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自称現実主義者の異世界トリップ  作者: GUOREN
自称現実主義者のプチ旅行
103/228

103.

壮観。

何がというと、いくつもの帆船が見事に集結しているこの景色。

うわー、生で見るとこれはすごいな。

1隻あたりの全長が大体30から40mの船が、目視できるだけでも20は集まってる。

なるほど、これは一生のうち1度は見ておきたい風景かもしれない。

しかも海側から見る事ってなかなか無い。

これほど感動するとは。

是非この風景を、ロランとかレンブラントとかに描いてほしい。

夕方か早朝の風景をモチーフにして。

因みに私の初恋は、ポルトガルにいたころに見たレンブラントのアレクサンダー大王(パラス・アテナ)だった。

2次元に初恋とか、我ながら痛い。

それはさておき、絵画ネタで今この船の状況を言い表すのなら、ストルクの描いたスミルナ湾のオランダ船停泊か。

つまり、陸に上がるにはまだまだ時間がかかるぞと言う、船の団子状態だ。

これほどの船が集まるならば仕方のない事なのだが、気がせくのはいかんともしがたい。

艦長が言っていたのは到着に2時間ではなく、きっと陸に上がるまでに2時間はかかるという事だったのだろう。

これを見て納得。

「レイ殿?」

声をかけてきたのは、ヒルスだった。

「ああ、先程はありがとうございます」

私がそういうと恐縮しだす。

「あの、俺事情知らなくて、先程はその、失礼な言動をとった様な気がするのですが」

なぜ敬語。

「え?いやいや、むしろ、先程と同じ様に接してもらえると私としては非常に助かる」

と言うと、ほっとした顔をする。

ここの船員は気を使いすぎるような気がするのだが。

貴族かなんかと、間違われてでもいるのだろうか?

「実は俺敬語とか苦手で、そう言って貰えると助かる。詳細は同僚に聞いたんだ。まさか、男性だったとは、気づかなかったよ」

俺もまだまだだな、と笑うヒルス。

いや、多分君の目は正しいと思うよ?

化粧がはげまくった私の顔を見ても、女だと思ってたんだから。

と、言いたい所だけど言えないんだなこれが。

「ははは。それより、すごい壮観ですね。ここまでとは予想外でした」

「今日はまだ空いている方だと思うよ。いつも色々ごった返してるから、この港周辺。今日はもう夜が近いし、だから入港も少ないんだと思う」

なるほど。

いつもはもっと多いのか、それはすごいな。

「おい、ヒルス!サボるな。手ぇあいてんなら、樽集めんの手伝え」

「あ、やば。じゃ、俺はこれで」

「ごめん手を止めてしまって」

どうやら、作業途中で話しかけてきたようだ。

怒られている。

「ぜんぜん大丈夫です」

「こっちは、ぜんぜん作業進んでねぇ。てめぇ1人で倉庫内の分丸々運ばせるぞ」

「うわぁ、それだけは勘弁して」

「勘弁してほしいのはこっちだ。ほら、オルを手伝え」

ここにいたら邪魔になりそうだな、船室に戻るか。

船室に戻って惰眠を貪っていると、上陸OKの知らせが来た。

で、来ました貿易都市ジュハフィーグ。

よし、プチ観光開始だ。

「よろしくね、ガイドさん」

隣にはグロッキーなドミトリーがいた。

昼食べなきゃよかったのでは?



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