考えない考えない。

「大丈夫ですか?」

「あ、うん。大丈夫。多分。じゃあ、また後で」

ファンシー部屋まで移動し、その前でヴォイドと別れ中へ入ると、ナリアッテが飛んできた。

比喩ではなく、物理的に。

思い切りぶつかってきたので、おなかが、鳩尾が。

「御無事で。御無事でようございました」

いや、今無事じゃない。

それから滅茶苦茶汗臭いので、かなり抱きつかれるのは嫌だ。

頼むから臭いをかがないで。

息止めて。

「えーと、取りあえず離れようか」

そっと肩を持って、はがす。

「心配してくれてありがとう。この通り怪我も無いし、無事に帰還果しました」

本当は真っ先に、ここに来たかったんだけど。

ナリアッテの顔を見ると、帰ってきた感がする。

うん、私帰ってきたよ。

「本当に無事ですか?」

「無事です。むしろその後の訓練の方がきつかったぐらい」

私が笑うと、ホッとした顔をしていたのが印象的だった。

「お疲れでしょう。お風呂をお入れいたしますわね」

いつもありがとう、ナリアッテ。

ていうか、自分でやれよ私。

ナリアッテには、足向けて寝れません。

それから、一時間位風呂に入って寛いでしまった。

その後は、ヴォイドと合流し食堂へ直行。

私とヴォイドが適当に座って食べていると、疲れた顔のジェイとウィルが来る。

「どう?部屋はマシになった?」

私が問うと、二人同時に首を横にふる。

なんだかんだ言って、この二人息ピッタリじゃないか?

「帰るのが恐いな」

ヴォイドがポツリと呟く。

「全くだ」

私も同意する。

「うっ、俺たちだって頑張ったんだ」

いや、そんな捨てられた子犬みたいな目で見られても。

困った。

「め、飯食え。とりあえず食べとけ」

はー、また頭撫でまくるところだったよ。

それより、どうやらこの後部屋の片付けが待っているらしい。

まぁ、ウィルとか片付け出来なさそうだし、期待はしていなかったが。

片付けからは、逃れられなかったかぁ。

仕方ない、食後の運動にいっちょ手伝いますか。

この数日留守にして、心配かけたしね。

2人は相当疲れたのか、黙々と食べる。

この2人が食べ終わるのを待って、私たちは寄宿舎に戻った。

部屋の扉を開けて、再度閉めた。

うん。

長い一日が始まった的な?

そんな何か。

ヴォイドが若干怖いです。

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