たとえ と たとえば
知らなかったらそのままスルー出来るのに、知ってしまったら気になってしまうということ。前に出した尤もとか、そんな感じでしょうか。最近は、前項の「こたえる」が気になるようになってしまいましたが、我慢しています。
今日出てきたのは「たとえ」。「たとえ君が僕の事を好きじゃないとしても……」みたいな使われ方をするあれ、です。作品では、「例え」が使われていて、違和感が有ったので調べてみました。
まず、たとえには「例え」「譬え」「喩」という漢字が使われます。何かに何かをなぞらえること。あるいはなにかを例示としてあげること、などに使われるもので、用法としては全部同じに使う事が出来るようです。ならば、よほどでない限り一番シンプルな「例え」を使うのが最も適当でしょうね。
しかし、例示した「たとえ君が……」のような場合、この用法とは異なることになります。その場合の正しい漢字は「仮令」「縦令」「縦え」なんだそうですね。いや、こんな漢字使った事ありませんでした。知らなきゃ読めませんね。漢字で書くこと自体も適切だとは思えません。
ですので、このような場合、「たとえ」とひらがなで表記するのが最も適切なのではと思います。
実際の作品では、同文内に別の誤字が有ったので、併せて報告することにしました。
余談ですが、誤字報告は一行ごとに行うようになっています。もし、行内の複数の箇所を別の誤字報告してしまうと、一方を適用した段階で他方は適用不可になってしまいます。なので、行内の報告は一括して行う必要があります。
さて、後厄介なのが「たとえば君が僕の事を好きじゃないとしよう」っていうような場合。この例では「君が僕を好きでない」というのは一つの例示であるわけです。その場合には、漢字で「例えば」を使うのは適切な用法になってきます。
つまりは「たとえ、なになに」という時と「たとえば、なになに」という時で使うべき漢字が異なる、という事です。
本例は「なろう作家がよく間違う漢字 ~同音異義語四天王編~」https://ncode.syosetu.com/n0447ih/ でもちょっと触れられているのですが、読み落としていたか、そもそも理解していなかったか。
どちらかというと、カクヨムさんの作品ですが「間違えやすい日本語表現」https://kakuyomu.jp/works/1177354054881006064/episodes/1177354054884146994 にはこの話がきっちり記載されていました。
うん、知っている人は知っている問題なんですね。まあ、この項もYet Anotherなので、再掲しても構わないかと。