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深謀遠慮と深慮遠謀

 誤用の話と言う訳ではないのですが。「とか」だから、ありですね。


 今日読んだ小説に「深慮遠謀」って出てきまして、これ自分なら「深謀遠慮」とするところだけど、と思って調べてみました。

 結論的には、深謀遠慮も深慮遠謀もどちらも使われていて、間違いとは言えないけれど、原典においては、「深慮遠謀」となっているので、こちらの方が元。深謀遠慮は文字を入れ替えて派生したもの、という事のようです。ただ、日本では深謀遠慮の方がよく使われているように思われます。

 加えて、「遠望神慮」という言葉もあって、全部同じ意味なのに文字が微妙に違ったりして迷いやすいですね。「遠慮深謀」「遠謀深慮」という言葉も使われる事はあるようで、もうなんでもありなのですね。


 さて、ついでということで、なぜ深謀遠慮が深慮遠謀より好まれるのかについて、勝手に考えてみます。これには、7音を43に分けるか、34に分けるかの好みの違いがあるように思います。

 7音を多く使う定型詩として都都逸がありますが、その調子を連ねた詩として有名な替え歌の元となった二輪の桜(西条八十)を上げてみましょう。

「君と僕とは

 二輪のさくら 

 積んだ土嚢の

 陰に咲く……」

都都逸の基本に則って、7775の調子を、34・43・34・5となるように作成されています。これはこの後の節も同じです。

 見て明らかなように一つの節は前半の34・43と後半の34・5に別れています。声に出して読んでみると分るのですが、34というのは収まりが悪いのです。なので後ろに43や5を付けて「収めたく」なる。切り出してみると、34という区切りよりは43という区切りが安定する感じがあります。

 これは、75調が57調よりも好まれ多く使われている、というのと近いものがあるのかもしれません。


 と言う訳で。34となる「深慮遠謀」よりも、43となる「深謀遠慮」の方が音が心地よく、より使われることになっているのではないかとか考えています。

 まあ結論は、「なんでもあり」になっちゃうのですけれど。

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― 新着の感想 ―
最初の刷り込みが何だったのか正確には思い出せませんが「深慮遠謀」派でした、私は(おそらく耳で覚えていた言葉)。 ただ原典は賈誼の過秦論にある「深謀遠慮」が正解なのですね。 遠くを慮って深く謀を巡ら…
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