表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

M・I

作者: 夜の風

多数の作品の中からご覧いただき、ありがとうございます。


事情があり、私個人の青春の思い出を書いた駄文です。


ご興味の無い方は他の方の作品を読まれる事をおすすめいたします。




M・Iさん。



今日は、貴女と過ごしたあの部屋に、サヨナラしにきたんだ。


あの頃、まだまだケツの青かったガキに、色んなことを教えてくれて、本当に、本当にありがとう。


心から感謝してる。





窓から一緒に見た、あの景色も、今日でもうおしまい。


僕も、もうこの部屋には入れなくなるんだ。


壁にはね、当時のポスターの跡があったり、シールの跡だったりがまだまだ残ってたよ。


ほとんど剝がされてたけど。


日焼けしてたよ、その部分だけ。だからすぐわかった。


床にはね、机の跡も残ってた。





外を眺めてると色々思い出すもんだね。


あのビルはまだ建ってなかったとか、あそこにコンビニなんてなかった、あのファミレスはもう無いんだとかね。


何度も何度も見ちゃう。当時を振り返っちゃう。


貴女とどんな会話したとかも、少しだけどまだ覚えてる。


ドキドキしたことも。





本当はもう、遠い昔の事なのに。






あれから数十年後の僕は、二児のパパになってた。男の子と女の子。まだまだ大変。


貴女も今は素敵なママになってるんだろうね、きっと。





部屋の写真も撮ったよ。やっぱり何も残せないのは辛いから。


せめて記録しときたくて。


あの頃は、世の中がこんなネット社会になるなんてだれも思いつかなかったろうね。


スマホなんてさ。










ああ、もうこんな時間になっちゃった。いよいよ本当ににお別れだ。


実際には会えないし、充分わかってるけど、この部屋にさえ来れば貴女に逢える気がしてたんだ。


あの日に戻れる気がしてたんだ。





でも、もう、行かなきゃ。


ホントにさよならだね。










なんか、心にポカっと大きな穴が開いた気がする。


久しぶりの失恋。


当時はガキだったし、学校に気になる女の子もいたし、恋愛って何?付き合うってどういう事???

くらいしか思ってなかった。










だけど、ホントは貴女に恋してたんだ。



今頃気がついたのかな。こんなに時間が経ったのに。




もちろん、僕もあれから何人かの女性と恋をしたよ。

最後に逢った時には彼女がいたし。




でも、それでも、貴女の事を忘れた事はなかったんだ。





結婚してからも。忘れた事はなかった。




僕は・・・・貴女の事が好きでした。





ありがとう。ありがとう。ありがとう。心から。心の底から。


貴女に逢えた僕は本当に幸せ者だった。




また来世でも逢えたら、その時は、是非、僕の彼女になってください。













評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ