暫くと漸く
これは、書き手というよりは読み手の問題ではあるのですが。
ちょっと前のネットニュースで、TVのアナウンサーでも「漸く」を正しく読めるのが少数派、というのがありました。「暫く」と「漸く」。難読な漢字のクイズでも常連のものです。
どちらも「斬る」という漢字を含んだこの二字。前者は「しばらく」、後者は「ようやく」。文脈から取れることも多いとは思いますけれど。
これらを含んだ熟語として、「暫時」と「漸近線」があります。後者は、ちゃんと数学やっていれば、もちろん覚えていますよねw 読み方としては、「ざんじ」と「ぜんきんせん」。なので、漢字としての読み方は「ざん」と「ぜん」である、というのは、この二つの熟語を持ってくれば覚えておけるでしょう。
そして、「暫時」の意味がそれ自体「しばらくのあいだ」ということですから、「暫く」の読み方もおのずと判るものです。ちょっとむずかしいのが「ようやく」の方。漸近線ってだんだんと近づいていく線の事です。これをようやく、とはなかなか読みがたい。
「ようやく」って、普通に言い換えると「やっと」となるでしょう。それと、「だんだん」が結びつかない。でも、Web辞書で「ようやく」を引くと、この言葉には「ゆっくりと」「だんだんと」という意味がちゃんとあるんですよね。でも、その意味で「漸く」を使ったらたぶん読者には理解してもらえないでしょうけど。
漢字変換をするだけなら、何も問題なく変換できる「暫く」「漸く」。でも、読者には往々にして正しく読んでもらえないことが考えられます。ルビを振る、というのも手ではあるとは思うのですが。まあこのあたりになりますと、普通に「しばらく」「ようやく」とひらがな表記にしてしまうのが読者のためにもなるのではないかなあ、と思ったりします。ちょっと前の「尤も」みたいにね。




