せざるをえない
せざるおえない、と書かれる事が少なからずあります。それを漢字変換した結果、「せざる負えない」となることも。
分解すると、せ・ざる・を・え・ない ですね。動詞「する」の未然形+否定の助動詞「ず」の連体形+助詞「を」+動詞「得る」の未然形+否定の助動詞「ない」。ざるの後に「事」みたいなのを補ってやるとよりはっきりして、「しないという事を」「得ることができない」というわけで「しないわけには行かない」という事になるわけです。
「を」は「事を」の「を」ですから、「お」ではないのですね。
まあ、元々が古語的な言い回し。「義を見てせざるは勇無きなり」みたいなときに使われる「せざる」。
作品の中で「しざるを」と書かれたのを見た事があり、さすがにこれは変だと思いますが、サ変名詞「する」の未然形には「し」も確かに存在します。だって、「せざる」を現代語にすると「しない」ですからね。
現代語ではサ変名詞「する」の未然形には「さ・し・せ」の三種類が存在し、後ろに続く助動詞などによって変わるという事です。現代語としては「し」が基本で、古語的言い回しのために「せ」が残っているとかいう感じなのでしょう。とりあえずは、「ざる」を付ける場合は「せ」でないと違和感が強いという感じですね。